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== 梅染街 ==

碧天に焦げ跡(楔波←和磨)

*同性愛描写(♂×♂)
最初のキスはメロンソーダ味でした。関係持つ前の独り言。


自覚するのに時間が掛かり過ぎた。
症状の進行は全身に廻って、既に手遅れ。
胸が痛くてもう息が出来ない。
抉られた口腔と噛まれた傷から流し込まれた。

毒の呼び名は、恋。


錯覚、の一言で済ませようとするのに唇の傷が否と呟く。
繋がったのは嘘ではないと。
愛情を表す為の柔らかな物を口付けだとするなら、あれは別物。
あまりに厭らしく痛々しい。

誘ったのは和磨の方だと口にする。
そんな策など無いのに。
振り解けない強さで捕らえておいて、よく言う。
視線でさえ絡め取られて動けなくなった。

けれど触れてみたいと思ったのは事実。
眼前から数センチのところで不敵に歪んだ、其の口許。


甘ったるい香料と血が絡んで、舌先で交わった体液。
溢れ落ちた雫の味を覚えている。
堪らなくなって求めた手は付け根を引き寄せられて、握り潰された。
夏服の袖には鮮やかな痣。

それでも構わなかった、此の身体など如何でも。
与えられる物が痛みならば、それでも良いと。

伏せていた瞼には知らぬ間に涙が滲んでいた。
見上げた先、息も乱さずに平常と変わらず冴えた表情。
口付けの荒々しさが嘘のように蔑みを含む程。
氷よりも鉄を思わせる。
突き刺さった痛みは何とも冷たく、何とも切ない。


性別などどちらでも良かったと云えば嘘になる。
偶然に同性だった、と云うのも違う。
男相手にこんな感情を抱くなど、もう後にも先にも無いだろう。
惹かれたのは、残酷なくらいに冷たい硬質。
感情が欠落していると云う。
拒みもしなければ、求めもしない。

哀しく思いながらも、それも構わないかなんて反面が片隅に。
もしも感情が芽生えたとしても其処に保証は無いのだから。
自分に対する”何か”が存在するか、なんて。
其れが、少し怖い。

ただ愛したい、なんて簡単に口にする事は出来ず。
確かに見返りが欲しくない訳じゃなかった。
何せ、欲しい物なんて他に一つも無い。

そうやって未だ、あの時の残骸を後生大事に持ち続けている。
沈んだ筈の熱を取り出して、何気ない言葉まで深読みして。
惨めとか、哀れとか、そんな形容詞で括られてしまうのだろうけど。
本音などもっと愚かしい。

一回だけじゃ、とても物足りないと。


感覚だけを置き去りに時間は停まったまま。
触れた瞬間、火を灯された。
燻るのは胸の奥。

今の僕は、其れを消したくない。


此処に君は居ない。


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