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== 交流 ==

不思議のキノコは甘いか苦いか(鞍吉+和磨)

「キミホシ」のハロウィン企画に便乗させていただきました!
この後、大胆なインナーで勝負下着云々の会話がされるんでしょうな(・∀・)


ハロウィンの「SweetSmac」は店一つが丸ごと化けた。
スカートの裾を気にする赤毛のアリスに、時計を手にした黒ウサギ。
「私を食べて」と誘うのはカボチャのお菓子。

甘ったるい香りのオレンジ色に染まった不思議の国。
此処で出会うのは、皆一様に変わり者ばかり。


「お前は元からだけどな……、そんなん着なくても。」
「そうだねぇ、よく言われるよ。」

黒ウサギの鞍吉が呟けば、肯定の頷きで触角が揺れる。
自覚もあれば怒りもせずに。
変わり者と呼ばれ、誇らしげにすら見えるから相当だろう。

触覚はカチューシャ、ターコイズグリーンの長い衣装。
薄荷パイプを咥えて気怠げにしている青虫は助っ人の和磨。


笑みを絶やさぬチェシャ猫、お茶会の帽子屋や三月ウサギ、我が侭な女王。
既に人気キャラクターは他の看板店員で配役が決まった後。
途中参加の和磨に宛がわれるのは必然的に残り物。
"虫"と言えば響きは悪くても、飽くまでモチーフなので気味悪くないのだが。

「宮城君にはビビられちゃったよ、本当に虫ダメなんだねぇ。」
「俺だって自分よりでかい虫が居たら嫌だ……」

青虫をまじまじ見上げて、黒ウサギが一言。

小柄でなくとも童顔気味の鞍吉は和磨より幼くも見える。
ただでさえ弟扱いされているのだ。
年下に身長でも負けるのは好い気がしないと云うか。


「よし、じゃあ鞍君が大きくなれるようにキノコあげるよ。」

そんな思惑からの言葉も、やはり意味は伝わってない。
会話は噛み合わず勝手なペース。

和磨からしてみれば筋は通っているようなのだが。
不思議の国での物語に於いて、青虫の役割。
大きくなれるキノコと小さくなれるキノコをアリスに授ける。

しかし此処は現実、キノコだって怪しい物じゃない。
何処のお菓子売り場にも置いてある、お馴染みのチョコレート菓子。
開かれた箱を差し出されましても。
何となく素直に受け取れず、鞍吉が無言になっていると。

「あれ、鞍君たけのこ派だった?キノコは嫌?」
「派……?いや、そんなん気にして食った事ねぇよ。」
「えっ、日本人なのに?!戦いの歴史だよ!」
「何でそんなに熱いんだよ、お前……」

大袈裟なくらい驚かれて今度こそ反応に困ってしまう。
本物の金髪碧眼、イギリスの血が生きた外見の和磨に言われると尚更。

ハロウィンのイベントで浮かれているのだろう、多分。
いつでも飄々とした空気を保つ彼は何事も楽しんでいるらしい。
そうだとしても、キノコ如きにこんなに拘るなど鞍吉も理解に苦しむが。
和磨が青虫なのは嵌まり役なのかもしれない。


「しっかしあれだね、鞍君が時計ウサギか……」
「な、何だよ……、似合わねぇって言いたいのか?」
「いやほら、アリスは勿論だけど時計ウサギも散々な目に遭うしって事。」
「そう言われても、追っ駆けるところくらいしか知らねぇし……」

