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== 梅染街 ==

鬼か兎か〈1〉(楔波×和磨×紫亜)

お正月なので、三人で初売りネタを。
1話完結の予定でしたが、桃缶の方で萌えを頂いたので続き物でエロ有に(*´∀`) b
今年もご一緒に楽しめたら幸いですっ!


三箇日、ショッピングモールの活気は風物詩である。
開店して間も無くと思えない混雑。
行き交う買い物客達の手には、揃いも揃って大きな紙袋。
近年の日本は不景気だと誰もが口にする。
そんな言葉など、新年に浮かれた人々の前では嘘になるだろう。

呆然と立ち尽くす暇も無し。
和磨が視線を巡らせるより早く、左右から絡まる指先。
そうして、二対の金色に捕まって安堵を覚えた。


「何?はしゃぎすぎて疲れちゃった?」
「疲れたのは俺の方やけどな……、朝っぱらから引っ張り回されて。」

どちらも事実だけに言い返せず。
片隅にある腰掛スペースへ移動し、アイスを舐めながら軽く休憩。
戦利品を提げているのは和磨達も同じ。


12月の稼ぎで暖かくした懐は、此の日の為でもある。
お気に入りの店の福袋を求めて急いだ。
つい駆け足にもなったので熱くなり、肩から大判ストールを外した。
暖房の効いた店内でチョコミントの冷気がありがたい。

それにしても、楔波が如何にも気になってしまう。
まだ眠い所為か不機嫌混じり。

愉しそうだからと乗り気の紫亜に対し、興味無さそうな楔波。
思えば少し強引に連れ出してしまった。
彼らの場合、そうでもないと一日中ベッドで過ごす事になってしまうのだ。
それも魅惑的であるものの、やはり外にも出たい。



「チョコミント美味しそうさね。」
「うん、食べる?」

紫亜の声に、差し出した水色のカップは空を切る。
奪われたのは唇の方。
伸ばされた冷たい舌が、ミントの甘味を舐めて味わう。

「ッ……、何で……!」
「ご馳走様さね、だって和磨の方が甘そうだったし。」

最近、ガードが甘くなってしまっている気がする。
赤い舌を覗かせる紫亜に悪びれる様子など無く、満足げ。

苺のアイスクリームの残り香は、小悪魔に触れられた証。
唇だけは楔波の物なのに。
主の方を伺ってみても、いつもと変わらず冷めた視線。
それでも、確かに見られてしまった。

いちいち傷付いていたら身が持たない。
忘れようとする訳でも無く、空気を変えたくて口を開いた。

「えっと、次……、和柄モノも見たいんだけど良いかな?」
「本当に欲張りさねぇ、お前。」
「まだ足りないんか、強欲やな……」

二人とも駄目とは言わないのだ、結局のところ。
カップが空になったら目当ての店へ。



漆黒を基調として、和の匂いに満ちた空間。
ショッピングモールの中でも新年の空気が一際似合っていた。
干支である龍も、モチーフとしてよく使われる獣。
刺繍やプリントの施された服が並び、思わず目移りしてしまう。

「どれも派手やな……」
「ん……、でも楔波、似合いそうだけど。」

シンプルな服を好む楔波には、どれもこれも縁が薄いらしい。
だからこそ、違う恰好が見てみたくなる。
今日こそ何か着せてみようと連れ出したのが、和磨の目的の一つ。


「買わなくても良いから、試着だけでも駄目?」
「面倒やな……」

食い下がってみるものの、案の定で渋い返事。
あまりしつこくしても逆効果。
諦め切れずあからさまに肩を落とすと、紫亜が笑った。

「別に良いじゃないさねぇ、だったら交換条件にしなよ。」
「……て、言うと?」
「和磨も着てやれって事さね、楔波が選んだ物。」
「えぇ……?あの、でもさ……」

提案に従えば両者平等の筈なのだが、戸惑ってしまう。
普段、和磨が可愛らしい恰好をしたところで滅多に反応しないのに。
果たして、其れで楔波は喜んでくれるのやら。

「お前が着るんやったら……、せやな、此れがえぇ。」

なので、楔波がハンガーに手を掛けた事には驚かされてしまった。
目に付いた物を適当に、かもしれないが。
桜吹雪が散った白いパーカーには、丸々した兎。
龍のシルエットが浮かぶジーンズ。

楔波が和磨に何かを望んでくれる自体珍しい。
手渡された服を大事そうに抱えると、嬉しくて頬が緩む。


「それで、お前は?さっさとしぃや。」
「あ、うん!じゃあ……、此れ、良いかな?」

黒い服を探して視線を巡らせて、一枚だけ取る。
肩から左腕に、龍が絡まる長袖Tシャツ。
楔波が着そうもない物を選ぶ事も出来たが、あまり派手ではない。

何だかんだで今のままの彼が好きなのだ。
ちょっとだけ違う服装が見てみたかっただけ。

「楔波先に着てみる?行って来なよ、僕待ってるから。」
「一緒でえぇやろ、どうせお前も着るんやし。」
「そうさね、結構広いし三人でも。」

二人の返事を妙に感じても、腕を取られて押し込まれた後。
聞き返す間も無く、試着室のカーテンが閉まった。


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