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== 梅染街 ==

LovePotion3.5%〈2〉(楔波×和磨)

*性描写(♂×♂)
前後編に分けまして、此れで終わり。
夜の方もエロいのでしょうが、ご想像にお任せって事にします(笑)。


箱一杯に詰まっていたチョコレートも、もう残り僅か。
半開きの蓋に記されているのは商品名だけではない。

カクテルグラスに飛び込んだ、サクランボの絵。
雫を跳ね上げて艶めく赤。
"本品にはお酒を使用しています"の注意書きも忘れずに。

「ね……何で、お酒入り選んだの?」
「家でよく呑んでるやろ、お前。」

問い掛けるにも何となく舌が縺れてしまう。
リキュール漬けの果実で、ビターチョコより痺れる味。
甘いアルコールがふわり漂う。

元から弱い方でも酔いが早い気がする。
味は解かるので、好んで呑むのは事実だけど。


無骨な手の中で紙が取り払われて、また次の一粒。
同時にリキュールが伝い落ちる。
雫と果実を包むチョコレートが罅割れていた所為。
今度ばかりは楔波も自分の口へ運ぶ。

濡れた指ごと舐め上げる仕草の野性味。
見蕩れて隙だらけの時、不意に金色が此方へ向けられた。

「食いたかったか?」

楔波には見透かされていたらしい。
包み紙を剥がす音で、和磨の口腔に溢れていた唾液。
完全にパブロフの犬。
思わず口を開けて待っていたのが恥ずかしくなる。

慌てても遅く、口を閉じれば弁明の一つ出来やしない。
視線を逸らそうとしても叶わなかった。
鍵のように挿された指先で、割り開かれる唇。

唾液が漏れる前に、今日最初のキスで塞がれる。
弄っていたリボンを思わず握り締めた。

舌に絡む濃厚な味で、口移し目的である事を思い出す。
ほとんど溶けたチョコレート。
口寂しかったところに、高い糖度。
あまりにも甘い幸福感で息が詰まりそうになる。


唇を貪りながら、和磨のシャツを開く骨張った手。
零れ落ちる吐息にもリキュールが香る。

"今日"の正しい意味を知らない楔波にとっては、此れも行事の一環。
チョコレートを贈った相手と肌を重ねる日。
あながち間違いでなくとも、紫亜からの入れ知恵である。
楔波から触れてくれる貴重な機会。
結局のところ戸惑うのは和磨だけなのだ、いつも。


「確かに食った、な?」
「う、うん……」

曖昧に頷いたままで、和磨が両手の指を組み合う。
何となく気恥ずかしくて落ち着かない時の癖。
手遊びしていた深紅のリボン。
不意に、楔波の指先が端を摘み上げる。

「え……、あの、楔波……?」

和磨の両手に幾重か巻き付け、蝶々が留まる拘束。
引き寄せられたら膝の上。
胸に抱かれて、もう一度唇と舌が絡む。



少々の身長差もあるし、男同士。
それでも腰を下ろした状態なら横抱きに出来る。
左手で和磨の背中と肩を支え、右手は捲られた布の下に。
弄られては甘い声が震える。
見上げたすぐ近くに、ピアスと瞳の金色。

結われたのが手首なら、黒髪を掴むくらい出来るのに。
組んだ形のまま固定されてしまった指は縋る事も許されない。
楔波の首に回した両腕の先、リボンが軋む。

「えぇから、任せろ……和磨。」

耳を噛む低音一つで、熱が沸点まで上がる。
あやす右手に吐き出した。


片膝の裏に回されていた右腕が抜かれる。
腰を持ち上げられ、座り込んだ楔波と向かい合わせ。
滴った白濁を塗り込まれる入り口。
柔らかくなったところで、刀身の先端が押し当たる。

「……んく……ぅッ!」

抉じ開けられた感覚に声が漏れた。
擦れ合って、粘着いた水音。
浮いていた腰が両手で掴まれ、沈み込む。


前に傾いた身体が抱き止められ、重く軋む音。
楔波が凭れ掛かったフェンスの所為。
縛られた両腕で楔波の頭を抱え、首にしがみ付いた。
高い場所を恐れるのは本能。
いい加減、屋上に慣れた筈でも苦手な物は簡単に無くならない。

寄り掛かった程度でフェンスが外れる訳無いのに。
もし落ちるなら二人一緒だろうか、此の場合。
格子越しの空はあまりにも近く、眼に痛々しい程の青。

「……ひぁッ!」

突然、尖った薄紅を噛まれて甘い痛み。
不機嫌が混ざっている気がして、恐る恐る楔波の方を覗った。
顔を埋めたまま和磨を真っ直ぐ突き刺す金色。
胸元からの視線なのに、見下される感覚。

「集中せぇや……、他の事考えるな。」
「ご……、ごめん……っうぁ!」


言葉になったのは此処までで、後は喘ぎだけ。

啄ばみながらも平たい胸を弄る右手。
左手は、変わらず和磨の背を強く支えて。

身体の中心を抉じ開けた熱の塊をしゃぶる水音。
抱き締められて深く打ち込まれたまま、腰が擦れ合う。
激しい抜き差しよりも甘い感覚を生む。
先程までの少しの不安は消えて、快楽で涙が零れた。

リキュールが色濃く香る口唇に誘われ、幾度も奪う。
舌の上に残るチョコレート。
微かな甘さを分け合って、貪欲になる。


甘いアルコールと、真昼の太陽と、溺れる情交。
高熱で意識が蕩けていく。


今夜にでもチョコレートを交えた宴は再び開かれるのだろう。
空に手が届いてしまいそうな、あの部屋の寝床で。
其の時は、此処に居ない紫亜も一緒に。

いや、もしかしたら既に近くまで来ているかもしれない。
屋上で逢うのは楔波も片割れも同じ事。
扉に背中を向けたまま、腰を振る最中では気配など読めず。
小悪魔は如何するだろうか。
淫らになった和磨を目にしたとして。


霞む視界の中、両手を括る深紅の存在が鮮やかに映る。
此れが糸ならば、多分、彼とは繋がっていない。
こうして酔い痴れようと"気紛れ"だと言う。
どんなに愛しくても、本音を見せてくれない金色の眼で。

けれど和磨は何処へも行けないし、他の誰も目に入らない。

楔波の手によって結われて作られた現状。
ただ、其れだけが動かない事実。


*end

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