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== ファンタジー ==

Blue Splash〈1〉(楔波×和磨×紫亜)

*同性愛描写(♂×♂)
夏なので8月中には書くぞ…!と思ってた水浴びネタ。
Rは後編からです。


ただでさえ葉陰の深い森は、夏となれば盛り時。
視界を埋め尽くす程に濃くなった緑。
強い陽射しも伸びた枝で遮られ、地上に届くのは零れる光の粒。
人の手の届かない生命溢れる世界。

そんな緑一色の中にも、異端な存在。

黒衣を纏った人影二つ。
今日も行き先は風任せ、放浪を続ける魔族の双子。
戦場を後にした姿は深紅に濡れていた。

そんな物騒極まりない一行には、不似合いなお供。
楔波の肩に淡い桃色の毛玉。
長い耳に丸々した体のウサギが載っている。
二重の首輪しか面影は無いが、魔法で姿を変えられた和磨である。


初めて逢った時から和磨は武器を失ったまま。
体術の手なら残っているが、それだけで何とかなる相手ばかりでない。
そう云う訳で戦闘では役立たず。
全てが終わるまで何処かに隠れていろと、大抵ウサギにされる。
人型のままでは狙われて良い的になるのがオチだ。

自由を奪われても命があるだけ和磨は幸運か。
双子に牙を向けた者の末路は一つ。
魔獣も人も腹から抉られ、倒れ伏した地を鮮血に染める。

当然こうして双子も穢れるが、いつの間にか綺麗になっている。
獣ならば自分で毛繕いするので解かるものの。
魔王の配下である二人はあまり生理現象を必要としない。
食事も睡眠も、そして入浴も同じく。

一方の和磨と云えば、双子の体液を摂取しないと生きられないのに。
そんな身体にしておきながら何だか腹立たしい。


しかし、理不尽な現実だと解かっていながらも受け入れている。
憎しみや怒りを抱くところの筈だろうに。
奇妙に思いつつも、寧ろ双子に対する感情は好意に近い。

ほぼ毎日、唇や身体を深く重ねているのだ。
本来ならば恋人との行為。
だから錯覚しているだけなのかもしれない。
此れはペットに餌を与える"食事"に過ぎないなんて、知っているのに。

それはそうとして、実のところウサギの姿は満更でもない。
双子が触れる手がいつもより優しく感じる所為か。
既に龍だと云うのに何の意図やら。
時々、魔法が得意な紫亜も蛇に変わって絡み付いてくる。
そうして慌てる和磨を愉しんでいるのだ。


耳を捕われて驚いてしまったのは、不意。

小さな身体が大袈裟なほど跳ね上がり、視線を移してみれば。
まだ紅い指先で挟んで笑っている紫亜。
此の手の悪戯は、気を抜くといつも仕掛けられる。

「汚れちゃうから駄目だってば、もう……」
「じゃあ、洗えば良いって事さね?」

精一杯の抗議をする和磨に対して、返事の意味は行き先にあった。
進むたびに近付く清流の音と水の匂い。
やっと木々が開ければ、陽光で輝く川に出た。
橋が必要な程の幅でもないが、澄んだ水を淡々と豊富に湛えている。

「丁度良いさね、今日暑いし。」

そう言いつつ石の上で靴を脱ぎ捨てると、しなやかに素足になった。
どうやら洗うのは手だけではないらしい。
続いて黒衣を脱ぎ出したところで、水浴びするのだと理解した。

血を浴びてなくともペディキュアで紅い爪先。
紫亜が静かな水面を蹴ると、飛沫が光の粒となって跳ね上がる。


闇を司る魔族が一糸纏わず太陽の下。

何だか妙な図かもしれないが、水に浸る紫亜は綺麗だった。
血色の良くない肌も光で濡れて艶めく。
ベッドとは違う裸身に、つい見蕩れてしまいそうになる。

「楔波は行かないの?洗わなきゃ駄目だよ。」
「どうでもえぇ……」

一方、木陰に腰を下ろすだけの楔波は動かない。
何でも愉しむ紫亜に対し、何でも面倒そうにするのが彼。
必要無いと云うのが言い分だろう。
実際、浴びた血は乾くどころか、知らぬ間に消え掛けている。

あまり口を出す事ではないか、と思った時。
一瞬で変化する身体。
魔法が解かれて、ウサギから人型に戻ったのだ。

そうなると状況は困った事になる、和磨にとって。
獣化していると服が着れないのだ。
となれば、裸のまま楔波の肩にしがみ付く形になってしまう。
人目が無くても焦らずにいられない。
ウサギの時と同じ体勢なのに、素肌で感じる存在は全く違って。


「紫亜……っ、急に解かないでっていつも言ってんのに……」
「そうだっけ?ほら……、二人とも来なよ。」

慌てて楔波から離れ、身体を隠して蹲りながら精一杯の抗議。
何を言っても裸なので格好が付かないものの。
そうして容易く受け流した紫亜が、木陰の両者を水に誘う。

和磨も涼みたいと思っていたところだった、確かに。
此の暑さで毛玉の身体は酷。
体感温度を下げる魔法も掛かっていたのは先程までの話。
今はじっとしているだけで汗ばんでくる。

おずおずと腰を上げて様子を伺えば、ぶつかる視線。
落ち着かない翠と退屈そうな金色。

「……面倒な奴やな。」

伏せ気味の瞼、舌打ちに似た溜息一つ。
楔波も乱暴に黒衣を脱ぎ捨てる。
それから和磨の腕を取り、強引に川へと引っ張り込んだ。


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