== スポンサー広告 ==

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
┗ --:--:-- ━ Page top ━…‥・

== 梅染街 ==

天国に残雪一片〈2〉(紫亜×和磨)

*性描写(♂×♂)
挿絵(桜桃さん宅)


陽射しで焼けたコンクリートが背中にじりじりと熱い。
上から覗き込む紫亜は逆さま。
床に着いた両膝の間、仰向けに倒れた和磨の頭を挟み込む体勢で。

目を細める微笑が空を遮って影を落とす。
優しいようで少しも感情が読み取れずに、容赦無く冷たく。

此の笑みを前にすると、何をされても和磨は逆らえなくなる。
幾度も教え込まれて築かれた法則。
紫亜が絶対的に優位な立場である事は、関係を持った時から。

「ご、ごめんなさい……」

小さく謝罪しても、愉悦を舌先で転がしながら「許さない」と告げられる。
次いで伸ばされた指先が和磨の胸元へ。
黒の下、最初から開き加減だったシャツの釦を一つ一つ外す。

布が左右に開かれれば、淡い桃色を溶かしたような生白い肌。
無抵抗な身体に強張りが走る。
外気に晒された冷たさと、何をされるのかと云う恐れ。
背筋が震えた理由ならばもう一つ。
頬に熱を宿らせたのは、期待。


けれど紫亜は触れる代わり、先程の紙コップを手に取った。
紙コップに指を突き入れたと思えば再び横へ置く。
真下の和磨には意図など解からない。

「熱ッ!」

甘い雫を滴らせる手が何かを摘んでいるのが見えた刹那。
ココアの熱で震えた肌に、マシュマロが落ちた。


さぞ熱いだろうと思いきや、溶けたマシュマロの方は意外と生温い。
呼吸で上下する平地が真白に濡れる。
滑り落ちてしまうのを恐れて、身動ぎすら出来ない。
紫亜が赤い舌を覗かせる水音。
舐め擦ったばかりの唇を降ろし、木目細かな泡に口付けられた。

降り注ぐ栗色の髪が腹部を掠めてむず痒い。
逆さまでは何をされているのか窺えず。
紫亜の身体に視界を塞がれて、感覚だけが頼り。

そのくせ、すぐに食い付く素振りを見せない。
塊を舌先で押し、更に崩れるマシュマロを塗り広げるだけ。
焦らしているのだろうか。
粘り気ある真白の下は既に尖り始めているのに。

尤も紫亜が欲求に気付かない筈が無い。
不意に歯を立てられて、零れ落ちた和磨の声が艶めく。


甘い泡に塗れながら舐められる薄紅が熱い。
もう一つ落とされたら、和磨の体温だけで溶けてしまいそうな程。
片側までも濡れた指先に弄られて腫れ上がる。
痺れが流れ込む下腹部も。

紫亜にとっては食べる為ではなく戯れに過ぎず。
いっそ一口で平らげてくれれば良い物を、もどかしい。

過敏になった先端、微か冷たい何かが当たった。
如何やら胸を包み込むのはマシュマロだけではないと感じる。
奥から現れた別の温度。
少しばかり不穏に思いながらも、止まらない舌の動きに啼かされる。


ほとんど形を成していない泡雪を味わうには長すぎる時間。
胸だけで乱れる頃、漸く舐め尽くして最後にきつく吸い付かれた。

「ほら、和磨も食べな。」

顔を上げた紫亜が新しく取り出した包装紙を破く。
マシュマロを咥え込み、顎を掴んで和磨の唇に押し当てた。
触れる事の無い口移し。
素直に口腔へ引き込めば、柔らかな甘さが火照りを煽る。
アルコールでも含まれているのかと思う程。

「ああ、チョコ、入ってたんだ……」

ぷつりと噛み切れば正体が顔を出す。
妙に冷たかったのは、熱が届いていなかった所為だろう。


舌の上で緩やかに溶ける甘味で一ヶ月前を思い出す。
和磨達のバレンタインデーとは物々交換だけではなかった。
お菓子と一緒に相手を食べる、と云う事。


「あれって、さ、ホワイトデーも同じなの?」
「ん?今更何言ってるのさね……当然でしょ。」

そう云う事だったら、此方も返すべきだろうか。
お菓子なら和磨も持っている。
ご馳走様を言うにはまだ早すぎるのだ。


← BACK   NEXT →


*クリックで応援お願いします

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村


小説(BL) ブログランキングへ
スポンサーサイト
┗ Comment:0 ━ 21:34:33 ━ Page top ━…‥・

== Comment ==






        
 
Prev « ┃ Top ┃ » Next
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。