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召しませバニラ(鞍吉+和磨)

ネタが出来たのでお約束通り書いてみました!
直接は絡んでないけど、和磨から見た釈×鞍…のつもり。
最初、プリン皿で考えてましたが香りをテーマにしたのでシャワージェルに変更。
鞍君にとってはバニラの匂い=釈七先輩だろうなと(`・ω・´)

タイトルはお馴染みLushより。
いや、本当はバスボムですけども(笑)。


生活雑貨店「四月ウサギ」はアリスのグッズだらけ。
定番の水色から大人びたモノクロまで。

乱れた棚を直していた時、吹き込んだ冷たい風に気付いた。
自動ドアのガラスの向こうは味気無い雨模様。
灰色の世界からまた誰か飛び込む。

しっとり濡れた髪は見覚えある紺青。
ポケットのタオルハンカチを差し出したら、少し驚いた顔。

「いらっしゃい、鞍君。」

色で溢れた此処はワンダーランド。
ウサギの穴へようこそ。


「急に降って来たもんねぇ、今日も食器?」
「いや、カフェからの帰り……傘買いに寄っただけ。」

ハンカチで雫を拭いながら、小さくクシャミ。
初めてお店に来たのは割と最近。
あの時はガラス製品に眼を輝かせていたと思い出す。

棚一杯に並ぶ、ふわふわのクマや猫やウサギ。
丸いボタンのお目々に見詰められて妙にたじろいでいた事も。
女性客ばかりなのも落ち着かないらしい。
ガラスのデザート皿を選ぶにも肩を縮こめ気味に。
レジで商品を渡すと、足早に去って行った。


今日も用を済んだら退散するつもりらしい。
真っ直ぐ向かう雨具のコーナー、適当な安い傘を手にする。

女の子向けでもないと思うんだけどな、うちの店。
ピンクだらけって訳じゃないし男性用の商品だって置いてる。
僕だってバイトする前から常連。

あぁ、そうだ。

「冷えたんなら、帰ったらお風呂入るよね。」
「え?そりゃ……、まぁ。」

突然だけに何の話かと鞍君が訝しむ。
歯切れ悪くても頷いたのなら、こっちのもの。

「と云う訳で鞍君、バスタイムのお供にいかがでしょう?」

雨で肌寒い日もあれば、強い太陽で汗だくになってしまう時期。
シャワーが欠かせなくなるにつれて新商品も増える。

ボトルや袋に詰まった色も香りも様々、どれも甘そうな誘惑。
一見するとお菓子でも此れは肌が食べる物。
手招きで呼び込んだのは、バスグッズのコーナー。


「営業にしたって、強引な……」
「やだな、店員のオススメは聞いておくべきだよ?」

此処まで露骨なのは知り合いのお客さん限定だし。
それに鞍君だって、既に眼はシャワージェルへ吸い寄せられている。
照明で透けて光る鮮やかな色。
ラメ入りなんかもあるし、興味を引くには充分。

見た目も良いけど匂いで選んだ方が良いよ?
癒される為の時間だし、好みに合った香りは効果抜群。


「……プリンの匂いがする。」

そうして鼻先でテスターを試す中、不意にうっとり呟く。
鞍君が手にしたのはバニラ系のシャワージェル。

甘い香りと一口に表しても種類は色々。
シトラスかミント系勧めようと思ってたんだけどな、今の季節なら。
此れは柔らかいクリーム色で、本物のバニラビーンズ入り。
しっとりした洗い上がりだから乾燥する時期向き。

まぁ、気に入ったの見つけたなら何よりだけど。
僕もバニラは好きな方だし。

会計後、店先で開いた新品の傘の花。
もう片手にはバッグとシャワージェルの小さな袋。
灰色の世界に消えて行く後姿を見送った。




終業時刻にも雨が続いて、本当なら早く帰りたいところだけど。
「sweet smac」は雑貨屋の近所。
思わず寄ってしまったのは、鞍君の影響。
何だかカスタードのお菓子食べたくなっちゃって。

「いらっしゃい、和磨!」

ギャルソン姿の宮城君に笑顔を向けられて、軽く手を振った。
カフェでは僕も顔馴染みの存在、一応は。
雑貨屋と掛け持ちで、人手が足りない時に短期で働く事があるし。

そうそう、早くお菓子買わないと。

ある程度食べたい物を決まってるし、決断は早い方なんだけどな。
プリン、タルト、シュークリームにエクレア……
何しろ「sweet smac」のお菓子はどれも美味しそうな上に種類豊富。
ショーケースの前で迷ってしまうのは毎度の事。


「はい、此方ですね。」

目移りした後、結局選んだのはピーチタルト。
カスタードの上で旬の白桃が艶々と。
双子が待ってるから僕一人分と云う訳にもいかず、3切れ持ち帰り。
レジカウンター越し、手早く包む釈七さんから受け取った。

ケーキ箱を差し出す骨張った手、気付いた。
確かに香り立つバニラの存在。

一瞬でも、それはタルトの所為じゃなかった。
洋菓子は匂いが移りやすい。
囲まれているだけに、もう釈七さん自身の物なんだろう。
近くじゃなきゃ気付かないけど。


シャワージェルを手にした時の鞍君を思い出した。
堪らないような、安堵したような、横顔。


香りの魅力とはなかなか侮れない。
掴みどころが無い物だけに、呪縛に似た記憶を身体に残す。
馴染み深い甘さのバニラ。
それこそ男でも容易に捕らわれてしまう。

共有出来るなら尚更愛しい。
冷たい雨の中、バニラを抱えて家路を急いだ。
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