首を傾げればウサギの黒い耳も横に。

小さい女の子向けの物語なので、鞍吉は自分の役割もよく知らない。
此の衣装は釈七が選んでくれたらしいけれど。

不思議の国をせかせか走り続ける時計ウサギは受難だらけ。
巨大化したアリスに家を滅茶苦茶にされたり。
大事な時計は帽子屋にバターを塗られて壊されたり。

「まぁ……、お前はそーゆーの詳しいよな。」
「そこは置いといても鞍君ウサギ似合うと思うよ、可愛い。」

和磨の誉め言葉は飽くまで自然に流れる。
照れもせず、柔らかな笑みで。
そう云う事は愛しい相手にだけ言えば良いのに。


「……ちょっと黙ってろ、此れでも食って。」

放っておけば延々と喋り続ける唇。
黒ウサギの指先は、青虫にチョコレートのキノコを突っ込んで塞いだ。
照れ隠しだか何だか自分でも判らぬまま。

此れが小さくなるキノコだったら、なんて一瞬考える。
そうなれば「可愛い」と言ってあげても良いだろう、此方からも。



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== Comment ==

不憫ウサギの憂鬱
「可愛い」という言葉は、男にとって果たして褒め言葉になるのか否か。

何のてらいも無く、和磨の口から飛び出した言葉を鞍吉は思い返す。
ウサギが似合うも、可愛いも、鞍吉にとっては違和感極まる感想でしか無い。

和磨があのとき差し出した、キノコの菓子なら鞍吉も何度か口にしている。
当然だが、手足や首が伸びたり、背丈の大きさが変わったりはしない。
「不思議の国のアリス」の物語も、鞍吉はよく知らない。
が、青虫が少女に差し出したキノコのシーンはうっすらと覚えて居る。
異形の…それこそ「妖」のような姿に為った、妙におどろおどろしい少女の挿絵は、なかなかに強烈なものだった。

背丈すらも追い抜かれた年下の相手に、「可愛い」と言われるのはどうにも癪に障る。
すっかり子供扱いだからだ。
だが、「大きくなるように」と差し出されたキノコは、鞍吉には必要無い。
欲しいのは、むしろ…。

ほんの僅かに、背を屈めてキスされる身長差を鞍吉は愛した。
偶には逆でも良かったかも、と思いはすれど、瞬時に近づく顔は彼に考える隙を与えない。
不意打ちなら、拒む余裕は無い。
その距離を、好ましいと鞍吉は思う。
しかし、その反面。

かつて、「彼」のバイクの後ろは、どんな可愛らしい女性の指定席なのだろうと想像していた。
そしてそれは、映画のワンシーンよろしく、実にしっくりといく構図だった。
仮に「女性」ではなくとも、小柄でやや華奢に見える体躯が彼の背に身を預けている方が、余程様になるだろうと。

だから、本当に欲しいのは…。
大仰なフリルを含んだスカートをはためかせた後ろ姿をちらりと目で追う。

別に、女物の服が着たいわけでも、似合うようになりたいわけでもない。
だが、短い期間ではあったものの共に生活した内で、和宏の肢体を鞍吉は何度も目にした。
筋のしなやかさを含みながらも、少年の丸みを残したフォルム。
肌の色の白さや愛くるしい顔付きと相俟って、それは確かに「可愛い」と思えるものだった。

好意さえあれば、誰であれ思わず抱きすくめたくなるだろう。
慈玄のような大男ならば、その両腕にすっぽりと埋まってしまうに違いない。
実を言えば鞍吉ですら、和宏の滑らかな肌には触れてみたい、と思ったことがあるのだ。
勿論、単に興味として、ではあったが。

その身体の裡に秘められた力強い意志と、光。
和宏が愛される理由は、鞍吉にもよく理解出来る。
そんな和宏でさえ、鞍吉の事を「可愛い」という。

和磨に言われるのは「癪に障る」のだが、和宏に言われるのは最早「屈辱」だ。
本人にそのつもりがないのは分かっているが、それでも小馬鹿にされたような印象。
遙か高みを行く者が、自らの位置を脅かす存在でないことを承知の上でかける慰め、のような。

「不憫なウサギがいかにも不憫そう、な顔になってるよ、鞍君?」
背後から声が落ちる。
口の中のキノコは、すでに跡形も無いようだ。
「笑えば、可愛さが増すのに」
「ぅるっせぇな。てめぇが余計な事言ったからだろ?」
和磨にしてみたら、酷い八つ当たりだ。
それでも飄々と煙管をくゆらす青虫は、怒る素振りも無く。

鞍吉の視線の先には気付いていたのか。
「…あぁ、宮城君?本来アリスに追い掛けられるのはウサギの方でしょ?」
なんて軽口を叩く。
「毎度思うけど、ほんと宮城君はあぁいう衣装に違和感が無いよね、可愛くて」
鞍吉に言ったのと同じ調子で、和磨は言う。

黒ウサギから、まるで不思議の国を駆け回るアリスさながらにフロアを行ったり来たりしている和宏に、和磨も目線を移した。
それと真逆の動きで、鞍吉は改めて和磨を見る。
…鞍吉は、和磨を「可愛い」などと思ったことは無い。
やや見上げる背丈と、余裕を含んだ口振りの所為もあるが、和磨に懐く印象はどちらかといえば「綺麗」だからだ。
肌も、髪も、瞳の色も、淡い。
のんびりとした口調や大らかさも加わり、緩やかに日差しを遮る森林か、いつか見た春先の凪いだ海原のような綺麗さが和磨にはある、と鞍吉は思う。

