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== 永桃学園日誌 ==

スパークリングローズ(椚+和磨)

設定は此方から

アンダンテの糖度の続き。
この二人は美容仲間です、お互い女友達みたいな関係。


夜の帳が降りると、木々を渡る風と虫の合唱は既に秋。
閉じたカーテンの隙間から零れ、パステルカラーの女部屋に届く。
プレイヤーから流れる音楽よりも澄んだ音で。

「あ、ねぇねぇ……椚ちゃんコレ使った事ある?」
「まっさかぁ、レビュー評価は良いみたいだけどこーんな高いの手が出ないわよぉ。」
「だよねぇ、使い続けなきゃ効果無いし。見た目とか香りとかパーフェクトなのに。」
「ソレ解るわぁん、店頭で見た時なんてお菓子かと思ったもの。」

バス用品のカタログを広げながらお喋りは進み、ゆったり寛ぐ時間。
エナメルを含んだ筆先を動かせば爪は艶々の花弁へ変わる。
刷毛を握るのは、男の手。
和磨にペディキュアを任せるまま椚の指はページを一つ捲った。
レギンスなので下着は見えなくとも、足を預ける形。


特撮の新番組が始まったから気が抜けないとかで、ホタルは舞美の部屋で語り合い。
つまり、素肌に触れる状況で若い男女が二人きり。
普通ならば雰囲気が変わっても良い筈なのだが、お互い全くの平常。

どうにも和磨には男としての何かが欠落している。
椚の中にある堅い壁に引っ掛かった事が、一度たりとも無いのだ。
異性として意識してない?
いや、寧ろ漂う空気はどうやっても女同士の物。
最初から間違いなど起こる訳が無く。


塗り終えると、模様を描く為に今度は別の色を。
手に取るは『華やかで洗練された大人色』と謳い文句の煌めく薔薇色。
蓋を開けた途端、鼻を刺すエナメルの匂い。
和磨の表情が何処か苦いのは気分を害したからではない。

「ところでぇ、和磨くん……何だって進之助の顔叩いたりしたのぉん?」
「違うよ目を塞いだの、有害な物を守君みたいなお子様の視界から遠ざける為。」

それもこれも、ルームメイトと派手に喧嘩した所為。
進之助が怒っている理由だったら、椚は本人から聞いた。
遡って、数時間前。


二人して廊下を歩いていた時、一歩先の和磨がいきなり手の平で顔全体を叩いたそうな。
咄嗟に目を閉じたものの、其の際、思いっきり瞼越しに眼球を打った。
そりゃもう星が散る勢いで。
和磨に理由を問い質しても「子供が見るもんじゃないの!」と一点張り。
言い合いは部屋まで続き、寮中に響き。
荷物を纏めた和磨の「家出してやる!」の鋭い叫びで第一ラウンド終了。
家出って……おいおい……

「意味解からん上に、逆ギレってどーゆー事だ……」

一人取り残され、ツッコミも忘れた進之助の呟きが此方。
何も悪い事なんかしてないのに。


とは云えども和磨が行く所など判り切った物、メイクラブ用の部屋。
布団の数だって限られているのだし。
寝る場所は確保出来てもサッパリやる事が無いとかで、今に至る。
本当に同性なら泊めてやっても構わないのだが。
実際、拗ね方が丸っきり女の子。

まぁ、一欠けらでも他人を思い遣った事なら和磨には凄い進歩。
ただ罪なのは伝わってない件、言葉足らずな件。
有害なんて色々あるだろうが、またどんな種類なんだか。

「えーと…………、キスシーン……」
「あぁ、進之助ってウブだもんねぇん。顔見知りじゃ余計ショックが、」
「だってさ、また寝込まれちゃ可哀想かなって……男同士ってトラウマあるらしいし……」
「…………待って、その話もっと詳しく。」
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