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== 梅染街 ==

白桃の瓶が開かない〈2〉(楔波×和磨×紫亜)

*性描写(♂×♂)
直接的なところ触れてないけど格好がアレなんでR表示。
どーゆーシチュで持って行こうかと思ったら、結局焦らしプレイに…


空に近い最上階、レースカーテン越しの青は穏やかな色。
秋にしては暖かく陽光満ちる日。
室内なら素肌を晒していても差し支えない程には。

ベッドを抜けてから、和磨が背後ばかり気にするも無理ない。
桃色に黒い花が咲き零れるエプロンのみの格好。

腰の蝶結びを頑丈にしたところで、所詮は布一枚。
初めての命令でも抗えず。
紫亜が気紛れに始めてしまう、いつもの遊び。
今日も玩具には意図が読めない。


背後が無防備なのは勿論だが、和磨の場合は正面も危うい。
デザインだけで選んだエプロンは小さめ。
長身の和磨には丈が短く、拳で膝上の裾を握り締める。

それでも、死守するように足元だけは重装備。
冬仕様の長いソックスとルームブーツ。
肌を隠す役に立たずとも、お陰で意外と寒さを感じない。
寧ろ、羞恥により体感温度は真夏並み。



「ご飯、置いとくからね……勝手に食べてて。」

夕飯の残りのスープとトースト、一杯のコーヒー。
此の格好では卵を焼く余裕すら無かった。
そそくさと二人の分をテーブルに用意し、和磨だけ台所の片隅。

出来るだけ離れたくて、蹲ったまま熱々のトーストを齧る。
塗り込んだジャムが唇に冷たい。

幾つもの果実が混ざり合っても、苺とブルーベリーが強い色。
煮詰まった暗紅色の香りは濃厚な甘さ。
お気に入りの味で和磨も身体の緊張を少し解かれる。
果実の塊を噛み砕けば、桃の味。


「和磨、俺もジャムが良いんだけど?」


突然の事に心臓が跳ねた。
遠く保った距離のまま、紫亜に声だけ掛けられた。

此れは"来い"と云う命令。

形振り構わず急ぎ足なら、すぐ置いて引っ込む事も出来たかもしれない。
羞恥心を偽って、何でもない振りをする事だって。

ジャム瓶を手に、恐る恐る腰を上げた時までは考えられた。
可能性だけなら頭の中で何とでも。
台所から踏み出せば、ほんの一瞬で立ち竦んでしまう。


細く笑う眼と、無表情の眼。
彼らからすればただ見ているだけでも、突き刺さる金色。


どちらも和磨だけを捕らえる、二対の共に冴えた瞳。
遠慮容赦無く全て見透かすような。
布一枚の下で鼓動が騒ぐ。
視線だけで神経が焼き切れそうだった。

普段、周囲に人が溢れる中でも彼らだけは別。
いつでも意識してしまう金色の瞳は、時に熱や痛みを感じる程。
こんな状況ならば尚更に。



「も……、意味分かんないよ、全然……」

すぐに耐え切れなくなり、和磨が思わず膝を着いて座り込む。
語尾が震えた涙声一つ。

昨夜から何だと云うのだろう。

理性の表皮を剥ぎ取っておいて、一向に歯を立ててくれない。
熱くなっても舐めるのは零した滴のみ。
情欲を曝け出して貪ってくれても構わないのに。

ガラス一枚隔てて、眺められているだけのような気分。
此方は守る物など無いに等しいのに。


それきり黙って俯いてしまった和磨の前、影が落ちる。
伸ばされた指先に顎を持ち上げられた。

滲んだ視界、此方を見下ろすのは楔波。


「お前は、如何して欲しいんや?」
「……食べて、欲しい。」


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