== スポンサー広告 ==

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
┗ --:--:-- ━ Page top ━…‥・

== 梅染街 ==

瓶底に閃光(瑠夜×和宏)

設定は此方から

*同性愛描写(♂×♂)
夏っぽく、青春っぽく、ノスタルジーな感じで。
この二人は発展途上なので何処まで進んで良いのか悩みます(笑)。

挿絵(桜桃さん宅)


静まり返った闇に包まれて目が覚めた。

眠り落ちる瞬間なんて物は、いつも当人が知らない間に訪れている。
とは云え今日に限っては感心半分。
夕方から始まった激しい雷雨は止んで、今は真夜中。
あの凄まじい轟音の中でよく眠れたものだ。

睡眠欲に屈したのは瑠夜だけでなく、まだ穏やかな寝息がもう一人。
音も立てずに零れ落ちる赤い髪。

うとうとしていただけなので寝室ではなく、畳に敷かれた長座布団の上。
男の子二人で寝そべるには少しばかり狭い。
軽く背中を丸め、和宏と向かい合わせで抱き合う形。
溶けそうに暑かった昼とは一転、今晩ばかりは雨のお陰で涼しい。
寄り添う体温が心地良いくらいである。


灯りの消えた部屋でも、至近距離なら月明かりで輪郭が分かる。
瞼を落として幼い顔で眠る和宏。
伸ばした指先、瑠夜が頬を撫でてみても反応は無い。
滑らかな丸みを辿って半開きの唇へ。
柔らかさを確かめて、気付かれない程度に優しく突付く。

悪戯と呼ぶには他愛無く、何となく。
ただ触れたかっただけなのかもしれない。

折角家に泊まりに来てくれたのに、眠って過ごすだけでは勿体無い。
感触に後ろ髪引かれつつも和宏の腕から抜け出す。
眼もそろそろ闇に慣れてきた頃。
大した障害物も無い部屋の中、目的の物を探し当てて戻る。


「和……、起きて下さい。」

渇いた喉で呼ぶ名は掠れ声。
何度か緩く肩を揺すってみて、漸く覚醒の気配。
弱々しく震えていた瞼が持ち上がる。

「此方へどうぞ……、足元気をつけて下さいね。」
「…………うん……」

起き上がったは良いものの、気を抜くと瑠夜の方にふらり凭れ込む。
何事かと疑問を持つ程、まだ思考が回らないらしい。
眼鏡も忘れて眠気に潤んだ瞳。
まぁ、足は何とか動くようなので問題無し。
目を擦る和宏の手を引いて、そのまま誘導する。

行き先は、縁側。



頑丈に錠を掛けていた窓を開けると、カーテンを揺らす風一陣。
雨雲の過ぎ去った後は夢だったのかと思う程の静けさ。
遠く見上げてみれば、満ちた月。
晴れた夜に柔らかな乳白色の光を降り注いでいる。

揃って腰掛けると縁側に膝小僧が並ぶ。
欠伸を繰り返す和宏に釣られて、思わず瑠夜の口も一つ。

そろそろ睡魔を払おうと、冷蔵庫から持って来たラムネを取り出した。
昔馴染みな瓶はくすんだ水色。
ガラス球の栓を開ければ、急激に泡立った水面が吹き出す。
勢いで溢れる瓶が落ち着いたところで和宏へ。
渡されるままに一口含んだ途端、驚いた顔で目を丸くする。

「目、覚めました?」
「……うん、効いた。」

極めて素直な頷きに思わず口許だけで笑ってしまう。
手元に戻った瓶を傾けると、瑠夜も舌が痺れた。
和宏の言う通り、確かに栓を開けたばかりの炭酸は格別に強烈。
口腔から耳まで直に響く泡の音。
甘味を抑えた清涼感が喉の奥に流れ込む。

「それじゃ、始めましょうか。」

一息吐いた後、瓶を置いたのが始まりの合図となる。
代わりに握ったのは線香花火。
蝋燭に灯した火と期待に、和宏の眼に光が揺れた。



真夜中の静寂に光の弾け散る音が二つ。
決して派手さは無いが、線香花火だけでも意外と楽しめるものだ。
闇の中で鮮やかに描かれる細い光の連続。
雨粒を纏った一面の夏草も輝かせる。
そして、余韻を留めたまま弱々しくなって消えて行く。

花火と名の付く物は総じて命は儚い。
焦げた残骸が一本、二本。
雨水の溜まった古バケツに投げ込まれ、また新しく手を伸ばす。


「花火もだけど、ラムネも久しぶりだな……何か懐かしいや。」
「僕は最近まで飲んだ事無かったです、炭酸。」
「え、マジで?」
「はい。骨が溶けるからって、家じゃ禁止されていたもので。」
「あー、よくある言い回しだよなー。」
「相当濃い砂糖水らしいですしね、コレって。」

交互にラムネを回し飲みしながら会話が続く。
染み渡る無色透明の冷気。
汗を掻き始めた、冷え切った水色は氷塊にも見える。
そんな筈無いのに、瓶が溶けてしまいそうな気さえするのだ。

