== スポンサー広告 ==

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
┗ --:--:-- ━ Page top ━…‥・

== 梅染街 ==

スカーレットヒーロー(楔波×和磨×紫亜)

*同性愛描写(♂×♂)
此方も光先生botに頂いたネタより、バスケSS。
桜校にお邪魔させていただきました!
バスケやってる双子君さぞかしカッコイイでしょうな…
それと、やっぱり焦らされてる和磨(笑)。


「明日、弁当2つ宜しく。」

そう双子から頼まれたのは土曜の夜。
すっかり遊び疲れて、眠る前。

窓から流れ込む風に浄化される、情交の空気。
それでもブランケットの下ばかりはいつまでも醒めない。
素肌を寄せると匂い立つ体液。
もう誰の物かも判らずに、混ざり合って一つ。


「何、初耳なんだけど……どっか行くの?」

訝しむ顔になっても限界の瞼は開かない。
て云うかピロートークって、もっとこう、余韻とか……
身体を絡めたままの割に色気不足。
呑み込み切れずに、腿を濡らしていく熱は鮮明なのに。

「桜校……明日、バスケ部の試合あるからな。」
「たまに助っ人頼まれるさね、気分が乗る時しか出ないけど。」

助っ人要るくらいなら、うちのバスケ部そんなに選手少ないのかな。
身長あるから僕も入学した時に勧誘されたっけ、そう云えば。
昔からボール苦手だから丁重に断ったけど。
走るとか泳ぐとか、身体一つの競技なら寧ろ得意なのに。

ああ、そうか。
なら明日は、僕一人でのんびり過ごせる訳だ。

家でも外でも一緒だと、こう云う日は貴重。
バイトも無いし、お弁当と朝食作った後なら二度寝だって出来る。
とりあえず描き掛けの絵本進めたいな。


と、思ってたんだけど……


翌朝、双子を送り出して約1時間経過。
寝具一式をベランダで干してしまったのでベッドは裸。
赤いソファーに縮こまっても、何だか妙に落ち着かない気分。
寂しくなるにしても早過ぎる。

居たら居たで意地悪されてばっかりで寛げないのに。
散々飼い馴らされた所為だ。
予定も立ててたのにやる気が起きず、一人の時間は暇。

手持ち無沙汰で始めた家事も大体は済んでしまった。
お弁当持って行ったなら午後まで戻らないよね、少なくとも。
観に来るかなんてのも訊かれなかった。
そりゃ僕はバスケに大して興味とか無いけどさ……

だらけている間にも時は過ぎる。
けれど、待つとなると果てしなく長い。

「ああ、もう……」

負けを認めて、身支度の後に引っ掴んだ鞄。
無人の部屋に鍵を締めた。




桜街のマンションに移り住んでからもう随分と経つ。
とは云え、足を踏み入れるのは初めて。
青葉から陽が零れる桜並木の先に、門を構える桜校。

旧校舎もあるくらいだし、梅校だって小さくないんだけどな。
もう此処は明らかに桁違いな規模。
小学校から高校まで一貫、図書館に大学まで加えると相当な広さ。
流石、街の子供ほとんどが通えるだけある。

まぁ……所詮、そんな事は言い訳かもね。

同じ場所を行ったり来たり、迷った後に体育館まで辿り着いた。
外から一目で分かる建物だからまだ自力で何とかなった方。
校舎だったら、何処がどれだか区別が付かない。


焦って時間を削られて、朝から無駄に疲れてしまった。
気を取り直して入り口に顔を出す。

体育館の空気は何処も変わらず汗混じり。
飛び交う声援に、床を磨く靴底とボールの弾む音。
コートに入り乱れる赤と緑のユニフォーム。
白熱する試合の真っ最中。


観客は思ったより多くて年齢層もまちまち。
学生以外にも、選手の家族とかも応援に来てるらしい。
コートの向こう側、見覚えのある金髪の長身。
カメラを持った光一郎さんと目が合う。
手を振られて素通りなんて出来ず、深々頭を下げて挨拶した。

また楔波に妬かれたら厄介な事になるし……
と、其の本人は本当に何処なんだか。

宮城君は割とすぐ見つけたんだけどな。
深紅の梅校と、翡翠色の桜校。
動き回る選手に目を凝らしても、コートに双子の影は無い。


そんな中、不意の着信音で人探しは中断。

ストラップを掴んで、ポケットから携帯を引っ張り出す。
メールかと思いきや電話。
サブディスプレイの発信者名は……


「あ……っ、もしもし?」
「やっぱり来たさね、和磨。」

計られたようなタイミングで表示された、小悪魔の名前。
返って来るのは紫亜の含み笑い。
耳元で囁かれている錯覚に陥りそうな。
携帯越しなのに、吐息まで感じて密かに震える。

周囲の観客から少し離れて意識は携帯に。
今何処なんだろう、試合は?

「お前が見える所に居るさね、俺らの試合は次。」
「ん……、それより、やっぱりって何。」
「声掛けなくたって絶対来ると思ってたから。」
「ああ、そう……」

見透かされてた訳だ、いつもの事。
何しに来た、とか訊かれなくて良かった。
そう言われちゃうと僕も答えようが無くなってしまう。


「そうさね……和磨、試合勝ったらご褒美頂戴?」

大した用件がある訳じゃない電話。
手短に切れる筈が、紫亜が思いつきを付け加える。
其の言葉、僕にはあんまり良い予感しないんだけど……

「え?あ、あの、ご褒美って何……?」
「……考えとくから其処で観とき、和磨。」

気配を悟られずに、いつ代わったのか。
不意打ちで愛しい低音。
たった一言、其れだけで熱が巡る。

「ちょ……、楔波……っ?!」

名を呼んでも届いたかどうだか。
吹き込まれた声だけ置き去りに、通話は終了。

携帯を閉じると、急に金色の視線二対を感じる気がした。
きっと慌てている僕を愉しげに見ているんだろう。
体育館の何処かで。



そんな遣り取りから暫く後にゲームセット。

一度勝敗が決まっても全てじゃない。
コートの中の時間は忙しなく過ぎ、選手交代で再び開始。


混ざり合う赤と緑、試合前の整列で今度こそ姿を現した。
梅校サイドに、見慣れた黒と栗色の頭。
ユニフォームの深紅がよく似合う。
普段は黒ばかり着ているから何だか目新しかった。

双子のどちらかにボールが渡れば、誰も奪えない。
二人でパスを交わし合ってゴールまで一直線。
助っ人に呼ばれるだけあって、素人目にも明らかな実力。

何だよ、こんなに動けるならもっと体育出なってば……
いつも屋上で僕と遊んでる場合じゃないと思う。
要するに……、格好良い。
惚れ直す、て事に関しては何度も繰り返す模様。


見蕩れる最中にも、忘れちゃいない「ご褒美」の言葉。

ケーキ奢れ?夕飯はご馳走にしろ?
ベッドでの事だったら、てのはあんまり考えないようにしてる。
違ったら期待した分だけ馬鹿みたいだし……僕。

無茶かもしれないし、些細な事かもしれない。
気紛れで読めない双子の要求。
結局のところ僕は従ってしまうなんて分かっている。
頭の片隅で、ずっと焦げ付いている低音。


言ったからには勝ってみせてよね。
何が欲しいのか、教えてよ。



*クリックで応援お願いします

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村


小説(BL) ブログランキングへ


スポンサーサイト
┗ Comment:0 ━ 01:03:22 ━ Page top ━…‥・

== Comment ==






        
 
Prev « ┃ Top ┃ » Next
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。