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== 永桃学園日誌 ==

痛みを忘れない為に(リリィ+深砂)

設定は此方から

愛する事、死ぬ事。


髪の中がくすぐったいのを妙に感じてゆっくり覚醒した。
緩やかに瞼を持ち上げると、傍らに腰を下ろして深砂の髪を弄るリリィの姿。
掻き回す、と云うよりはもっと静かな指先で。
しかし、仰向けに照明が眩しくとも、此れでは寝返りも打てず。
互い違いの瞳に見下ろされて如何にも息苦しいのも事実。

おはよう、と言い掛けて真夜中だった事を思い出した。
開き掛けた唇で別の言葉を紡ぐ。

「なに見てんの。」
「血溜まりみてぇだな、と思って見てた。」
「ああ、髪が?」
「ん、額撃ち抜いた感じの……死んだ顔と寝てる顔って変わらねぇだろ?」

まるで見た事があるような口振り。
敢えて指摘せず、掬い上げる指の気の済むままに。

暗い紅色は真紅よりも尚、血に似ている。
例え陽光の下であろうとも白さの変わらない頬に、乱れ散った髪は冷たい。
当然の筈なのに今は死者を思わせる程。
幾筋か零れて唇に落ちた。
試しに舌先で触れてみても、錆びた鉄の味はしないけれど。


「はい、息吹き返した。」


言いつつ上体を起こせば、さらり持ち上がって水のように形を変える。
跳ね癖のある髪は軽く整えるだけでほとんど元通り。
其の間もリリィの片手は添えられたまま。
今度は柔らかく引くように絡ませ、硬く静かな表情がニヤリ歪む。

「うん、やっぱ深砂は生きてた方が良いわ。」
「リリィさんもね、私はそっちの顔の方が好きだよ。」
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