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== 交流 ==

絹糸の蝶(渉×健司(+遼二)

ういちろさんお誕生日おめでとうございます!
この機会に交流SS書かせていただきまして、渉君と健君カップルお借りしました。
何かと気に掛けていただけるので、うちからは遼二を。
それにしても、掛け算足し算で変な数式みたいな表示になっちゃったな…(´∀`)
お楽しみいただけたら幸いです。

本家は此方をご覧下さい。
りんごあめ(ういちろさん宅)
Noisy Kitchen(朔花宅)


麗らかな午後を迎えた休日、そこそこ大きな紅玉駅ビルは人々が行き交う。
朝から晩まで走る電車に運ばれて時計を気にしながら。
少しでも客の目を引こうと、周囲の店舗も季節ごとに色を変えて多彩。

そんな忙しない通路側はまるで遠い世界の事だった。

ふと一瞥して、カウンターに立つ遼二はカフェエプロンを結び直す。
此処は騒がしさから切り取られた場所。
狐色の焼き菓子、カップに流線型を描いて注がれる紅茶やコーヒー。
混ざり合って柔らかな空間を形作る。

モノクロ調のシフォンケーキ専門店「Miss.Mary」。
羊のマスコットが招くカフェだけは穏やかに時間が流れていた。


華やかな駅周辺は夜もネオンが眠らない。
少し離れれば長閑になり天然温泉も湧いている。
景気良く遊ぶも疲れを癒すも良し、紅玉街はちょっとした観光地だった。

「Miss.Mary」も街の名物に数えられる。
好きなトッピングが選べるシステムの為、ケーキ自体は優しい甘さ。
そのままなら女性でも1ホール食べ切ってしまう。
ふんわり軽い口当たりで虜になり、数年前からお土産の定番となっていた。


持ち帰りが多くても小腹の空く時間なのでテーブル席も埋まりつつある。
あの中学生達は部活帰り、そちらの女性は待ち合わせ。

駅で客商売のバイトを数年続けていれば何となく判る。
常連の顔もすっかり覚えてしまった。
眼鏡を掛け直してクリアになった視界、和やかな店内を見渡す。


「すみません、バナナシフォン二切れ下さい。トッピング無しで。」

そうこうしているうちに次の客。
欠伸を噛み殺し、緩みかけていた遼二は店員の顔に戻る。

男だけでも入りやすいので珍しくも無いが、今度は青年二人組だった。
長身で大人びた印象の黒髪と、シャープな外跳ねで色素の薄い髪。
遼二と同年代だろうか、荷物の多さから察するに旅行。

「店内でお召し上がりですか?」
「はい、ドリンクはホットコーヒーと……渉、何にする?」
「あ、俺も同じで。」


そうして注文が済めばトレイを掲げてテーブルへ。
背中を見送りつつも、遼二の目は彼らから離れなかった。

色素が薄い青年はコケティッシュな吊り目で華のある容姿。
けれど、どうも長身の方に見覚えを感じて。
客に対して軽々しく声など掛けられないけれど。
「何処かでお会いしました?」なんて、口説く訳じゃあるまいし。


遼二が見ているとも知らず、重い荷物を下ろした二人は安堵の様子。
備え付けのメニュー表を立てて、長身が吊り目を誘う。
今しがた注文を受け取ったばかりなのにもう追加でも頼むのか。

覗き込んで二人の顔が隠れて数秒。
突然吊り目が赤い顔で怒り出したかと思えば、長身は笑って受け流す。

あぁ、あれは、メニュー表の陰でキスしたのだろう。

薄らぼんやりした恋人同士の匂い。
遼二も恋人の居る同性愛者、現場を目にしなくても何となく察しがついた。
もしも誰かに見られたって旅の恥は掻き捨て。
解放感から行動も大胆にもなる。


瞬間、遼二の頭の中で小さく火花を立てた。
引っ掛かりの正体に気付いて。

接客業をしているだけあって、普段から人の顔を覚えるのは得意。
「渉」と呼ばれていた長身は確かに面識がある。
中学生の頃、小田切渉とは一時の間だけクラスメイトだった。


「何だ……、あんな顔も出来るじゃないですか、小田切君。」

とは云え、覚えていたのは妙な巡り合わせ。
紅玉街に転校してきた時期が遼二と同じくらいだった縁。
思い出のエピソードを数えて小さく笑った。

すぐにまた引っ越してしまうからと、渉は一人で過ごしていた。
孤独を好んでいるようでもないのに。
記憶の中では諦めたような表情ばかりだった。
遼二とも「友達」と呼べる関係になる前に姿を消して。


人を繋ぐ糸は小指の赤だけでない。
どんなに細くても、ふとした時に何処かで結ばれる。

きっと渉は遼二の事なんて忘れ去っている。
名前を呼んでみたら、さぞ驚くだろう。
悪戯心で何だか楽しくなって、涼しい顔は静かに唇を歪めた。



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== Comment ==

ありがとうございます!!
こんばんは

ありがとうございます!!

この二人を出演させていただけると言うことですごく楽しみにしていました

もう感激ですーー(T◇T)

最初にしたいい加減な設定しか上がっていなかったのに、ほんとに見事にキャラをつかんでくださってて、驚きました

メニューの陰で、こっそりキス・・
渉はやりそうだし、絶対やるに違いない(笑)
健司が怒っても、笑って受け流す・・
私がいつも描いている二人様子そのまんまです(^o^)

遠い昔、ほんの少しの繋がりだったのに
渉を思い出してくれてありがとう
遼二くんに声かけられたら
さぞかしびっくりすることでしょう

その時すぐには思い出せないのだけれど、後できっと思い出してると思います

そうだ、あれはあの時の・・・

なんて、ちょっとしたエピソードが遼二くんとの間にあったのだろうな・・


ほんとにステキSSありがとうございました!!






お借りさせていただきまして!
此方こそういちろさん宅の看板息子さん達を書かせていただきまして
ありがとうございました!
本家のお二人を見ながら妄想膨らませて(´∀`*)

今回は温泉で日帰りか一泊旅行に来たイメージです。
公衆の面前、誰にも見えないところで隠れて一瞬だけイチャつく…てのが
個人的に萌えるもので渉君にやっていただきました。
何か落としたフリして、テーブルの下でキスするのも考えたのですが
それだと吃驚して健司君が頭打ちそうだから危ないなと(笑)

つい渉君と遼二の中学時代も妄想したり…
学園ネタのベタなところですが、ちょっとした物の貸し借りとか
成り行きで相合傘になって途切れがちの会話しながら帰ったりとか
「友達」未満の距離感も美味しいと思います(・ω・)b

これを機に、また交流出来たら嬉しいです。
話も広がると思いますし!
こっちの創作がカフェなので、いつでも遊びに来て下さいな。

それでは、丁寧なコメントありがとうございました!





        
 
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