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蛹を開けば(遼二+渉+忠臣)

青葉を描いていただいたお礼に、ういちろさん宅の渉君お借りしてSSを。
渉君は転校多い設定なので、中学時代に王林中学にも一時在籍していた事も。
図書室のリクエストいただいたから図書委員の遼二と忠臣を絡ませてみました。

キャラ増えるとごちゃごちゃになるし、青葉はまた今度!
まだ他にもネタあるから次の機会に(`・ω・´)

本家は此方をご覧下さい。
りんごあめ(ういちろさん宅)
Noisy Kitchen(朔花宅)


昼休みの図書室は、何処となく微睡んだ空気が匂い立つ。
膨れた腹を抱えた生徒達が集まって長閑な時間。
連なった低い本棚の上に、晴天を広げた窓。
午後を迎えて穏やかになった陽射しが作る室温は心地良い。

こんな日、図書委員を選んで良かったと遼二は思う。
貸し出しや返却の手続きをする為、受付カウンターで待機。
黙々とこなした後はぼんやりと。


たかが中学校の図書室、訪れる大半なんて暇潰しだった。
カウンターに列が出来るような事も早々無い。
手持無沙汰で上の空。
遼二はこうした平穏を愛している。

「仕事さえしてくれれば、オレとしては別に良いデスけどね。」
「芹沢君、お静かに願います。」

本を抱えた忠臣の嫌味など単なる雑音。
ぞんざいに返しても、友人同士の軽口なので気にならない。


三冊も持って来られると遼二としては少し面倒。
硬そうなベリーショートに、怖そうに見えがちの三白眼。
そんな尖った印象の忠臣は図書室常連で読書家。
ジャンル問わず手当たり次第に。

カウンターは図書室が見渡せる位置。
その中には所謂「本の虫」と呼ばれる者もちらほらと居た。
顔を覚えるのも得意なので、長い事腰を据えて観察していれば分かる。

受付の順番を待っていたのも、その中の一人。


「あぁ、お待たせしてすみません……どうぞ。」

視界の隅、本を持った人影に気付いて声を掛けた。
遼二が忠臣と雑談していたので恐らく遠慮していたのだろう。
眼鏡を直して向き合ってみれば、見慣れた顔の男子。


「……貸し出し、お願いします。」

ほとんど呟きで申し込んだのは、同じクラスの小田切渉だった。
中学生にしては長身なので自然と目を引く。
無造作な髪に学ランの所為か、皆より漆黒が少し重たげ。

大人びた雰囲気なのは良いのだが、どうも不愛想だった。
顰め面とまではいかなくても退屈そうな表情ばかり。

独りで過ごす事が多いので当然か。
転校生だから、と云う点ならば遼二と同じでも差はあった。
渉の場合は何となく自分から壁を作ってしまうのだ。
人と関わるのを避けるように。

図書室に通っているのもそんなところだろうか。
読書は孤独、繭に閉じこもる形。


「なぁ、小田切も不滅の牙シリーズ好きなん?」

本来ならば淡々とカード記入を済ませて完了のところ。
背表紙のタイトルを指しながら忠臣が一声。
戸惑って一瞬だけ丸くなった目、渉に表情が生まれる。


「いや、好きってほどじゃ……」
「二冊も抱えてソレ言いマス?」

素っ気なく返されても忠臣の方は引っ込まなかった。
今しがた渉の手に渡った本を指し、どちらも同シリーズと目敏く見抜く。
三白眼がしたり顔をすると人相の悪さが増す。
笑いを噛み殺している遼二の身にもなって欲しいものだ。

人の読む本が気になるのは解からなくもない。
自分も好きな物だったら尚更に。
「小田切も」の台詞からして、忠臣の愛読書でもあるらしい。

きっと同士を見つけて嬉しくなったのだろう。
馴染みがなかったクラスメイトにも話掛けてしまう程。


ところで、問題の本は遼二も別の意味で気になる。
読んだ事がなくてもタイトルの妙なインパクトは耳を疑った。
ラノベの類かと思えば、そうでもなし。
内容が全く想像出来ないものだから興味が湧いてしまう。

