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== 梅染街 ==

ガラスブーツで駆けておいで(和宏+和磨)

本当はもう年明けではありますが、W和の総受けコンビで大晦日SS。
カップリングは楔波×和磨と瑠夜×和宏です。
二組ともそれぞれ初詣行く事になったのでそのネタで一丁。
急ぎ足で書いたので練り込み足らない気がしないでもないですが…!


新年まで秒読み10分前の神社は混雑の盛りを迎えていた。
大晦日と云う神聖さも加わってか、一際冴えた真冬の闇に月が眩しい。
だが、境内を歩く和磨には美しい夜を愛でる余裕は無く。
視線を周囲に巡らせて、時折に溜息。

見回しても先程まで一緒に居た楔波の姿は無く、今は独りきり。
完全に見失ってしまった。


手、繋いでたのにな……

人の波に押されて簡単に解けた指先は、芯まで冷えた。
考え過ぎであっても楔波との繋がり自体が脆い物のようで、胸が痛くなる。
いや……、そうじゃない。
自分からも強く握り返していれば、こんな事にならなかったのに。
引かれた手に甘えて何もしなかったのも悪い癖。
離れてから気付くなんて遅すぎる。


孤独感に包まれては石畳を叩く靴音すら虚しく。
羽織った大判ストールを口許まで引き上げても、布の下に冷気が忍び込んでくる。

頼みの綱の携帯も電波が悪くて黙り込んだまま。
開いたところで、時計の数字が残り少なくなっていく事だけが現実。
あまりの無情さに泣きたくなった。
幼い子じゃあるまいし、迷子でこんなに不安になるなんて情けない。
でも、このまま離れ離れで年越しを迎えるなんて嫌だ。


そして知らずのうちに滲んできた涙を乾かしたのは、突然の衝撃。


「和……、っわ!!」
「ん?!」

ストールを破かれそうな勢いで背後から掴まれ、慌てて体勢を直す。
一瞬、楔波かと思ったが呼ばれた名前は彼より高音。
けれど聞き覚えのある声。
振り返ってみれば正解、記憶と一致する赤毛が其処に在った。

「……宮城君、大丈夫?」

頷きつつも和宏は無言、顔を手で覆ったまま。
要するに、躓いた拍子に和磨の背中に思い切りぶつけたのである。
眼鏡を掛けているのだから減り込んだ痛みは相当だろう。
漸く此方を見上げても、赤い目。
何だか先程の和磨の涙を伝染させてしまったようで、申し訳ない気持ちは殊更大きい。

「ったく……、返事しろよな、さっきから呼んでたのに。」
「あぁ、ごめんね……、気付かなかった。」


遭遇した偶然を驚くよりも謝罪が先になってしまう。
手を合わせつつも、お陰で心細さが幾らか減った事に感謝していた。
彼とは妙な縁で繋がっている気がしていたのだ。
聞けば、和宏も瑠夜と一緒に来て迷ったと云う点まで同じ偶然。

「押された時に眼鏡落として、拾ってる間に流されてさ……」
「あぁ、此の中でチビッコ探すのは大変だよねぇ。」

ただ和磨達と違うと云えば、事態が想定内だった事か。
予め、迷った時の待ち合わせ場所を決めていたので其処へ行く途中らしい。
そうして歩いていたら和磨を見つけた、と云う訳である。
遠くからでも頭一つ分突き出た長身。
おまけに明るい髪色で角まで生えているのだから、目立つのは当然か。
良い意味でも悪い意味でも。

まぁ、人込みでも目を引く点なら和宏も別の意味で。
華のある顔立ちは着飾らずとも充分愛らしく、行き交う人々が振り返る程。
だからこそ和磨からしたら首を捻ってしまう。

「何だってまたモヤシ君となんだか……、僕には理解出来ないねぇ。」
「は?何の事だよ?」

最近、よく一緒に居る事が多いので不思議に思っていたのだ。
ただの独り言、と適当に返して手を軽く振ってみせる。
和宏からしたら怪訝な顔をするばかりでも。

「なぁ、良かったら和磨も一緒に、」
「冗談やめたまえよ、新年をあんな根暗と迎えるとか……縁起悪っ!」
「本っ当に仲悪いんだな、お前ら。」
「うん。」

何の迷いも無く真顔で頷いた時、携帯の着信音が喧騒を裂いた。
ポケットから和磨を呼ぶのは一番会いたい人のメロディ。
跳ね上がって取り出すも、冷え切った指ではボタン一つ押すのも縺れながら。


『和磨、後ろ見てみ?』


焦がれた低音が耳に落ち、身体の芯が甘く溶けた錯覚。
震える寒さなど一瞬で消し去って。

言われるままに視線を投げれば道の向こう側、携帯を手にした黒髪の青年。
金色の眼は射る強さで和磨に。
たった一言だけで電話は切れてしまったものの、もう何も不安は無い。


「僕はこれで失礼するね……あ、ちょっと早いけどお年玉あげるよ。」

今すぐにでも駆け出そうとした足が止まる。
思い直して回れ右。
和宏に手を重ねて、開かせて、握らせたのは飴玉一つ。


「和磨……、俺の事子供扱いしてんだろ?」
「女の子扱いよりマシでしょ?」
「まぁ良いや、サンキュ……、来年も宜しくな!」
「うん、宮城君も良いお年を!」

早く早く、ゼロになる前には会いに行くから待ってて。


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== Comment ==

ぎゃーvvv
可愛すぎるっvvはぁはぁv
やっぱ和磨君視点は乙女だなぁ~♪
楔波も和磨君の視点から見ると余計に男らしいよ(笑
和宏まで登場させて貰っちゃって~
ニヤニヤ倍増でしたよ!うはーvご馳走様でしたv


あぁぁん、まだニヤニヤがとまらないw
此方もニヨニヨ(´∀`*)
わ、可愛いって言って貰えて大変嬉しいです!
はい、楔波君が男前過ぎるだけに一緒の時の和磨は乙女でv
この後、神社来たのに結局お参りとか出来ずに和磨の家行くんですよねぇ。
だから紫亜君も加えて三人で初詣やり直しするんでしょうな(笑)。
和君も大変楽しんで書かせていただきましたっ!

いえいえ、これも毎度萌えさせていただいてるお陰でv
遊んで下さるたびにネタ出来るので、また宜しくでーすv





        
 
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