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== 梅染街 ==

踏み散らした影は純白(楔波×和磨)

*性描写(♂×♂)
此の二人にしては甘め、結果は微糖でも。


日溜まりの室内は涼しくなった季節でも暖かく心地良い。
瞼を持ち上げれば、差し込む光に細かい埃が舞い上がる様が見て取れた。
穏やかな外界は酷く遠く。
決して其処から見えやしないだろう。

高い窓の真下、影の濃い場所に座り込んだ身体が二つ。
絡み合った脚は制服の黒。


ジッパーを開いた手は収まらなくなった部分から奥深い内部まで探り続ける。
そのまま掴まれた衣服を引き下ろされ、和磨が思わず顔を背けた。
身を捩ろうにも背後は壁。
後退する事など出来ず、正面の男も勿論逃がしたりしてくれない。

顎を掴んで戻された口唇が重なる。
そうして身体を壁面に押し付けられながら、埋め込まれる痛みを遣り過ごす。

支えが無ければ崩れ落ちそうで、壁に凭れたまま泣き声を上げた。
頬を流れる涙は煮え立つ温度。
互いにシャツを床に放った裸の胸、汗で滑って擦れ合う。
和磨の方は足首に黒の残骸が巻き付いているのみ。
肌を晒した状態で光から隠れていても、耳朶まで絶えず熱が巡る。

溶けてしまいそうになる感覚を引き止める男の腕。
掻き抱く強さは骨を軋ませる程に。
消えまいと、和磨も其の肩に爪を立てた。




「裸に靴下だけって間抜けな恰好やな、お前。」
「君は余韻とか学んだ方が……いや、やっぱ何でも無いよ。」

呼吸の落ち着いた後、吐かれる言葉はさらり冷めている。
後始末を終えて下着とズボンを直した。
硬い壁に挟まれていた身体があちこち痛んでふらつく。


移動するにも腰を引き摺って、拾い上げたシャツを楔波にも渡す。
彼が袖を通したところで、前を引き合わせるのは和磨の手。
釦を留めに掛かっても振り払おうとはせず。
存外大人しく、自分の胸元で動く指を黙って見ているだけ。
単に面倒なだけかもしれない。

和磨の鼓動が早くなっている事など知りはしないだろう。
落ち着かないのは視線の所為だけじゃない。
隠し事は小さく、一つ。


気付く?気付かない?
どちらにしろ、素知らぬ顔を決め込むつもりだけど。


「開けんなや、寒い。」

湿って停滞した部屋は情交の匂い。
空気を入れ替えようと窓の鍵に伸ばした手が止まった。
振り返ってみれば視界の隅、漆黒の塊。

壁に身体を預けて脚を崩しているのは、今度は楔波の方。
学ランを毛布代わりに寝る体勢。

「膝枕でもしよっか?」
「要らん、お前の脚硬そうやし。」
「僕、此処に居ちゃ駄目?」
「別に……」

欠伸を噛み殺しながらの返答、金色も潤んで鈍い。
瞼が伏せたのを目にしてから和磨も羽織ったシャツの釦を摘んだ。

肌を隠す楔波とは異なり、いつも通り上から三番目まで外して。
他人に噛み痕が見えても構わなかった。
誰と何をしたからと態度が変わるような者など、如何でも良い。


皆一様に変わらない制服のシャツは三つしかないサイズ。
多少の差があっても大雑把に一括り、タグの表記だって同じ物。
襟を引いて鼻先を埋めた。
こうでもしなければ判らないだろう。

自分とは違う、切なくなる残り香。
摩り替わった事を知っても、よもや故意だとも思うまい。

眠る男の身体を包んでいた布一枚。
こんな物にまで拘る自分を心底馬鹿だと和磨は解かっている。
でも、返さないからね。



隣に腰を下ろして両膝を立てる。
気怠さが色濃いのは和磨もなのだが目を閉じるつもりは無かった。
起きた時に楔波が居なかったら、と思うと怖い。
黒髪の乱れを梳こうとした指先は寸刻躊躇って、床に投げ出された手の方に絡めた。
まだ沈みそうもない熱を持て余して。

僕も、君を包んであげられたら良いのに。
シャツにすら出来る事が、今は凄く難しいけど。



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