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シャランラ(鞍吉+和磨)

ハロウイン物書かせていただきました!
前作と同じくカフェでお話です。

去年の「キミホシ」ハロウインで、鞍君がカボチャ描くの練習してるってのを伺って
そこを絡めて書かせていただいたのですが。
今年の仮装は狼男なもんで、時間軸が分からなくなってしまったような(笑)。


残暑が終わらないうちから、あちこちで色付き始めたオレンジ。
秋の深まりと共に濃さを増して街を染める。
紅葉よりも鮮やかに甘い、妖しく笑うカボチャ。

ずっと囲まれていたものだから却って感覚が麻痺してくる。
さて、本番まで何日だったか。
そんな事も言っていられないのに。
お菓子の祭典ハロウィン、「sweet smac」は慌しい稼ぎ時。



10月も後半となり、カボチャの足音が近付く頃。
カフェの名物と云えばもう一つ、店員によるコスプレ。
ハロウィンとなればオーナーが張り切る季節。

派手な色が散る男子更衣室。
人知れず、紺藍色の狼男が溜息を吐いた。


キッチンの鞍吉も当日のみモンスターに化ける。
そう云う訳で一足先の衣装合わせ。
女装を何とか避けられたと思いきや、破けた服は露出が高すぎる。
ダメージパンツどころじゃない。

「子供のお客さんも居るからねぇ、僕のマント貸してあげようか?」

肩から広い布を羽織らせたのは和磨の手。
余計な気を回されると、却って尚更恥ずかしいのだが。

「幼稚園児に「お兄ちゃん、服どうしたの?」て言われる鞍君が見えるよ。」
「嫌な予言すんなよ……」
「純粋に心配そうな眼差しでね、しかも女の子。」
「やめろ、想像するだけで心が折れる……」

対するホール組の変身は宣伝を兼ねてイベント開催の約一ヶ月間に渡る。
ピンチの時に駆けつける和磨も、こうして戦力として任務中。
ウサギ耳の生えた魔法使い。
秋の月見と兼ねて「月の魔法使い」のテーマらしい。
鞍吉からすれば、此方も相当恥ずかしい格好ではないかと思うものの。


ところで、前から気になっていたのだが。

「お前のソレって……、何かのアニメの玩具か?」
「あぁ、違うよ?小道具も欲しかったから、自分で作っちゃった。」

ヘッド部分には、スイッチ一つで発光する三日月。
文字にも見える細かな模様の描かれた柄。
デザインもギミックもやたら凝った、魔法のステッキ。

作った、と軽く言う割にはなかなかの出来映え。
光る三日月も玩具のステッキも駄菓子屋で購入したので安上がり。
接着した後にスプレーで塗装し、模様は手書き。
ニス加工もしており、完成までに時間が掛かっている一品。

「工作は得意だからね、僕。」

器用かと思いきや羨む必要も無し。
和磨だって何でも巧く出来る訳じゃない事を、鞍吉は知っている。


ハロウィン期間の限定商品は色々あるが、その一つ。
ジャックランタンのパンプキンクッキー。
カボチャの形に、コルネ袋のチョコで顔を描いて手間が加わる。

そこで思い出すのは今日の事。
少しばかり空き時間が出来たので、試しに描かせてみたのだが。

和磨のジャックランタンときたら。

「絶妙にイラッと来る顔だったな……、あれ。」
「うん……、難しいね、あれは僕も吃驚な出来だった。」

そう、ペンで描くのとは勝手が違うのだ。
溶けたチョコは扱いが難しい。
力加減によって思いきり出てしまう事だってあるし。
修正も効かず、一発勝負。

ただでさえ絵が得意でない鞍吉にとって苦戦を強いられる。
しかし、苦手などと言っていられない。
欠かさず練習しているので自分でも上達してきたと思う。

ただしクッキーは無数にあるのだ。
ふと気を抜くと少し違う顔になってしまい、ムラが出来る。

カフェで毎日焼かれ、数え切れないうちの一枚。
それだって客からすればハロウィンを祝う大事な一枚なのだ。
全て同じくらいの笑顔でないと気が済まない。


そんな話を黙って聞いていた和磨が、ステッキを構えたのは不意。
光る三日月をくるくる回し、残像で描かれる円。
そうして、最後は鞍吉の頭上に。

何をされたのだろう、今。

「ちょっと前向きになれる魔法。」

魔法、なんて堂々と口に出されて鞍吉が少しばかり面食らう。
ハロウィンで浮かれ過ぎたのではないだろうか。
けれど、和磨は至って真顔。

「手作りなんだし、一つずつ違う顔の方があったかいと思うよ?」

張ってしまっていた肩肘から力を抜かせる言葉。
完璧でなくたって良いのだと。
下手な慰めよりは優しいかもしれない。
狼がウサギに言い包められる、なんて妙に癪だが。


「どう?魔法効いた?」
「言いたい事は解かる……、でも子供扱いし過ぎだっての。」
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== Comment ==