「良いんじゃね?たまには思いっきり甘い物欲しくなるものだしさ。」
「そうですね……美味しいって感じるの、和と一緒だからかもしれませんけど。」


小さく笑い合えば、握っていた花火も細い煙だけになったところ。
空になった瓶に和宏が手を伸ばした。
飲み口の蓋を外して逆さに振り、転がり出るガラス球。

物珍しくも無いのだが、今は児戯に浸っていたい気分。
濡れた指先で摘んで月に翳してみた。
片目を瞑って一緒に覗き込むと、光を受けたガラス球が乳白に煌めく。
太陽が似合うラムネの違う顔。
飴玉にも似ていて、舐めるだけのつもりで瑠夜は口に含んだ。

「食うなよ?」
「食べませんって。」

咎める和宏の手には絶えず雫を落とす瓶。
ペンダントの絡む喉が軽く伸びた。
小さく鳴って、底に溜まっていた最後の一滴まで飲み干す。

ガラス球で片頬を膨らませたまま瑠夜は窺っていた。
微かな甘味を感じながら見蕩れて。
瓶を離した和宏の唇が息を吐くと、一筋零れて顎を伝う。


「あ、」

拭おうとしたのは同時。
反射的に伸ばされた指先が喉元で触れ合った。
衝動のまま引き寄せて、唇も。


生じた熱が音を立てて弾ける錯覚。
線香花火の所為でもなく、ラムネの所為でもなく。

呆けて緩んだ和宏の唇に舌を差し込むと、肩が竦んだ気配。
絡め合うには口腔に入れたままの球体が邪魔をする。
呑み込んでしまわないように、惜しいと思いつつ少しだけ離した。
水音と乱れた呼吸が混ざる瞬間。
とろり糸を引いてガラス球が転げ落ちる。

息の掛かる距離で見えた表情に誘われ、そのまま抱き締めた。
服の下に触れたい気持ちを抑えて。
涼を求める季節なのに今は此の熱が心地良い。

其処は和宏の方も同じだと思っても良いだろうか。
拒まれる事は無く、ただ大人しく。


共に眠気の覚め切った、深い夜の中。
胸で小さく何かが弾ける感覚に目を閉じた。
スポンサーサイト
┗ Comment:2 ━ 22:42:53 ━ Page top ━…‥・

== Comment ==

初々しいっw
…キス。だよな今の//

そんな風にドキドキ胸が高鳴る
こんなにくっついていたんじゃ、きっと瑠夜にも聞こえてしまってるんじゃないだろうか
体をくっつけ高揚する顔を隠しそんなことを考えた
だけど…
それでも抱きしめられたその腕を解く事がでずにいる
ドキドキ高鳴る胸が俺だけのものじゃない気がして
なんだか心地良くて
もう少し聞いて居たくなったのかも知れない

なぁ、瑠夜?

***
とか。続けてみた。
和宏ってばお子ちゃまなので何しても初々しいんですが
んもー本当に瑠夜君がかっこいいーです!!
なにより朔花さんの文字の描写が素敵で!
これはもう相変わらずの惚れ具合なのですが、瑠夜君の雰囲気がこの流れるような描写に凄く合っててキュン度合いが増しちゃうんですよーw
ラムネも花火もビー玉も…些細な玩具が二人にとってはドキドキのネタですよねぇ♪うへへっ!
和宏の仕草や台詞も本家のごとくw言う事ナシでww

ホントにいつもありがとうございます!!
この二人はこんな初々しさでもなんだかエロイのでイイと思いますw
まずはキスから丹念にしていけばいいさw
ごちそうさまでしたwうへっw
この二人は透明な感じでv
合わせた胸の奥、終わりなく続いている鼓動の共鳴。
自分が生きている事をぼんやりと実感した。
あまりにも綺麗な夜、夢ではないかとすら思っていたから。
互いに一番柔らかな部分を重ね合わせる為のキス。
此れで幾度目になるだろうか。
和は僕を友達だって言うけど、本当に分かっているんだか。
友達同士はキスなんてしないでしょう?

抱き寄せた身体が熱い。
でも、僕達の「好き」の形は同じじゃない。
和の中で気持ちが育つなら、幾らでも待てるけど…

ねぇ、僕に触れたいって思ってくれますか?

***
続きありがとうございますっ!
和君が瑠夜の事想ってくれてる心情にきゅーんとv
大変嬉しかったもので私もちょこっと。
いやー、もう勿体無い言葉いっぱい頂いちゃいまして感謝でっ!(゚д゚*)
雰囲気的には昭和男子だからこーゆーネタ合うのかも、瑠夜(笑)。
そうそう、一人の時には本当に小さなアイテムであっても
二人だったら色々と楽しみ方を発見できるのですよ!
和君もこんな感じで大丈夫でしたら良かった…!
毎度可愛い子をお借りさせていただきましてv

いえいえ、此方こそいつもありがとうですー!
桜桃さんの絵でうちの子達があんなに可愛くなるなんて…!
ですね、和君と瑠夜は感情育てつつゆっくりと。
大した距離でもない帰り道、別れを惜しんでわざと時間かけて歩くような…
今のところキスだけって関係もエロスありますよねv
コメントありがとうございました!





        
 
Prev « ┃ Top ┃ » Next
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。