ーだから、こいつは少しばかり背がでかくてもいいんだ。

とはいえ、双子の暴君には愛玩動物のように扱われているというのだから、彼等に取ったら和磨も「可愛い」の部類に入るのかも知れない。
仮に、和磨が本来の「虫」程度の大きさだったら、それは…

「………お前が小さくなるキノコ食ったら、「妖精」みたいになるかもな?」
ぽつりと、そんな言葉が口から飛び出した。
聞きとがめた和磨が振り向き、ぱちくりと瞬きをする。
「あはは、じゃあ来年はティンカー・ベルの仮装でもしようかなぁ」
「アホか、んなでけぇティンカー・ベルとか逆に気持ち悪ぃだろ」
自ら振っておきながら、鞍吉は容赦無く浴びせかけた。

「可愛い」と言われる事を、男は喜んで良いものかどうか。

華奢な身体が彼の背に身を預けるのだろうと思っていたバイクの後部は、今や鞍吉の指定席だ。
細身ではあるが、それなりに男らしく筋張って、節くれ立った身体の。
だから、鞍吉は未だに迷う。自分がそこに居て良いのかを。
何を根拠に自分は「愛されている」と感じるべきなのかを。

慈玄や慈斎は、何処であろうが和宏を「可愛い」という。和宏自身は時に照れたり不服そうにもするが、その通りなのだから特に難癖を付けるつもりもない。
紫亜や楔波は、和磨に対しそうは言わないかも知れない。そもそも彼等が連れ立っている姿はあまり目にしないのだから、よくは分からない。が、今となっては手放したくない存在だからこそ、共に居るのだろう。

そして…釈七も鞍吉を「可愛い」という。
愛しい相手に言われる其れは、面映ゆくも嬉しくないものではない。
しかし何を以てして、と考えると、鞍吉にはまるで分からない。

自分はウサギなどでは無く、やはり烏なのだろうと鞍吉は思う。
地味で汚らしい黒い羽根を嫌い、様々な鳥の綺麗な羽根を欲しがって、身に付けたがる。
そんな化けの皮は、すぐに剥がれてしまうのに。
アリスと共に、幼い頃の記憶に残る昔話を鞍吉は思い出していた。

とはいえ、そのままの姿では到底烏は他の鳥に太刀打ちできるものではなかったのだ。
烏本来の魅力など、一体何だというのか。

「…ほらぁ、また難しい顔してる」
頭上の長い耳を弄りながら、和磨が口を尖らせた。
和宏がふくふくと羽毛をたたえた小鳥なら、和磨は優雅に水辺で遊ぶ白鳥やフラミンゴのような鳥だろうか…そんなことを思い巡らせていた鞍吉をよそに。

「折角のハロウィンなんだし、もっと楽しまなきゃ」
そうだ、今目の前に居るその姿は、鳥などでは無く何処か性別すら超越した感もある鮮やかな青虫。
奇妙な効能をもたらすかもしれないキノコを与える…。
コンビニなどで見慣れた箱は、まだ片手に乗ったまま。

そこからひとつ奪うと、鞍吉は即座に口の中へ放り込んだ。
「…ん、俺はたけのこの方が好きかも」
「えぇっ?!今それ言う?!!」

先刻和磨は、時計ウサギも散々な目に遭うと言った。
ならば…アリスがウサギを追って穴蔵へ飛び込んだのは…彼がアリスと出逢ったのは、幸か不幸か。
その答えは、鞍吉にも未だ判然としない。
釈七の指示を花のような笑みで頷いた、「可愛い」横顔に目を遣りながら。

***

久々に文章でお返しを、と思ったらなんかあまり交流っぽくならなくなってしまった( ´д`;)すみませんーorz

しかし和磨君に対する鞍の印象ってこんな感じなのかも、ということはちょろっと!