わーいありがとうございます!!(*´▽`*)
…まるで、先刻こいつが描いたおばけ南瓜みてぇだ。
ほんの少し高い位置で、満足げに笑みを洩らす魔法使いを見て、鞍吉は思う。
小馬鹿にしているのかと思いきや、これが至って本気なのだから始末に負えない。

和宏とは違う意味で、どうにも噛み合わない会話。
此方の突風を大きく回り込んで包んでしまうシーツようなのが和宏なら、ひらりと躱すカーテンのようなのが和磨だ。
正に、暖簾に腕押し。

…ひとつ、溜息を吐く。
呆れと諦め…そして、年下の癖に妙に悟ったような相手への、ほんの少しの厭味。
けれど、決して嫌悪ではない。

この余裕げな目の前の相手に「不器用な部分があることも知っているのだ」。

隙を見て、少女趣味に彩られたステッキを取り上げる。素早さでは負けない。
スイッチを入れ、光を纏う三日月を和磨の鼻に突きつける。

「あのむかつく顔のクッキーはお前の責任だからな、買い取れよ?」
「ちょっ、それ酷くない?!」
「いいじゃねぇか…味は変わんねーよ」

不意に引いた頭の上で、長い耳が揺れる。
少しは、狼の面目躍如となっただろうか。

「お前が言ったんだろ?…あんなドヤ顔だって、手作りの味、だよな?」
「…………はいはい、そうだったね…」
今度は和磨が、溜息をひとつ。

「…ま、でも」
ステッキを和磨に返しつつ、相手に届くか否かの小声で、そっと。
「ありがとな?」
凶暴な狼の呪いが、兎の魔法で解け掛けたのか。
素直に受け止める言葉を、鞍吉は口にした。

「…………つっても仕事だからな、金貰ってる以上は感情論なんか言ってらんねーよ」
本当は知っている、口の中で甘く崩れてしまえば一緒。
しかしそこに運ばれる前の一瞬、余裕綽々でちょっと皮肉に微笑んでみたいではないか。
ハロウィンは、悪戯好きのお化けの祭典なのだから。

***

なんて、鞍目線気味だったのをいいことにちょっと続けてみたりwww

和磨君との会話はふんわかでほんとに癒されますー!
うさみみ可愛いんだろうなー。
ぴぴるぴぴるぴー←

なんか勢いですみませんw
本当にありがとうございました!
此方こそありがとでした!(´ω`*)
カボチャの匂い飛び交う厨房の片隅に居残って、悪巧みの背中が一つ。
白いコックコートで揃った此処の住人ではない。
訝しげに首を傾げたら、振り向いた緑の目が悪戯に笑った。
チョコの詰まったコルネ袋を構えたまま。

「進化させてみた。」

正式に和磨の物になった、小憎たらしい笑顔のジャックランタン。
それでも先程まではハロウィンの案内人。
今や偉そうなヒゲやら牙やら描き足されて、もはや魔王の威厳。

他のクッキーと一緒にしてみると、また存在感が引き立つ。
カボチャの群れを従えているかのような貫禄。

「……チョコの増量は追加料金取るぞ。」
「うーん、それじゃコレで払うね。」

何やってんだか、そんな響きを込めた鞍吉の呟き。
和磨は気付いているのやら。
それより、返事の意味を図りかねていると掲げられたジャックランタン。

呆気ないほど簡単に、乾いた音で真っ二つ。

「あーん?」

和磨が差し出した顔半分、鞍吉の口元に触れさせながら。
わざわざ食べさせる辺り本当に子供扱い。
それとも、そうでもしないと受け取ってくれないと思ったのか。

鼻先の甘ったるい誘惑。
負けを認めるとしたら其の所為だと、口を開いた。

「あー……、ありがとな。」

思いがけず、素直になる言葉は二度目。
クッキーの崩れる音で紛れてしまいそうな声であっても。
チョコとカボチャの甘味を分け合って、穏やかな時間。
これから迎える大騒ぎの為に。

「クララがデレた……」
「……おい、お前も何か言っただろ今?」

カーテンはどんなに吹かれても何処かへ飛ばない。
大事なところは離したりしないから、幾らでもどうぞと風と遊ぶ。

***

お待たせしてすみません!
SS付けていただきドキドキが止まらなく…
デレた鞍君可愛いなぁ、もう。
此方もSSで返さねばと考えてたら遅くなりまして(´ω`)

この二人の掛け合いは噛み合わなさが美味しいですな。
狼とウサギで良い感じになりましたv

それではSSありがとうございました。
縹さんの文章好きなので大歓迎ですっ!





        
 
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