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== 梅染街 ==

メローコリック(紫亜×和磨)

*性描写(♂×♂)

タイトルはメロー+メランコリックの造語で。
楔波君とは両想いではあるけど、紫亜君とは複雑な部分も残っているから
いつまで経っても完全に溶け切れない感じを書いてみました。


玄関の音を聞き付けては軽い足取り。
バイトで帰宅が遅かった日、いつも飛び出して迎えてくれる。
しなやかに纏わりつきながら。
普通の家だったら、それは犬や猫などの役目だろう。
けれどペットは和磨の方。

「お帰りさね。」
「ん、ただいま……、紫亜。」

飽きもせず毎日じゃれついてくる。
流石に慣れているが素っ気無く接するなんて出来る立場じゃない。
そうして疲れもそこそこに、主に身を任せるまま。


店とマンションの分かれ道までは学校でずっと一緒。
ほんの数時間しか別れていなくても、不在に退屈していたと見える。
双子達本人は気付いてなくても既に離れ難い関係。
感情を知らなかった相手に、和磨が時間を掛けて築いてきた物。

楔波に向ける「好き」は日増しに強くなっていった。
同じ想いが彼にある事も実感している。
それなら、紫亜は……

頬に口付けられて、気恥ずかしさで震えが走る。
小さく濡れた音が思考を打ち払った。

大抵、玄関から居間までの間は紫亜と二人きり。
お帰りのキスは悪戯半分、含み笑いの微風が耳元を掠める。
絡み付かれたら和磨には抵抗も成す術も無し、両手が塞がっているのだ。
今日は肩から下げた鞄と、もう一つ。

バレンタインより幾らか派手さは抑えられてもイベントには変わりない。
あれから一ヶ月経過、今度は水色と白に染まるホワイトデー。
和磨の片手にも「SweetSmac」の箱。

またこうして一つの記念日を迎えた。
和磨達にとってはイベントは特別なお菓子を分け合う口実。
それなら緑のスプーンで食べられる物が良い。
いつもより少し贅沢して、練乳の甘さが優しいミルクプリン。


それにしても、纏わり付かれた時から妙に思っていた事。
触れてきた紫亜の身体はやたら冷たいのだ。
元から体温が低いので、今まで夕暮れの風を浴びてきた和磨以上に。

「あぁ……、今までベランダで空見てたからさね。」

いつもの事、そう軽く言われても指先なんて氷。
陽射しは春めいてきても、まだまだ冬が居座る日が続く。
絡んでくるのは暖を取る為か。
今は和磨も冷えているので大して役に立たないのに。

「じゃあ、風呂行こっか。」
「えっ、沸いてんの?」

紫亜に奪われて玄関に置かれるプリンの箱。
冷える場所なので問題無いだろうけれど、即ち浴室への直行を意味する。
そうして居間を素通り、手を引かれるままに。



洗面所から既に鼻先を擽っていた香り。
浴室のドアを開ければ、満ちていたバニラに包み込まれた。
バスタブの表面は真っ白な泡で一杯。
甘い湯気と相まって、まるで出来立ての熱々の砂糖菓子。

泡風呂は浸かる前に身体を洗う必要無し。
制服を剥ぎ取られて間もなく、一緒に引き摺り込まれた。


木目細かな泡の塊は、溶けたマシュマロによく似ていた。
紫亜の好物の一つ。
ホワイトデーに因んでなのだろう。
何でも楽しむ性分なので、凝った演出で待っている事も多々。

和磨が帰宅するまで冷たい夜気に晒されていたのも、此の為か。
風呂を沸かして待っていたなら確信犯。

「もう……、あんまり心配掛けないでよね……」
「ん?心配してくれるのさね、和磨。」

対面の紫亜に近付かれて、水音が跳ねた。
膝を立ててバスタブにゆったり背を凭れていた格好。
逃げ場の無い和磨は眼が逸らせない。


濡れて色濃くなった栗毛、前髪を上げた紫亜は少し大人びて見えた。
しなやかな身体つきに泡を纏って噎せ返る艶。

泡の中でぬらぬら光る深紅の爪。
堅かった膝を開かせて、紫亜の身体が割り込む。
石鹸入りの湯で滑るままの細い腕が絡み、強くしがみつく。

柔らかい金茶の巻き毛の方は水を吸うとぺしゃんこ。
それが可笑しいようで、くすくす笑いながら紫亜が指先で弄ぶ。
髪を耳に掛けると現われるのはピアス。
左右で違っており、金色のパーツと緑のガラス。

普段は髪で隠れた服従の証。
本性を暴かれた気持ちになって、羞恥で息が上がる。


時々こうして風呂まで共にする事もある。
全体的に広い浴室は大の男でも2~3人までなら余裕。
ただ、今は楔波が不在。
まだ帰宅していないのか、それとも別の部屋なのか。

どちらにせよ見当たらない黒髪が恋しかった。
それから、此の状況に疚しさも一抹。

「和磨……、此処出たら半分は楔波の物なんだし、今くらい独占させてよ。」

水面下で下腹部の熱を探られて、悲鳴を呑み込んだ。
押し当たっている刀身の存在も。
谷間に擦り付けられて、むず痒い快楽が和磨を苦しめる。
今にも滑って突き刺さりそうな危うさ。

小悪魔の誘惑は魔法仕掛けに似て甘く。
欲望だけを意地汚く求めている訳じゃないのに。


「そんな事しなくたって……ッ、紫亜が、好きだよ……」
「……でも、二番目だろ?」

絞り出した涙声も、冷めた低音の前に消える。


恋ではないと、片割れと少し違うと紫亜は言う。
それなら時折見せる嫉妬は何だろうか。
突き放す物言いが、和磨の胸を刺して鋭く痛む理由も。

愛は確かに存在するのに。



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