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== 梅染街 ==

チョコレート塔を陥落せよ(楔波×和磨×紫亜)

*性描写(♂×♂)

今年もバレンタインSS書かせていただきました!
やっぱり例のスプーンで食べられる物を…と、今年はパフェで(`・ω・´)


バレンタインはチョコレートと一緒に相手を食べる日。
そう紫亜が決めてから再び2月が巡って来た。
雪の降りそうな寒さも溶かして、夜を甘ったるく過ごす。

とうとう最後のチャイムが校舎に響いた。
放課後を迎えた教室では、鞄を抱えた黒い制服が騒がしい。
今日は夕方からが本番。
密やかに上がる心拍数を感じながら和磨も席を立った。

双子が並ぶ右隣、すぐにでも一緒に帰って浸りたい気持ちは山々。
けれど和磨にはその前にバイトがある。
雑貨屋と掛け持ちで、お菓子が主役のイベントはカフェにも駆け付けるのだ。

多忙でも自分の意志で決めた事。
楽しいばかりでなくても、どちらも居心地が良いので続いている。


「何や、俺らが傍に居なくても平気みたいやな?」

楔波から意地悪な問い掛けをぶつけられて、思わず困ってしまう。
一緒に居る時間の方がずっと長いのに。

冷えやすい手を繋ぎ合って三人きりで歩く帰路。
桜街の駅を抜ければ、もうすぐ自宅マンションとカフェへの分かれ道。
早く返事しないと会話も終わってしまう。

「じゃ、今日はお客として行ってみようかな……」

口を開くのが少し遅かった。
含み笑いと呟きを零した紫亜に先を越される。

放って置かれると寂しそうにする和磨を知っての事。
来てくれるのも勿論嬉しい、けれど接客する姿はあまり見られたくない。
イベントの度に華やかな衣装で愛想を振り撒くのだ。
嫉妬深い面を隠し持つ双子の目には、どう映っているのやら。

「チョコだったらパフェ食べたいさね、三人で分けようか。」
「えっ、でも僕は仕事だし……」
「終わる時間に行けば良いだろ、迎えに行くついでさね。」
「駄目だよ!だって……、恥ずかしいし……」

こう云う話題の時、いつも言い淀みがちになってしまう。
後ろめたい事がある訳じゃないのに。


和磨が口篭もった後、数秒の沈黙。

不穏に感じた時にはもう遅い。
ほとんど振り払う強さで指先が解かれた。
分かれ道に差し掛かるよりも、まだ早い場所なのに。

「……一緒に居るの恥ずかしいんやろ?」

冷たい物言いと眼に刺され、思わず震え上がる。
最近すっかり和磨に対して甘くなっていたので忘れていた。
そんなんじゃないのに。

足早にマンションの方角へ立ち去る背中を見送って、泣きたくなった。
違う、と言いたくても双子の耳にはもう届かない。




まさかバレンタインに相手の機嫌を損ねてしまうなんて。

どんなに落ち込んだところでバイトは休めず。
顔だけ笑って接客しても、胸に重い気持ちを抱えたまま数時間。
やっと終業を迎えた和磨も帰宅となった。
腕には登校用の鞄と、もう一つ荷物の詰まった袋が増えて。

「ただいま……」

コートを脱いで足を踏み入れた居間には、寛ぎつつ無反応の背中。
恐る恐る告げても独り言になってしまう。
判っていながら笑い声を零している紫亜からすれば他人事か。

溜息を吐く和磨の身体は外から帰ったばかりで冷えたまま。
温まる間も惜しんで、台所へと引っ込んだ。


「嫌な思いさせちゃって、ごめんね。」

暫く時間を要してから、楔波の背後に正座して頭を下げる。

勿論見えてないだろうけど聞こえているのは確か。
それに和磨が伝えたかった事は、ただの謝罪だけじゃなく。
もうそのままで構わないから。

「あのさ、恥ずかしいって言ったのは……三人で居る事じゃなくて。
 お店で一つのパフェ突っついてるとか、周りから注目されちゃうでしょ。
 男女でもちょっとどうかと思っちゃうもん、僕としては。」

こう云うところで食い違いが起きる、此の関係にはよくある事だ。

そもそも双子は人目をあまり気にしない。
和磨だっていつも好きなように行動しているが、それ以上。
下手すれば場所を問わず触れてくるのだ。
飽くまで学校では隠したい身としては、冷や冷やする事ばかり。


男同士だから恥ずかしい?

いや、桜街ではそうしたカップルが多いので受け入れてもらえるだろう。
問題は三人で関係を持っている事。

もし自分が女だったら、とは和磨も何度か考えた事はある。
しかし楔波と二人きりなら恋人に見えるだろうけど、紫亜も外せないのだ。
其処を踏まえたら却って同性で良かったのかもしれない。
少なくとも、一緒に並んでいても自然に見える。

まぁ、何にせよ家の中なら人目を気にしなくて良い。
だから今度こそ。
やっと振り向いた金色の眼前に差し出した。

「パフェ作ったから、皆で一緒に食べよ?」

グラス越しにも鮮やかに真っ赤な苺とピンクのアイス。
飾り付けはチョコレートソースにホイップクリーム。
春めいた甘酸っぱい色が華やかな、苺のチョコレートパフェ。
緑のスプーンが三本刺さって。

カフェから借りたパフェグラスに、分けてもらった材料。
多少崩れても和磨にも盛り付けられる。
パフェの持ち帰りは出来ないので事情を話して今回だけの特別メニュー。


謝罪が遅くなってもきちんと誠意を示したつもり。
さて、其処から先は双子がどう出るか。

食べたいと言い出した紫亜は嬉しそうに見える。
一方、甘い物が苦手な楔波と云えば相変わらずの無表情。
突っ返されたりはしないだろう、と思うけれど。

「ほんま甘ったるそうやな……、今年は特に。」

グラスを受け取る手と、和磨の肩を掴む手。
そのまま床に押し倒されたらもう身を任せるしかなかった。
食べてもらえるのなら。



学校帰りに直行だったのでコートの中身はまだ制服姿。
黒い上下もニットカーディガンも放られて、シャツと下着一枚。
眺めながらスプーンを手にする紫亜が眼を細めて笑う。
開かれた肌に、アイスクリームが落とされた。

「あ……ッ、やだ、冷た……!」

鳥肌が立つ生白い肌に、ゆっくりと苺の色が溶けていく。
楔波に腕を絡め取られているので何も出来ないのに。
身を捩ったところで状況は変わらず。

真冬の夜には少々酷な仕打ち。
甘ったるい香りに濡れながら、和磨が涙で顔を顰め掛けた。

「まだ、やっぱり怒ってるの……、此れってお仕置き?」
「別に……、そんな事言ってないで。」
「そうそう、こうして遊ぶのなんていつもの事さね。」

情交の最中でも、飽くまで涼しい口調の双子。
その間も下腹部の水音は止まず。
クリームを掬い取る骨張った指と細い指。
戦慄く蕾に突き立て、滑りが良いからと二本同時に弄り回される。

チョコレートソースの滴る大粒の苺。
咥えさせられて塞がる口、とうとう和磨は喋れる事すら侭ならず。


「甘いのは苦手やけど……食ってやるからな、全部。」

顎を伝い落ちる甘い唾液は楔波に舐め取られた。
苺とチョコレートが絡む吐息。
香りに欲情を誘われて、一瞬で熱くなる。

全身柔らかくなって食べられてしまいたい、なんて。
声を封じられていなくても巧く言葉に出来ない。



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