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== 梅染街 ==

ベガの抱く花〈2〉(楔波×和磨×紫亜)

*性描写(♂×♂)
花火じゃなくて外エロ書きたかっただけに見えなくもない出来に…
今回の和磨は酔ってるので色々と可笑しいような。
嫌われるのが普通だったから、相変わらず愛される事に自信が無い子。

挿絵(桜桃さん宅)


「それ美味しい?」

考え事をしていた身は隙だらけ。
上機嫌の鼻歌が聴こえていた方から肩を突付かれた。
振り向いた視界に飛び込んだピンク色。

片頬に押し当たる、冷たく濡れた感触。

悲鳴を呑み込んで跳ね上がったら、くすくす笑われた。
正体は、紫亜君が持っている苺ソーダの缶。


どうして僕はいつも引っ掛かっちゃうんだろう……
気付いた時には遅い。
何度目だろうと反応してしまう、同じ手の悪戯。

「和磨のも炭酸?ね、一口頂戴。」
「僕のはお酒だけど……紫亜君て呑める?大丈夫?」

ああ、でも、確かに弱そうに見えない相手だった。
僕の心配を他所に、極めて流暢な仕草で紫亜君はアルコールを味わう。
綺麗にマニキュアが塗られた手から雫が落ちた。
ルビーレッドに艶めく爪。
明度を抑えた冷たい色が、細い指先には良く似合っている。

手元へ戻った途端に恋しくなって、僕もカシスオレンジを啜った。
透き通った朱色はほとんどソーダ水と変わらない。
夏に相応しい、強い酸味の甘い香り。


「ふふ、間接キスさね。」

僕が一息吐くまで、細められた視線は注がれたまま。
見慣れた小悪魔の笑みで。
悪戯の後でいつも言うんだから、もう……

「あ、のさ……何で、そんな嬉しそうなの?」
「だって、和磨とは直接出来ないんだからそれくらい良いでしょ。」

そう返されると、何だか言葉に詰まってしまう。

唇を重ねるキスは楔波としかしない。
それぞれ一度だけ、なら紫亜君と夢露さんにされた事はあるけど。
身構える間すら無かった。
嫌とかじゃないけど、でも、唇はただ一人とキスする為に在る。
淫乱だって言われる僕が信じたい事。


「ご馳走様さね、美味しかった。」
「……けど、かなり甘そうやな。」

ぼんやりしていた意識が不意に呼び戻される。
ベランダに出てから、初めての低音。
それまでただ空を見ていただけの楔波が口を開いた。

ソーダとカクテルはどちらも果実が香る。
苦味しか無いブラックを好む楔波には、甘ったるさしか感じないのだろう。

「そんな事ないさね、さっぱりしてるよ。」
「ほう……」
「楔波も飲んでみれば?」
「……貰う。」

会話の流れが此方へ来たところで、驚いて顔を上げた。
愉しそうに笑っている紫亜君は間違いなく確信犯。
此れも意地悪の延長なんだろう。

楔波の方は無自覚なのか、真顔でからかっているのか。
差し出された手。
やっと僕に向けられた金色の視線。
缶を渡そうとして、気付く。

初めてキスした時とあまりにも似過ぎていた。

ソーダを分け合った後で本物に触れたんだった、あの時も。
思い出したら一気に熱が巡る。


濡れた手が滑った。



「あーらら……」
「……何やってんねん。」

笑いを堪えた声と、呆れた声。

失敗の手痛さなんて僕が一番分かっているよ……
言葉にならず小さく唸った。
俯くと足元に移る視界、濃くなった暗闇に缶が転がっている。

問題なのは残っていた中身の方。
零れた液体をまともに浴びてしまって、僕のシャツには派手な染み。
片付けなきゃ、と思いながらも手が巧く動かない。
酔ってる所為なのかな……
大した事じゃない筈なのに、悲しい気持ちばかり膨らんできた。


「いつまでそんなの着てんのさね?」

紫亜君に引き寄せられて、含み笑いの微風が触れる。
伸ばされた手が肌に張り付くシャツを開く。
自分の唇を舐め擦った後、濡れた胸を赤い舌で拭う。

ベタつく感触が気持ち悪かったのでありがたい。
何かが可笑しい、ような気がしても。


「やっぱ甘ったるいな。」

飲み損ねたカクテルの味が気になっていたんだろうか。
僕の唇を舐めて楔波が呟く。

今度は此方から塞いだ。




学校だろうと真昼だろうと構わず、幾度も交わってきた数ヶ月。
馴染んだ肌は容易く潤おう。
風は涼しいのに、芯から溶けてしまいそうに熱く。

四つの手と二枚の舌に擦り込まれた快楽。
初めて肌を重ねた時から続いている、此の関係。

紫亜君に触れられるのは嫌じゃなかった。
玩具扱いされても逆らえず、時には自分から強請ってしまう。
僕は楔波が好きなのに。
どんなに溺れてしまっても、心苦しさが消えない。


双子とは身体二つ揃って、初めて一つの存在。
姿は違っていても同じ人間のような。
一人に愛でられている時でも、もう半身を何処かで感じる。

酷似した金色の眼。
突き刺されては、震え上がって。


「和磨。」

焦がれた呼び声一つで沸き立つ。
手摺に背を凭れて座り込んだ楔波に引かれ、膝の上。
穿たれた身体が水音で沈む。
尚も、背後からの冷たく赤い指先が這い回るまま。

絶えない花火で闇は華やぐ。
男の子の肩越し、漆黒に大輪の花が咲くのが見えた。
涙が溜まった眼には光が柔らかく滲む。

唇で噛み付かれた胸元にも。
小さな痛みで紅の花弁が一つ散る。


「……好きだよ。」

呟きの宛先は二つ。
同じ言葉に違う意味、けれど特別である事には変わらない。


恋と呼ぶには奇妙な関係で、二度目の夏。
三度目は巡って来るのかな……
其の時、僕はまだ此処に居ても良い?


*end

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