すらっとした和磨君に、シースルーの衣装はちょっとジェンダーフリーっぽくて綺麗なんだろうなーと(*´∀`*)
あと久しぶりにき○この山食べたくなりましたwwww

いつもありがとうございます!
翼も羽も漆黒は麗しく
容姿が優れている事に自覚の無い者は扱い難い。
面倒と云うか厄介と云うか。
心情に違いがあれども其の点は同じだ、鞍吉も和宏も。
「可愛い」を素直に受け取ろうとしない青少年が此処に二人。

そんなに重く考えなくても良いのに。
和磨にとって気軽な言葉なので拒まれてはどうしたものやら。

女同士なら「あなたこそ可愛い」と返して欲しいからこその台詞。
男の場合ではどうにも複雑になる。
それとも、却って思い遣りに欠けていただろうか。
当人が口にして欲しくないなら、誉め言葉であっても迷惑になる。


「男が言われたって嬉しい訳ねぇだろ……」
「んー、僕はその感覚解かんないねぇ。あんまり言われた事無いし。」

わだかまりを隠し持ったまま終わりを告げる甘い宴。
話の続きは仕事後、更衣室で。
黒ウサギと青虫も舞台を下りて非日常を脱ぎ捨てる。
見慣れたパーカーの鞍吉が唸れば、白いシャツの和磨が首を傾げた。


和磨が「可愛い」の言葉を貰う機会は鞍吉や和宏より少ない。
惜しみなく与えてくれるのは、口癖になっている光一郎くらいだと思う。

数より質が大事なので別に構わないけれど。

楔波が「可愛い」を伝える相手は和磨唯一人だけ。
口許どころか顔全体が緩んでしまう事実。
唇を引き結んだ愛しい男から贈られる故に、大きな価値が出るのだ。
独特の訛りが混ざった低音一つで蕩けそうになる。

尤も、和磨にとって世界で一番可愛いのは紫亜だが。
どんな少女より魅力を持つ小悪魔。
手酷く扱われて怖くて堪らない時があるのに、もっと壊して欲しくなる。

紫亜から「可愛い」と微笑まれるようになったのは楔波より後だった。
今でこそペットに対する物と同類で口にされるが。


「可愛い」が嬉しくない、と云う心情はやはり理解出来ず。
こうして和磨自身の場合を考えてみても、あまり参考にならなかった。

鞍吉が滅入っている事を察するのは容易い。
ただし、何故そこまで悩むのかとなれば解からなくなってしまう。
そもそも問題はもっと根本的な物じゃないだろうか。
軽く頭を捻ってみて、ふと解ける。

「男が可愛いって言われても、ての……本当にそうかな?
 鞍君もし女の子だったとしても同じ反応しそう、素直に喜ばないと思う。」

仮説を口にしてみると和磨は妙に納得してしまった。
男だからとの点に固執しているが、どうも性別云々でない気がするのだ。
大抵、鞍吉の悩みは自信の無さから生じる。

「……ちょっと待て、何だよそれ?」
「だって自己評価低すぎて変なんだもん、宮城君もだけど。」
「なっ、和と俺は全然違うだろ……!」
「子供って点は僕にとって同じだよ、客観視は大人のたしなみって言うしさ。」

いつまで経っても育たない。
悪い事とも言い切れず、改善の必要性も問われる。
こう云う相手には恋人が幾ら「君は魅力的だ」と説いても無駄。
結局は自信に繋がらないので、第三者は匙を投げるのみ。


その真意が鞍吉に全て伝わるとも思わない。
ただの嫌味に聞こえているなら、それはそれで仕方なし。
鞍吉が溜息を吐けば、案の定。

「……お前は良いよな、妖精みてぇに色素薄くて。」
「純日本人に不満でもあるみたいだね、鞍君てば。」
「違ぇよ……、烏みてぇに地味な奴の気持ちなんか解からねぇって事。」
「地味?烏濡羽って言葉知らないの?」

予想外の返答はお互い様で、いつも噛み合わない会話。
和磨としては筋道立てているつもりなのだが。
鞍吉に根付いたコンプレックスは簡単に消え去らない。
黒には黒の美しさがあるのに。

「それと僕が美しいのは当然の話だよ、磨いてるもん。」

飄々とした態度を崩さない和磨の声が、今だけは少し強い響き。

クォーターだから、金髪碧眼だから。
美しくあろうとする努力を無視して、そう言わないで欲しいと。


シャツの上にニットカーディガンを着ていても冷える。
学校帰りでカフェに直行したので、今日も和磨は制服のまま。
羽織る一瞬、背中で学ランが閃いた。
黒アゲハを思わせる儚い舞。

青虫は他者を妬まない。
美しい蝶々になれる事を知っているからだ。

***

いやー、大変お待たせいたしました(´ω`;)
ハロウィンも終わった事だし、衣装を脱いだ後のお話をと…

和磨はかなりナルシストなので、自己評価低い鞍君と和君をこんな目で見てるようです。
決まった美しさなんて無いんだよ!





        
 
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