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== 梅染街 ==

完熟ケーキ(楔波×和磨)

*同性愛描写(♂×♂)
桜桃さん誕のお祝い、その2。
花盛り鍋ともリンクしてるつもりです、そっち書き終えたらついネタが(笑)。
おまけのつもりでお楽しみいただけたら幸い!
あ、和磨が楔波君に渡したのは桜桃さんと紫亜君の分ですv


眩しい陽光が随分と遠くに感じ、足元に敷いた毛布を引き寄せた。
味気無く静けさを保つ旧校舎の教室。
わざわざ薄暗い場所で暖かな五月の真昼を過ごす者など居ない。

そんな酔狂な生徒は楔波と和磨くらい。

弁当を早々片付け終えても、寛ぐ時間は此処から本番。
アルミホイルを破けば、閉じ込められていた香ばしく甘やかな匂い。
銀色の下から現れた焼き菓子には深紅の水玉模様。
サクランボのバターケーキ。
砂糖漬けが手に入ったので、昨日の夜に焼いてみた物。

「で、こっちのは持ち帰り用ね。」

楔波に渡した小さな紙袋の中身は同じケーキ。
ただ、此方はチョコレート色の蝶々が留まる桃色の包み。
ラッピングならば和磨の得意手。

此処で食べる分はアルミホイルだけで事足りる。
楔波が丁寧に解いてくれる相手でもないのは承知の上。
出来るなら、綺麗な包装が紙屑に変わり果てるところは見たくない。
施した和磨としては後味が悪すぎる。


「あ。」


ケーキを食べる為に開いた和磨の口が、短く声を発した。
今まで髪の中にでも紛れていたのだろうか。
楔波の肩には、桜の花。

花弁を降らせる八重桜の下は旧校舎までの通り道。
髪も制服も漆黒の中、一滴の薄紅。
冷たい楔波に可愛い箇所が加わると、妙にどきりとしてしまう。
意外な程に違和感は無い。

頬張っている最中なので返事こそ無いが、金色の眼はさも面倒そうに。
どうでも良いとばかりに缶コーヒーを啜るだけ。
となると、役目は和磨へ渡る。
ケーキを置くと身を乗り出し、花を指先で弾き飛ばす。
ほとんど胡座の膝に載る勢いで。

花を取るのは、近付きたかった大義名分。
唇が重なっても楔波は相変わらず動じたりせず。

「…………ん。」

舌先に感じる甘味が酷く昂ぶらせる。
コーヒーの苦さと混ざって、和磨には憶えのある香り。
生地に垂らしたリキュール。

焼き菓子に酒を加えても、香りだけしか残らない。
火を通した時にアルコール分は消えてしまう筈、なのに。
何だか変に酔ってしまいそうだ。
元から和磨には酒の耐性なんて強くない。


酩酊感の中で息継ぎしても、楔波は無表情を崩さない。
剥がれた唇を舐めたかと思えば。

腰を持ち上げたのは、唐突。

「授業、そろそろ行かんと遅れる。」
「……えー……」

困惑しながら見上げても続きは無し。
正面から屈むと、座り込んだままの和磨の耳朶を咬んだ。
一瞬だけ見えたのは僅かに緩んだ口許。


「後でな。」


甘い痛みだけを残して、振り返らずに立ち去る。
約束にも満たない低い声。

毛布と唇に記憶されている、とても愛しい体温。
先程まで彼の一部だった桜の花。
床に転がった空っぽの缶。
齧られた焼き菓子。
存在の断片を色濃くこびり付かせておきながら。


「ひっど……、"後"って、いつの事だよ……」

行き場を無くした熱で崩れ落ちて、和磨が情けなく呟いた。
あんな言葉など当てになるものか。
敗北感すら何処か甘くて潤んだ視界を袖口で拭う。
散々思い知らされてきた、惚れた弱み。


深紅を実らせても、砂糖に埋められ眠らされたサクランボ。
食べ頃は手間を掛けて後回し。
早く歯を立てて欲しいと焦れているのに。

でも此処は瓶の中じゃない、動けるのなら追い掛けるべき?


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== Comment ==

あぁぁぁりがとう!
つい、うっかり興奮したw
相変わらずの乙女な和磨君にきゅんw
そして朔花さんの描く楔波の男前さにきゅん。
ホントに「後で」っていつだよww
きっと不意とついたように突然それがやってくるんだ。
だからいつでも和磨君は焦らされたようにドキドキしてなきゃならないって言う…放置ぷr(略
甘い香りに誘われて紫亜もやってきそうですが…
紫亜の場合はケーキよりも、ケーキの味がする和磨君を頂いちゃう的な(何
きっとリキュールよりも酔うほどに甘く…

しかし、楔波ったら貰った物は一応食べるって言う
和磨君に気を許してるってことなんでしょうねw
んもーいつの間にか少しずつ縮まる距離がなんともいいww

リクエストしたのにまさかオマケがついていたなんてお得(違
ホントにお忙しい中有難うございました!
いやぁ~読み返してまた興奮しちゃいましたよwっていうかコソコソ来てはニヤニヤして帰るって言うw
ホントにホントにいつもありがとうございますっ!!
はーいv
瑠夜と和君の話がほんわか仕立てだったので
対で此方はエロスぎりぎりにしてみました(笑)。
いえいえ、だって楔波君は男前でなければっ!
だからこそ振り回されてる和磨の方はきゅんとしっぱなしで
ますます乙女になっていくと(笑)。

ええ、「後で」であって「いつ」とは言わないのがポイントなのです。
明確にしない辺り意地悪とも言いますが(´∀` )
約束事ってのは、内容自体より約束するって事自体が甘いのですよ!
あああ…、桜桃さん本当によく分かってらっしゃる(笑)。
和磨もうドキドキしながら大人しく待ってるから他の事なんか
ほとんど頭に入らないですよ、この後…
耐え切れなくなったら自分から誘うかもですがv
おおっ、紫亜君まで!また妄想広がるんですけどもっ!
紫亜君の分のケーキは楔波君に渡しちゃったから手元に無いし
どうしたもんかと和磨が困ったところで、代わりに食べちゃって下さい(笑)。
意地悪にされるより甘くにされた方が戸惑うと思いますしv

触れてから感情育つ感じで普通と順番逆ではありますが
楔波君と和磨はこんな雰囲気ですよねぇ。
傍から見たらイチャイチャなんだけど、本人達は無自覚って(笑)。
いやー、桜桃さんのご意見聞いたりお話しするのは
大変萌えの参考になりますので此方こそリクどうもでしたv
此方こそいつも遊んで下さって感謝ですよー!
コメントありがとうございました!





        
 
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