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== 梅染街 ==

黒い羽は飛び立てない(紫亜×和磨)

*性描写(♂×♂)


瞼を開けばとろりと糸を引くような暗闇。
緩やかに流れて行く夜の中、ベッドでの目覚めは後味が切ない。

和磨を挟んだ両側の気配は、指先を伸ばすまでも無い距離に。
微かな寝息を耳にしてからようやく安堵。
溶けるような情交の熱も、夢だったのではないかと思う時がある。
消えてしまいそうで胸を小さく刺す。

片想いが長かった所為か、まだ抜け出せない。
信じていない訳ではないのに。


溜息を吐くと、散々啼かされた喉が痛んだ。
此れも双子に付けられた傷の一つ。
目を開いてから眠りは遠ざかってしまって戻って来ない。
何となく居心地も悪くて、水でも飲みたい気分。

足首に絡んでいたままの下着を引き上げる。
もうすっかり秋、夜の空気は素肌に優しくないのでシャツを被って。
一つ跳ねたスプリング、ベッドを後にした。



思いのほか裸足に冷たいフローリングの床。
照明スイッチに触れる代わり、閉じていたカーテンを半分ほど引いた。
窓の外には眠らないネオンと煌めく三日月。
街を見渡せるマンションの最上階は、真夜中でも冴えた光が射し込む。

手探りで台所のシンクまで辿り着いて、コップに水を注いだ。
暗闇に流水の音は妙に響く。

そうして口を付けようとした時、突然の事。

寝惚けていた和磨の視界に、細い腕が伸ばされる。
心臓が跳ねて悲鳴を呑み込んだ。


「……ッ?!」

しかし、今のは単に不覚を取っただけのようだ。
一瞬で明るくなったシンク周辺。
眩みそうになった目に、真っ先に飛び込む栗色の頭。
耳に馴染んだくすくす笑いを伴って。

いつから尾行していたのか、腕の正体は紫亜。
シンクのすぐ上にある灯りの紐を掴んで。
薄いブランケットを素肌に羽織っただけで、無造作な格好。


「吃驚しちゃった?怒ったさね?」
「ん、もう良いよ……寧ろ紫亜でホッとしたし。」

指摘された通り、驚きも怒りも顔に出ていた。
和磨はいつも感情が隠せない。
含み笑いを聞いてむくれたものの、溜息で全て元に戻る。
そんな反応を愉しんでいるだけの紫亜には何を言っても無駄なのだ。

悪戯に理由なんて特にあるまい。
暇潰しのペットとして、和磨は此処に居候しているのだし。


それより、先程コップを持ったままだったのが不味かった。
飲もうとした水は飛んで、半分がシャツの胸を派手に濡らしてしまう始末。
残りを煽ってから改めてシンクに置いた。

張り付いた冷たいシャツを脱ごうとして初めて気付いた。
よく見れば、和磨が着ていたのは楔波の物。

落ちていた物を適当に拾ったものだから間違えてしまった。
明かりの下だと分かりやすい。
黒いシャツは肩幅が広く、袖が下がってきてしまう。

長身でも何処か華奢な和磨に対し、楔波の方が骨や筋肉は男そのもの。
こうした形で比べると差は明らか。
意識すると少しばかり気恥ずかしくなってくる。
濡れた服は気持ち悪い筈なのに、脱いでしまうのが惜しくなるような。


「……何?脱がないのさね?」

目を細めた紫亜に半歩詰められ、裾から冷たい指が潜り込む。
低い声で和磨を絡め取っておいて。
腹部まで剥がし、濡れた布の上から胸元に吸い付いた。
赤い舌に探り当てられた先端が固く尖る。

水一杯で大人しく寝かせてくれる気は無いらしい。


和磨から強請る言葉を口にする事も多いが、楔波が居る時の話。
紫亜と二人きりの情交は半ば犯される形ばかり。
泣いて苦しんでも悦ばせるだけ。
それこそ隣で片割れが寝ていようと、玩具まで使って。

ボクサーを膝まで落とされ、熱を持ち始めた下腹部が曝け出される。
それでも欲情してしまうのは躾られた所為。
冷たい金色の目に命じられるまま、紫亜に背を向けて調理台に手を付いた。

「慣らさなくても大丈夫そうさねぇ、こんなに開いてるなら。」
「そう、だけど……ッ……」

意地悪な囁きに吐息が色付く。
剥き出しの双丘を割り広げられると、蕾から白濁の蜜が零れた。
双子を咥えて注ぎ込まれた精液。
眠っている間に多少シーツへ流れても、お陰で入り口はまだ柔らかい。

ブランケットは滑り落ちて、二人の足元に。
肌を晒した紫亜が求めるのは暖。
充血した刀身が一息で沈み込み、熱が繋がり合った。


後ろから突かれると激しくなりがち。
すぐに腕が支えられなくなった和磨が調理台に倒れ込んだ。
此処は冷たい、静まり返った夜気も紫亜の手も。
凍えそうな筈なのに、快楽の熱で身体は芯から痺れる。

「ふ、うぅ……あッ、あぁん……!」

捲り上げられたシャツに突っ伏して、きつく握り締めた。
仄かに残っていた楔波の匂い。
愛しい相手を想うと胸が痛んで、涙が止まらなくなる。

「和磨が縋るのは楔波の方なのさね、俺が愛でても……」
「え……っ、ちょ、紫亜……?」

そう呟いた小悪魔はどんな表情だったのか。

和磨が振り向こうとしても、背筋を舐め上げられては侭ならず。
少し休んだとは云え、ベッドで双子を相手した後なのに。
今度こそ壊れるかもしれない。


きっと此れは罰なのだ。


一見すれば、恋心を付け込まれて双子の玩具にされた関係。
けれど楔波に触れられる為、紫亜の好奇心を利用したのは和磨の方。
半身同士の間に滑り込んで今の位置を手に入れた。
考え方を変えれば、そう成り得るだろう。

飽きられない限り何処へも行けない。
此の場に楔波が居なくても、ずっと三人である事は変わらず。



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