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== 梅染街 ==

暴風一過、天気は上々(楔波×和磨×紫亜)

*同性愛描写(♂×♂)
二面性のお話です、絵チャでは毎回いっぱいネタ頂くので例の喧嘩の件を…
いつもありがとうございますっ!
考えてみれば、三人とも本来なら悪役ポジションでしたっけ。
北風と太陽ってのは童話より。

それと、たまには三人でも全年齢向けをと思って(笑)。
また暫くRばっかりになるので…!


屋上に通じる扉はいつも軋んで重い。
それでも、空に近い場所へ踏み込む事を拒まず開く。
ノブを握る手が誰であっても。

見上げた青は平和そのものと云った色。
純度の高い陽光が満ち、過ぎ去った生臭い感情すら消毒されて。



座り込んでじっとしていると、黒い制服は光を吸って暖かい。
空っぽのお弁当を片付けたら紫亜君が小さく欠伸した。
此方に寄り、僕の膝を畳み直して倒し、それから自分の頭を載せる。
極自然な動作で始めた膝枕。
枕代わりのぬいぐるみなのかな、今の僕は。

玩具って言葉には色んな意味がある。

気に入っているから寝る時も一緒、て事なら良いんだけどね……
遊び疲れて握ったまま眠くなってしまった、なんてところか。


仰向けになったり俯せになったり、膝の上で栗毛が流れて乱れる。
もぞもぞされると、くすぐったくて落ち着かない。
妙に甘い感じがむず痒くって熱いけど……
いきなりで戸惑っただけであって、悪い気はしないのが本音。

うとうと眼を瞑って、冷えた金色は瞼の下。
気持ち良さそうに喉を鳴らすだけ。

戯れついているだけで必要以上触れたりはしない、と思う。
そう、多分ね……、今のところ。
油断ならない小悪魔が相手なので、断言は出来ない。

隣を窺えば、楔波もフェンスに寄り掛かって悠々と。
柔らかい風が一陣、空いたコーヒー缶を倒しても気に留めず。
其の視界、端でも良いから僕は居るのかな……
いつも通りの三人きり。


「……何や。」

空を眺める横顔が綺麗で見蕩れていたら、低音。
咄嗟の事で言葉に詰まったけど話題が無い訳じゃない。
視線を移したのは、例の扉。

「流石に、もう来ないなぁと思って。」

主語が抜けていたって意味は判るかな。
あの扉が僕ら以外に開かれたのは、昨日の事。



何か悪そうな団体に屋上を明渡せとか絡まれて……
要するに、喧嘩売られた訳。
射程距離の片っ端から薙ぎ倒しちゃったけどね、僕らで。

まぁ、本当の意味での勝者は宮城君かな。
勝負着いた辺りで騒ぎ聞いて飛んで来て、一喝で止めさせた。
もう超怒られたよ……三人揃って正座したもん。
平たく言えば、こんな感じ。


宮城君には心配掛けて悪かったと思う。
けど、はっきり言って後悔とかそんなの僕の中には無い。
血の沸き立つ音を聴いてしまったから。

闘争心が瞼を開ける瞬間。
歌い出したくなる程の高揚。

同じとは言わないけど、二人も似た物を感じていたと思う。
此れは確信が出来る。
力の差とかも勿論、何より恐怖を抱かせる程の威圧感。
一切躊躇わず一人残さず叩き潰した。

「初対面で髪掴まれた僕からすれば、"ですよねー"って感じだったよ。」
「根に持ってんのか、お前。」

いや……最初、そーゆー楔波に惹かれた訳だしさ……

出逢った時、凍った金色に刺し殺された気がした。
突き刺さった物は抜けずに溶け始め、そうして染み込んだ物は恋だった。
あの頃の僕からすれば、こうやって隣に居られる事の方が奇跡。


帰ってからキスしてみたら、楔波の唇は血の味。
喧嘩の痕はそれぞれに。
見える部分には大した外傷は無いけど制服の下には幾つも痣。
紫亜君も爪割れちゃったとか言ってたし。
投げ出された細い指、切り直した深紅は短く丸い。

膝に小悪魔が載っているので僕からは動けない。
手招きで呼んで、此方を向かせて、楔波の頬に触れる。
薬指の先に掬ったリップクリーム。
優しく傷に塗り込むと、切れた唇は舐め擦ったみたいな艶。

相手が戦意喪失した時点で終わらせるつもりだけどさ、今度から。
止める役割は僕しか居ないか。
宮城君が哀しむし、楔波も紫亜君も容赦無いし。


「僕……、また蹴り倒すよ、誰かに屋上盗られそうになったら。」

喧嘩を売られたら買わないで済ませられる自信なんて無い。
此処は、僕にとって大事だし……

高い所怖いのに自分から踏み込んだのも。
初めて楔波とキスしたのも。
好きだよ、ってちゃんと言葉にしたのも。

幾つも逢瀬を重ねて、嬉しいのも苦しいのも青に混ざる場所。
其の時、いつも此処には僕らだけで。


「そぉか……」
「そうだよ。」
「もう一つあるさね、俺とキスしたのも此処でしょ?」

今まで膝の上で寛いでいた紫亜君が眼を開けた。
真下から金色を細めての微笑。

「なぁに、忘れちゃった?もう一回する?」
「し、しないってば……それに、覚えてるし……」
「…………」

寝転がったまま伸ばされた冷たい指先が、頬と髪に絡む。
思わず腰を引いたら楔波の手に触れた。
何も言わなくても握り返してくれるのは、気紛れなのかな……
いつも通りの三人きり。



僕らは多分、太陽になれない北風。

吹き荒れなきゃ変わらない物もある、昨日みたいに。
撫でるように柔らかに吹く事もある、今日みたいに。



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