「不滅の、牙?でしたっけ?何ですか、その中二病ホイホイ的なタイトル……」
「おい、別に怪しくねぇよ。普通に少年漫画っぽい冒険小説だぞ。」

思わず、と云う勢いで弁解したのは渉だった。
遼二が必要以上に訝しんだ所為。
会話をしたのは初めてかもしれない、そう云えば。

何だ、ならば隠す事なんて無いのに。
読み広げていると恥ずかしい作品なのかと思ってしまった。
例えば女性キャラクターのサービスシーンが多い等。
いや、そうした内容なら学校の図書室に置かれたりしないか。


「そんなんじゃねぇよ……、ほとんど主人公の一人旅だし。」
「まぁ、漫画版の方だとオリジナルでキャラ追加されるけどな。」
「え……、漫画版まで出てんのか?」
「何だよ小田切、気になりマス?」

初耳とばかりに渉が食い付くと、忠臣は含みのある問い掛け。
それを待っていたように。

「オレ全巻持ってるし、今度貸してやっても良いけど。」

と云うより、読んで欲しいのは寧ろ忠臣の方なのだろう。
自分の好きな物を広めたくなるのが人の性。

さて、対する渉は如何だろうか。

此処で「是非」と答えれば楽でも、何だか揺れている様子。
餌を見せても警戒を解かない野良猫に似て。
今まで人付き合いをせずクラスで過ごしてきたのだ、そう素直になれず。


「……友達作るの下手ですね、アンタら。」

カウンターの中は傍観席。
渉と忠臣を見比べて、一歩下がった場所で遼二が零す。

「ちょ……、早未、何デスかソレ?」
「お前、意外と口悪いんだな……」

柔らかい印象を与える遼二に毒づかれ、両者は似たような反応。
良い子を演じているつもりはないし別に構わない。
口が滑った訳でもないのだから。

誘うも乗るも何と不器用な事か、二人とも。
親しくなる切っ掛けなんて些細なもので良いのに。


予鈴が一つ、図書室から追い出される合図。

どうせ戻る場所は同じなのだから変わらない。
それでは、続きはまた教室で。



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== Comment ==

ありがとうございますー(≧∇≦)

渉も急に声かけられて、ちょっととまどったんだろなー
でも根は明るい性格なので
どうしようか・・・と一瞬迷ったものの
きっとこのまま忠臣くんに乗せられると思います(^o^)

これが健司だったら、心底嫌な顔して
思いっきり不愛想だったかと(笑)


この後の教室で

「じゃあ、今日の帰り俺んち来なサイ」
「え」
「早未!君もデスよ!」
「えーなんで僕まで・・・」

放課後、不滅の牙で盛り上がる二人の後ろから
ためいきまじりの遼二くんが付いていく・・・

なんてことになってたらいいなー(笑)


多分短い期間だけれど、お別れまでは
楽しく過ごせただろうと思います(^o^)


それにしても
学ラン、いいですね(≧∇≦)

早速のコメントありがとうございますー!

渉君は健司君とセットの印象が強かったもので
単体でお借りした今回は描写とか大丈夫だったかな…と
二度目でも書く時にドキドキしました(´Д`)
ちょっと吃驚させてしまったようですが
コレを機に、渉君と忠臣親しくなれそうで良かった!
短期間でも仲良くなれたら嬉しいですし
やっぱり渉君寂しかったんですよね…

そっかそっか、なるほど…
健司君はガード堅いんですな(´∀`)


おお、このまま放課後までご一緒良いですね!
これは…確実に遼二も「不滅の牙」布教されますな。
話題に入れなくても苦じゃないけど
付き合いで読むくらいはしてくれるかと(‘ω’)
渉君が冒険小説お好きと訊いて、ソレ系の特撮から
拝借したネタでしたが、ういちろさんお気に召したようで(笑)。

今回もありがとうございました!
学ラン萌えなので、グッバイブルーバードでBL書く時は
黒を着こなしてる子達が脳内でわちゃわちゃしてて
楽しいのです…渉君も加わって更に(`・ω・´)






        
 
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