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== ファンタジー ==

Hide/Seek〈2〉(楔波×和磨×紫亜)

*同性愛描写(♂×♂)
まだ回想から始まりまして、後編です。
ネタはあるので話数溜まったら専用ページ作ろうかと。


あれは一体、何の術か?

「んー、お前が良い子になる為のおまじないさね。」
「……そのうち解かる。」

恐る恐る訊ねたところで、やはり予想通り。
まともな返答は望めない。
和磨が溜息を吐いて項垂れれば、目に映るのは首輪。


あの後、栗色の鬼にも犯されたのは言うまでも無く。
だが済めば解放されるなんて甘い考え。

彼らが欲しかったのは、一時的な快楽ではない。
連れ歩いて好きな時に遊べるペット。
龍を飼いたかったのだと云う気紛れで、こうして傍に。

長身で大人びた黒い鬼と、小柄で幼さの残る栗色の鬼。

どちらも冷たい美貌だが顔立ちは違う。
何処か艶の匂い立つ雰囲気と、金色の眼だけがよく似た双子。
その正体は、魔王直属の上級魔族。
どんなに腕が立とうと、まだ年若い和磨が敵う筈ない相手。

ペットに龍を選んだ理由も納得出来る。
寿命も長く頑丈、確かに魔族とも釣り合いが取れる幻獣。


双子で永い歳月を生きて来てきても、何かに執着した事など無く。
だからこそ和磨のような存在は珍しいと言う。
此の首輪は支配欲の証か。

ただでさえ目立つ大きさが、それぞれの主に嵌められて二つも。
鎖で繋がっており、手錠を重ね付けしたような形。
人込みの際には引っ張られて離さず、まるで犬の散歩である。
アクセサリーだと誤魔化す事も出来やしない。

龍に化けた時も首輪ごと大きくなり、どうやら魔道具らしい。
こうした物は鍵でないと取り外し不可。
双子が持っている筈なのだが、これまた意味深に濁された。


出逢ってからと云うもの、共に放浪しながらの日々。
暇潰しと称しては性の玩具にされた。
双子の気が向いた時に所構わず、それこそ数え切れない程。
和磨にとっては血濡れの戦闘よりも犯される方が怖い。

しかし、いつまでも恐れ戦いているつもりも無く。
深いキスなど一日に何度も。
複雑ながらもいい加減に慣れ、正直言えば嫌じゃない。

和磨なりにコミュニケーションを図ろうと試みているのだが。
何となく巧く行かず時は過ぎる。

思えば家族と離れてから、誰かと深く関わらずに生きて来たのだ。
感情があるくせに冷めた眼で。
そうした意味では双子よりも根無し草。
埋められない隙が、徐々に息苦しくなって堪らず。
ずっと独りのままなら知らずに済んだのに。


逃げて来てしまったのは衝動的。
金色の眼が離れた時、ふらりと身一つのままで。

そうだ、もっと早くこうしていれば良かった。
あの時から狂っていた運命。
武器を向けず走り去っていたら、幸せなままだったのに。



そうして自由になったのが二日前の事だった。
龍の姿なら馬とも並ぶ速度。
随分と遠くまで来てしまったものだ、宛ても無いくせに。

一歩進むたび、千切れない鎖が鳴き声を上げる。
どんなに逃げてもあの時間は消せないと。

大事に使っても、そろそろ所持金が残り少なくなってきた。
荷物が無いのはやはり痛い。
商売道具である楽器は襲撃された場所に置き去り。
武器があれば賞金稼ぎくらい出来たのに。


いや、今の和磨には無理か。

相変わらず小屋は真っ暗闇。
浅い眠りから醒めてみても未だに明けない夜の中。
壁に凭れた背中が、ずるりと滑り落ちる。
休息を取りたいのに身体は一向に重くなるばかり。

