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== 梅染街 ==

組んで閉じて、黒と紫(楔波×和磨×紫亜)

*同性愛描写(♂×♂)
お待たせしました。双子君×和磨編です!
こっちはびしょ濡れになって貰いました(´∀` )


もしも神様が居るならば、此れはきっと天罰。
掃除当番を抜けて勝手に帰った罪の。


「悪い事って出来ないね……」

肩で息をしながら和磨が一つ呟く。
やっと駅に駆け込んだものの、随分と濡れてしまった。
額に張り付く髪を掻き上げている両隣も同じ状態。
音も無く雫を零す、黒と栗色。



急に雲が出てきてからが空の変わり目。
薄暗くなったかと思えば、一気に降り出して慌ててしまった。
学校を出る前だったら置き傘があったのに。

何処かで雨宿りするか、コンビニに寄って傘を買うか。
選択肢はあったが何しろ駅まで中途半端な距離。
考えるよりも足の方が急いでしまい、結局此処まで全力疾走。
三人とも雨に打たれて今に至る。


「そうさね?俺は結構面白かったけど。」
「まぁ確かに、こーゆーの青春っぽいかもね。」
「……そぉなんか?」

駅を行き交う人々は忙しなく、誰もが前しか見やしない。
雑踏から離れた片隅に寄れば三人だけの空間。

水を吸った黒の上着は何だか重くなってしまった気がする。
脱いでみれば、やはりシャツまで湿っている。
自販機で温かいコーヒーを一本だけ買って、冷えた唇で回し飲む。

「俺はもう良い……、やる。」

微糖と銘打っていても缶コーヒーは甘ったるいと決まった物。
甘い物を好む紫亜に、砂糖が無いと飲めない和磨。
ブラックに慣れ親しんだ楔波からすれば、一口だけで充分らしい。

缶を返されて、和磨と絡んだ硬い指先。
其の後に飲むのは何だか妙に楔波を意識してしまう。
キスなんて数え切れないほど交わしているのに。
最後の分は、小さな気恥ずかしさと一緒に喉に流し込んだ。

「あーらら、俺ももう一口欲しかったのに。」
「え、ごめん……ちょっ、だからって飲み口舐めないでよ、もう!」


雨音を一瞬掻き消して和磨の狼狽。
含み笑いを零す紫亜から空き缶を取り上げ、ゴミ箱に投げた。
吐いた溜息もコーヒーの後味。

あぁ、そう云えば、と今しがた思い出した。
深く鞄を探ってみて正解だった。
端を掴んで引っ張り出すと、丁度良く若葉色のタオルが一枚。
寧ろ忘れていた事の方が失態か。


「まず紫亜ね、こっち向いて。」

栗色の頭は和磨からすれば目の高さ。
濡れた所為で殊更小さく見える紫亜を呼び寄せ、タオルを被せて髪を拭く。
手が冷たいのは真夏でも変わらないが、頬までとなれば心配になる。

一方、紫亜の目の高さには生白い首筋。
不意に唾液で濡らされて、和磨が震え上がった。

「ッん……!」
「油断してるからさね。」

這わせた舌を覗かせたまま、小悪魔が低く笑う。
迂闊に近付くからこうなるのだ。

放って置けなかったのは、染み付いてしまった習慣。
夜の相手だけなら双子にとって玩具に過ぎず。
生活の世話までしているのだから、もう奴隷なのか嫁なのか。

それと、やはり紫亜が「好き」なのだ。

制服の上着もシャツの胸元も、ボタンは意味を成さずただの飾り。
開いたままだったからこそ雨も防げていない。
しっとり和磨の素肌に纏わり付く白。
赤い爪で引っ掻かれ、布に透けていた薄紅が尖る。


「だ、駄目だって、人居る所じゃ……」
「そうさね……、じゃあ、この辺にしとこうか?」

悪戯を始めるのも自由なら、解放も気紛れに。
軽々と一歩引いて紫亜が離れた。
まだ鼓動の落ち着かない和磨の手元、タオルだけ残して。

「もう……っ、はい、楔波も使う?」
「要らん、面倒やし。」

触れられた部分は、まだ微熱を持つ。
小さく息を整えても醒めやらず。
気を取り直して楔波にも差し出すものの、首は横に振られる。

仕草一つ取っても無造作な彼の事、髪が濡れても大して気にしない。
風呂上りでも、と指摘を口にしようとして寸前で止まる。
ドライヤー以前の問題、裸のまま出て来てしまうのを思い出した。
声を呑み込んだ和磨の顔は赤い。
何度も肌を重ねているのに眼が逸らせなくなるのだ。


しかし、断ったかと思えばタオルは受け取られる。
和磨の頭の上、若葉色のベールを被せて。

視界まで影で塞がれて状況がよく判らない。
首を傾げる間も無く、押さえ付けたタオルで強めに掻き回される。
楔波は力加減を知らないので少々痛いけれど。

「お前の方が濡れとる。」
「あ……っ、ありがと……」

乱れた髪の間、確かに金色と眼が合った。
至近距離で触れる呼吸の熱。
人の多い駅の片隅、タオルに隠れて唇を重ねる。
冷えていた身体に体温を呼び戻す。

一休みしたら、そろそろ電車の時間。




「あのさ、やっぱり……三人じゃ無理あるって……」

駅からマンションまでの帰路は、いつもより遅い足取り。
和磨が意見しても雨音に邪魔される。
大きな傘一つ下、それぞれ色の違う頭が三つ。

電車の中で荷物になるので、傘は桜街に着いてから手に入れた。
安物三本は置き場に困るし無駄な買い物。
とりあえず家まで雨を凌げれば良くても、後の事を考えれば損になる。
折角なので、丈夫で長持ちする物を一本だけ。


大きく広がった、黒と紫のチェック柄。
落ち着いた色合いだが味気無い物が多い紳士用にしては洒落ている。

「黒一色で良かったんだがな、別に……」
「此れが良かったんでしょ、和磨が。」

楔波が無表情に呟けば、小さく笑う紫亜の返答。
確かに選んだのは和磨である。
此れは、いつぞやのスプーンの礼のつもり。
似ていると思ったのだ。
ダークトーンの傘ばかり並ぶ中、惹かれた双子の色。

「それよりさ、本当に……くっ付き過ぎだって……」

腰に絡まる紫亜の腕、肩を抱く楔波の手。
上着を脱いだままなので薄いシャツ越しに触れ合った肌。
勿論、嫌な訳ではなく。
抱き寄せられる時、心休まるよりも熱くなってしまうのは相変わらず。
悪戯に指先でくすぐられる度に怯える。

「狭いから仕方ないやろ、濡れるで?」
「それに雨で冷えるし、こうした方が温かいさね。」

背筋を震わせる和磨に、低い声は飽くまでも平然と。
もしかしたら墓穴を掘ってしまったのではないだろうか。
此れは、まるで双子から離れられない暗示。
そんな気がしたので、傘から二人を連想した事は言えなかった。


けれど、結局のところ好んで飛び込んだ籠の中。

逃げられない事を教えて欲しい、もっと。
マンションに着いたら。



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