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== 梅染街 ==

此の薔薇が散るまで(楔波×和磨)

*同性愛描写(♂×♂)
モチーフは「美女と野獣」です、ネタだけは結構前から出来てた物。
桜桃さん宅で童話シリーズやってらっしゃってたの見て、これは書き時だなと(笑)。
感情乏しくて恋を知らない王子様、て楔波君イメージ合うと思います。
いや、野獣よりは黒猫っぽいけど!

挿絵(桜桃さん宅)


王子様は、恋を知りませんでした。
乙女は、家族と離れて一人で此の地に来ました。

出逢ったばかりの時、お互いに愛など無かったのに。



夕闇に聳えるマンションは外からだとお城を思わせる。
縁が無い筈の場所だったのに。
此処に棲み付く王子様は、勝手気紛れ。

「楔波、ただいま。」

玄関から声を掛けても、背中を向けたまま曖昧な返事しか無いのは想定内。
やるべき事を特に持たない時の行動も限られた物。

金色の眼を細めて、暮れるのが早くなった空をただ眺めるだけ。
まだ帰ってきてないけど、紫亜君が此処に居ても同じ事。
ベランダに出てたら下からでも姿見えたのにな。


ちらりと視線を送ってから、スーパーから提げて来た買い物袋を置いた。
材料を取り出して夕飯の支度に取り掛かる。
すっかり使い慣れてしまった、他所の家の台所。
冷蔵庫の中身まで把握してるくらい。

此処に来ると、僕がご飯作るのが当たり前になってしまっている。
いや、良いんだけどさ……
料理は好きな方だし、食べてくれるの嬉しいし。
けど僕の居ない食事時はどうしてるんだか。
必要以上喋らないから、未だに楔波の事は知らない部分が多い。

「あのさ、ご飯出来るまでお菓子とか食べる?」
「いや、えぇよ……お前の飯食いたいから。」

そのくせ、僕を喜ばせる言葉はさらり流れる。


……落ち着こう。

跳ねた心臓を抑える為、緩やかに深呼吸。
沸き掛けたお湯をカップ一杯分だけ汲んで、ティーバッグを落とした。
湯気を吹いて口付ければ淡い薔薇の味。
紅茶のお陰で少し鎮まった頭で、思考を巡らせる。

僕のご飯いつも食べてくれるけど甘い雰囲気とかそんなんじゃないもん、別に。
どちらかと云うと……

猫と暮らす場合、奴隷になるのは主人の方だって聞いた事がある。

バイト仲間で飼ってる子が言っていた。
都合は何でも猫次第、我が侭放題で振り回されても可愛くて仕方ない。
相手に尽くす方が好きな人向きの獣なんだろうね。
実際、その子にとって猫は王子様らしい。

きっと楔波も"そーゆー意味"での王子様なんだろう、多分。
僕はお姫様じゃないので。


カップの中の紅色は先程よりも濃くなって香り立つ頃。
調理する手を一旦止めて、ローズティーを持ったまま台所を後にする。
楔波の隣に座り込むと同じ目線。

「えっと……、じゃあお茶くらい飲む?」
「……ん。」

コーヒーの方が良いのは知ってるけど、手は伸ばされた。
此方に意識を向けて、受け取って、一口。
喉を小さく上下させた後ですぐに口を離す。
好き嫌い無くても、やっぱりあんまり合わなかったかな。

「……匂い強いな。」
「ローズ系って大体そうだよ。」

とか云っても、一般的なローズティーよりはしつこくない。
ミントとブレンドされて涼やかな後味。
お菓子とか果物の甘さは好きだけど、花の香りは好みが分かれる物。
薔薇がそんなに得意じゃない僕でも飲めるくらい。


