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Shotgun BitterSweet(ベルナドット×セラス)

約10年ぶりにベルセラ書きましたよ…!
いつもは台詞の中にも故意で句読点付けるけど、今回は企画なので省略。
「間違ってる!」って指摘受けて、いちいち説明するのも野暮だし。

リップクリームに変更しても良いと許可いただき、お題は「口紅」から。
「香り」も一応は含まれるかな?

ハートルフな HELLSING 好きさんに捧げるバレンタインお題企画
LUCKY STRIKE!


お菓子の祭典は2月を甘く匂い立たせる。
目を惹くパッケージに、菓子職人が生み出す褐色の宝石。
街どころか世界中でチョコレートが主役となる日。
今年もバレンタインは皆平等に訪れる。

もう遠い記憶の物になってしまった味。
舌触りだけ思い出して懐かしんでも、咥えた煙草で打ち払う。

三つ編みの化け物は緩やかに煙を吐いた。
食べられない身体になってから不満など無いのだ。
苦味を愉しむ事さえ出来れば。


「ハッピーバレンタイン!」

それでも、いつまでも人間のような主はイベントの度に騒がしい。
ベルナドットに手渡されたのは掌に収まる小さな銀色の缶。
蓋を開ければ、柔らかな褐色のクリームと甘い香り。
男が使うには似つかわしくない、チョコレートのリップバーム。

「……え、俺そんなに唇荒れてる?」
「此の色、ベルナドットさんに似合うと思って」

首を傾げそうな冗談だが、意図が全く見えない訳じゃない。

食べられる物の代わり、と云う事か。
毎年セラスはこうして頭を捻って贈り物を欠かさない。
奇妙な選択に嬉しさよりも笑いが先立って、思わず口許が緩んだ。

「付けてあげましょうか?」

優しい両手で頬を挟まれては拒む事も出来ない。
問い掛けに頷くのは降参代わり。
そうなれば煙草は御役御免。
呆気なく引き抜かれて、小さな火は音も立てずに消えた。



頑丈な手袋が外された下に、華奢で仄白い指。
こうして見れば、それこそ銃なんて野暮な物とは無縁。
硝煙の匂いは似合わない。

けれど、戦うからこそ強く惹かれた。

缶の中身を抉って、薬指に一掬いのチョコレート。
カカオとバニラが甘い気分を生む。

「動かないで」

悪戯めいた表情のセラスが言い渡す。
指先が押し当たる瞬間、背筋に微かな痺れが走った。
唇をなめらかに滑る感触がむず痒い。
ごく丁寧に、慈しむように。

加えて、息の掛かる距離で真剣な瞳が一対。
昂ぶらせる火種には充分、それでも動けないのは命令の所為。

何処か人形遊びに似ている。
次は長い髪を玩具にされるかもしれない。
それでも構わない、今の自分は全て彼女の物なのだから。


「出来ましたよ、なかなか良い感じです」
「あー、どうも……」

リップバームなんて慣れないものだから、潤った唇は違和感だらけ。
散々触れた後でセラスは惜しげもなく離れる。
焦れた気持ちを持て余すベルナドットを置き去りに。
曖昧に笑っても、きっと誤魔化しきれない。

けれど、それで終わりじゃなかった。
再び伸ばされた手。
今度はベルナドットの頬を撫で上げて、不敵に微笑む。


「それじゃ、もう食べて良いですよね?」


引き寄せられたら最後、飢え子の貪欲さ。
食品と違う儚い甘さであっても確かにチョコレート。
舌先を絡めて共に味わった。
ベタつく褐色は上がる熱で溶け出して、やがて消える。

いつだったか盗んだ唇に、今は奪われている。


いつまでも真っ白なままで居て欲しいなんて、馬鹿な幻想。
少女は見えない速度で女になる。
昨日今日でなく積み上げてきた歳月、化け物として結ばれた先で。

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