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== 梅染街 ==

ホットチョコレート・イヴ(楔波×和磨)

*同性愛描写(♂×♂)
まだ前日の話なのでR無しです。
当日はチョコ食べながら更に甘く過ごすんでしょうな、3人で。
日付変わるまでイチャイチャしてたら良いと思います!


夕食の後片付けが済んでも、台所仕事は終わらない。
陽が昇れば幾ら時間があっても足りないのだ。
朝食と弁当、三人分の下拵え。
此処で双子と住むようになってから和磨にとって日課。

そして、まだ今日はもう一仕事。


「……甘ったるい。」

不機嫌なのか眠いのか楔波の声はいつも以上の低音。
突然で驚いたもので、和磨が木杓子を落としそうになってしまった。

熱くなったチョコレートは、ただでさえ強い匂いが増す。
換気扇を動かしていても判ってしまったらしい。
尤も、ずっと中心に居た和磨は既に麻痺して感じないものの。

時は、2月13日の夜。

男同士でチョコレートを交換するのも妙な話だが、年間行事。
冷たい態度も多い双子だけに貴重な甘い日。
貰えるなら一口の大きさでも嬉しい。
子供でもあるまいし、否、子供ではないからこそか。
味わうのは相手の欲望も一緒に。

和磨も用意を忘れていなかった、勿論。
けれど、明日まで何を贈るか秘密にするつもりだったのに。


「ごめんね、そんなに匂いしてたとか気付かなかった……」
「いや、水飲みに来ただけやし。」

謝罪を軽く流して、和磨の隣で楔波がコップに水を注ぐ。
湯上りなので喉が渇いたのだろう。
濡れたままの黒髪は冷たい艶。
今にも雫が滴り落ちそうで、眼を奪われてしまう。

強く栓を捻ったものだから瞬く間にコップから溢れた水。
楔波の手まで濡らし、無造作に払うと光が散る。

「何や、手が止まってるで?」
「ん……、良いの、もう冷やすだけだもん。」

本当は慌てる必要も無いのに。
口篭もってから楔波に背を向け、冷凍庫に器を仕舞い込む。
今年はチョコレートのプリン。
材料を溶かして、器に流して固めるだけのゼラチンタイプ。

手軽さだけで選んだ訳ではない。
折角だから、例のスプーンで食べられる物が良いと思ったのだ。

昔から、銀のスプーンは幸福の象徴と言われる。
其処に和磨の緑を絡めた意味を思わず深読みしたりして。
楔波が知っているとは思えないし、ただの気紛れだったろうけれど。
三つ揃ったスプーンとプリンは此の生活の幸福。
それだけは、変わらない事実。


大きめの器に分けたつもりでも、やはり人数より多い。
小鍋の中はまだチョコレート色。

かと云って、他の誰かの分まで用意するつもりも無かった。
和磨が食べて欲しい相手は双子だけ。
好きな人にあげなければ、意味が無いのだ。

器と入れ替わり、冷蔵庫から取り出したのは牛乳。
真白が小鍋に流線型を描くと、チョコレートが薄まる。
軽く煮立ててマグカップに注げば甘い湯気。
仕上げにリキュールを数滴。

冷え込む夜に合うホットチョコレート。
ゆっくり飲んで温まってから、和磨が視線を移す。

「良ければ、だけど……、味見する?」
「……ん。」

恐る恐る差し出すと、楔波も一口分だけは喉を動かした。
元はプリン液なのだから当然か。
他の物も混ざっているだけに、通常よりも濃厚な味。
和磨と紫亜ほど甘い物を好まないのだし。

相変わらず崩れない無表情でも、閉口した事は何となく伝わる。
少しだけ可笑しくなって和磨の唇が綻んだ。


返されたホットチョコレートを受け取ると、交わる指先。
マグカップを持っていた所為で互いに熱い。
置かれた後も放し難くて、骨張った手と白い手が重なる。
引き寄せられれば、唇も。

「ん……ッ、ふぅ……」

熱々だったチョコレートは今、体温と同じ。
心地良さに恍惚として吐息が色付く。

舌先に残った甘さを分け合いながら、溢れた唾液が鳴る。
口角から流れてしまうのすら惜しい。
楔波に抱き付いた方の指先に、酷く冷たい髪が絡んだ。


「今日は……、もう、終わりなの?」
「味見って言ったんはお前やろ。」

また明日、バレンタインデーに。



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