立ち昇る湯気で纏わり付く香り。
これくらいで丁度良くても、気を抜くと酔いそうになる。
見えない薔薇色を深く吸い込んだ。

引き結ばれた口許も同じ味がするんだろう。
腕を回して抱き着くと、楔波の手に支えられたカップの中身が揺れた。

「おい、零れるで?」
「置いて。」
「そうやって誘う顔して……獣みたいやな、お前。」
「……かもしれない。」


獣が食べるのも獣。
きっと"そーゆー事"なんだろう、多分。



此の物語は、一目惚れで愛は始まらない。
キスじゃ魔法は解けない。
獣が恋を知って、心を手に入れるまでは。

さて王子様、覚悟は出来てる?
僕は最後の最後まで尽くしてあげるからね。



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== Comment ==

薔薇が散っても傍に
真っ直ぐすぎる和磨君が可愛いよー
和磨君の一言がホントに楔波に向けられる愛いっぱいできゅんきゅんしますw
何気ない日常の会話のはずなのに
素っ気無い楔波に対して一途だーw
カップ等々色んな和磨君のものが知らないうちに双子の家に並んでいて良いと思います!
殺風景過ぎる部屋だろうし、置いてても気にしないだろうから。
むしろ一緒に住んでもいいよ。とか想った
あ、でもそうすると紫亜の所為で和磨君寝られないかもしれない←
***

「ただいまさね~…っとあれwお邪魔だったかな?」

和磨がいつも通り来てることは知ってた
だからあえて邪魔するように、普段言わない「ただいま」
俺の声を聞いてはっとしたのか顔を赤くしてこっちに目を向けてきた
ホント面白いやつ

「何?また遊んで欲しい?」

楔波との時間を過ごしたいのは知ってる
けど、俺だって楽しみたい…お前でもっともっと
だからいつでも邪魔してやるさね
楔波と俺は双子で気持ちも良く分かる、むしろ繋がってるくらいだ
だからこそと言うべきかな?
楽しいことなら一緒にって…
お前の知りたい楔波の気持ちは俺なら知ってる
教えて欲しいだろ?

「和磨…俺にもその甘い香り欲しいさね」

薔薇の香りがする部屋を掛け分け、俺から逸れない瞳に手を差し伸べる
今居る二人が獣なら、此処にも一人…

***
予想外の紫亜目線w
薔薇が散ったら一緒に
はーい、楔波君がクールな分だけ和磨は「好き」って感情を素直に!
意地とか張るだけ無駄なんですよ、惚れちゃってるからv

Σわー!一緒に住むの良いのですか桜桃さん!!(゚д゚*)
それはそれでまた新しいネタとか増えるし、大変萌えますっ!
双子君達に「住む?」って言われたら真っ赤になって驚くでしょうけど
和磨は凄く喜ぶと思います、もう既に半同棲状態でしょうしv
居候させていただく代わりにお世話しますとも。
あ、そうそう…確かに問題は睡眠不足でしょうな(笑)。
毎晩ソファーかベッドにお邪魔して一緒に寝させてもらうから
和磨用の寝床は要らないかと(´∀` )

***

薔薇に濡れた唇が痺れて熱い。
開きかけても、巧く喋れないくらいに。

長い間舌を絡め合って蕩けた意識が、紫亜君の声で引き戻された。
好きな人とキスするのは疚しい事じゃないのに。
見られて恥ずかしい、なんて単純な理由でもなかった。

跨いで乗り掛かった脚に感じる存在は冷静なまま。
ただでさえ動じない上、楔波にとって予測済みの事態だったんだろう。

「欲しいのはお茶じゃない、よね……紫亜君……」

僕を突き刺したまま近付く金色。
熱くなった身体が、ぞくりと震え上がる。

香りの元のカップを素通りして、向けられた冷たい手は僕へ。
差し伸べられただけで触れずに止まったまま。
獰猛に尖った爪には赤い艶。
引き裂かれる事なんて判っているのに……、どうしてだろう。
自ら指先を伸ばすしか、僕には選択肢が無い。

こうして僕は獣に飼い慣らされていく。
いっそ首輪でも付けて束縛してくれても構わない。

望まれてるから此処に居るんだと思っても、良いのかな……

***
紫亜君の登場、サプライズながらもドキドキが増して嬉しいです!
心情重視で色気不足だった話が一気にエロくv
3人にとっては、この関係で完成形なのかもしれませんね(笑)。
コメントありがとうございましたーっ!





        
 
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