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== 梅染街 ==

羽は無くても(瑠夜×和宏)

設定は此方から

今年のクリスマスSSは瑠夜×和宏で。
バタバタしてたけど間に合った!
聖夜だけにピュア度割増しのつもりで書いてみましたv
お正月の方は双子君+和磨を予定してます。

それではメリークリスマスっ!


ポンチョの水色一杯に咲き零れるのは、真っ白な雪の華。
瑠夜の無表情ならいつもの事。
けれど、今日は少しだけ不機嫌混じり。
防寒性が高かろうと、別に好んで着ている訳ではないのだ。

姉からのお古なので、女物なのは仕方あるまい。
半ば押し付けの形で回ってきた。
とは云えど、鏡に映る自分が女子にしか見えないのが溜息の理由。
ただでさえ小柄で線も細いのに。
其処にコンプレックスを持つ瑠夜の気持ちを翳らせる。

残り僅かとなった師走の忙しさに早足の街中。
周囲はそうそう瑠夜の事など気に掛けていない事だって判っているが。
男の部分が少ない事に、密かな溜息が白くなる。


「瑠夜そーゆーのも持ってたんだな、可愛い。」
「ん……、ありがとうございます。」

裏表など一切無しの笑みは、劣等感など軽々と吹き飛ばす。
返した言葉も口許が綻んだ事も、嘘ではなかった。
多分、きっと、和宏相手だからなのだろう。



何処からか流れるクリスマスソングが、祭り事を更に賑わせる。
彩られたイルミネーションは夕闇に負けず輝く。
華やかな光が夜を踊り明かす日。
和宏と共に過ごすのは、二度目のクリスマス。

気持ちは浮き立つものの、日が暮れれば気温も大きく下がる。

髪色より鮮やかなワインレッドのコートの和宏は寒さで頬も赤い。
マフラーを鼻先まで引き上げる、何処か幼い仕草。
吐いた息で眼鏡が曇れば困ったような顔。
白くなった視界では、瑠夜が小さく笑った事にも気付かず。

「お手をどうぞ?」

長らく袖の中に引っ込めていた指先。
凛と冴えた冬の空気に晒し、和宏の方へと差し出す。

自分の手が冷たいのは瑠夜も判っている。
其れを知っている筈の和宏が、躊躇い無く繋いでくれる事も。
多少の照れはあれど。
指を絡めたままポンチョのポケットへ招き入れる。

明らかに男二人、で手を繋ぐよりは傍目には自然かもしれない。
此の格好ならカップルか女子同士にしか見えないだろう。


「また空いてると良いですね、去年行った夜景スポット。」
「だなー。今年はプレゼント用意したからさ、後で受け取ってな?」
「赤着てるし本当にサンタみたいですね、和。僕もありますけど。」
「ん、そうかな。瑠夜は……」
「僕が、何ですか?」
「えっと……、雪の妖精みたいだなって思った、その格好。」

自分で呟いておいて照れて如何するのだろうか。
軽く俯いた和宏は、赤い顔。
顔を隠すような片手で眼鏡を直しながら誤魔化す。

「あ、いや……、凄い子供っぽい事言っちゃったな、俺。」
「そーゆー和が可愛いと思いますけどね、僕。」

寧ろ口説かれているのではないかと思ってしまった。
事実、聞きようによってはそうなるだろう。
意識もせず口にするから困る。
瑠夜の方は、感情を隠し持ちながら言葉を選んでいるのに。



「妖精ね……、でしたら魔法使えるかもしれませんね、今なら。」
「だから、恥ずかしいから繰り返し言うなって……え?」

空いた方の手でポンチョの端を摘む。
そのまま和宏の肩ごと包んで、柔らかく抱き付いた。
着込んだ布越しにも鼓動を感じる。

「ビビディ・バビディ……」

お決まりの呪文。
其処から先は、音として響く手前の小さな声で。



「あのさ……、どんな魔法かけたの?」
「秘密です。」

ほんの児戯にしか過ぎないだろう、此れは。
瑠夜だって判っている。
そんな"魔法"に頼ってまで、望む事なんて決まっていた。

君が胸を痛めて泣いたりしませんように。
君が傷付いて辛い思いをしませんように。

サンタじゃなくても、いつも色んなものを貰っているから。

黙って守られる程弱くない事は知っている。
だから、君の力になってあげたい。
雪なら溶けてしまう熱を感じながら、ただ、そう願った。



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