異変を認識したのは昼時。
空腹の筈なのに、水や食物を受け付けないのだ。


無理やり呑み込んでも吐き気を抑える苦しさ。
なのに飢えて渇くばかりの身体。
その一方で、訴えにも和磨は薄々気付いていた。
欲しい物は此れじゃないと。

確実に何かを求めているのに。
動けるうちに出来る限りの手は尽くしたが、もう遅すぎた。

「どうしよ……」

欠乏した物の大きさに呟きすら弱々しく。
倒れ込めば最後かもしれない。
起き上がれるか分からず、再び瞼が落ちる。


「和磨、見ーつけた。」


静寂を引き裂いた突然の声が、眼を開かせた。
外から放たれたドアの先には金色。
膨らんだ満月と、二対の視線。

ああ、やはり鬼が来た。


何度振り返っても、誰も居なかったのに。
纏わり付いていた気配は決して妄想ではなかったのだ。
今まで姿を見せなかった理由は不明だが。
追って来ているのなら、すぐに捕らえれば良いものを。

今度こそ殺されるかもしれない。
そう思いつつも、執行を待つ和磨の表情は虚ろ。

身体が正常に動かない所為で感情も止まったまま。
どうでも良いとすら考える。
此れが運命なら、もう逃げずに委ねようと。


「……苦しそうやな。」

座り込んだ視界に映るのは、近付く足だけ。
一歩手前で膝を着いた黒い鬼。
暗闇に射した月は思いの外に明るく、輪郭を切り取る。

頬を撫でる骨張った指。
引き寄せられ、呼吸が止まる。

「……ッ……?!」

息苦しさは唇が重なった所為だった。
初めて逢った時と似て強引に。
乾いた合わせ目を舐め、抉じ開けさせる舌。
ざらつきが触れて火花を散らす。

抵抗無く喉を滑る、唾液の熱。
干乾び掛けた身体の芯がじわりと潤んだ。

「俺も忘れないでよ?」

どうして、と訊ねる隙すら与えられず。
別方向から鎖を引かれ、鋭い金属音と共に含み笑い。
栗色の鬼が伸ばした冷たい舌。
口腔を舐め擦られて、流れ込む唾液に溺れる。


"そのうち解かる"

長い間で紡がれた糸を引いて剥がれた唇。
回復をはっきり感じ取ると、とある言葉が脳裏に掠める。
おまじない、とは此の事か。

「やっと気付いたみたいさね……、教えてあげる。」


あれは下僕を束縛する為の呪い。
定期的に術者の体液を摂取しなければ、飢えに苦しむ事になる。
吸血鬼と似たようなものか。
ただ此の場合、腹持ちは変われど涙や汗など何でも良い。

本来なら一対一でしか結べないが、双子は同じ体質。
どちらの体液でも和磨にとって糧になる。
単に拘束するのではなく欲求を利用する辺り、質が悪い。

これまで繰り返された情交は、餌付けを兼ねていた訳だ。
いつも内部で吐き出されて満たされる。
どれだけの量でも流れ出てこないのは、確かに変だと感じていた。
吸収されていたのだと思うと妙な身体にされたものである。

此の二日間は要するに躾。
離れる事が出来ないと、身を持って教え込む為の。


「動けるようになったみたいやな……」
「じゃあ、次は和磨が鬼の番さね。」
「ちょ……っ、何処行くの?」

存分に唾液を飲ませた後、双子が立ち上がる。
慌てて呼び止めると返されるのは笑み。

「だって、かくれんぼだろ?今度は俺らが隠れる方さね。」
「え、そうなの……?いや、僕そう云うつもりじゃ。」
「大丈夫さね、時間制限あるから……朝まで動ける分は飲ませといたし。」
「待ってよ、動けなくなったらどうすんの……?」

月が出ていようとも夜には変わらず。
ただでさえ深い森の中で探し当てられる自信など無い。

「……見つけたら、好きなだけ食わせてやるから。」

不安げな和磨の耳元、黒い髪が擦れる。
吹き込まれた低音には喉で笑う声も含まれていた。
犯されたければ頑張ってみろと。


「食べるのはどっちだよ、もう……楔波、紫亜。」

十数える前に、鬼達の名を呼んだ。
生きている限り永久に勝てない事を刻み込まれて。


*end

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