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== 梅染街 ==

オレンジの立方体(和宏+和磨)

設定は此方から

お題もラストとなりました。
攻め組で始まったので、最後は受け組で!

配布元alkalism様より。


「お腹空かない?」

とは言っても、そんなに溜まる物でもないけれど。
和磨が差し出したのは、橙色が甘そうな南瓜のキャラメル。
封を切ったばかりで一人で食べるには多い。

和宏が一粒受け取って、おやつの時間。
お互い珍しく連れは無し。


「此れって和磨の店に置いてあったよな、見た事ある。」
「うん、ハロウィンの残りで値下げ品だけど、賞味期限長いし大丈夫だよ?」
「そうだな、お菓子はそーゆー問題が……、ん、いただきます。」
「はい、お好きなだけどうぞ。」

包みを開いて舌に乗せれば、南瓜の香り。
柔らかく溶け出して口腔を満たす。

教室を染める色は、キャラメルより赤みの強く鮮やかな橙。
放課後になっても生徒達は疲れ無し。
帰り支度をしたり、お喋りが盛り上がっていたりと忙しい。


「前から思ってたけど……」

口寂しさだけを残して、一粒目が消え掛かる頃。
不意に神妙な顔、和宏が切り出す。

「何か、たまにキャラ違うよな和磨って。」
「え、どんなだっての?」

此ればかりは本当に予想外。
言葉を纏めようと考え込む間を置いて、二粒目。
和宏がやっと口を開いた。

「物静かって云うか……赤い顔でぼんやりしてばっかりだし。
 授業にも居ない事多いから、何か年中風邪っぽい感じ。」
「宮城君まで……僕そんなに顔赤いかな、よく言われるんだけど……」
「けどバイト先で会う時とかは元気そうだよな、あと今も。」
「あー……」

其処まで指摘された辺りで、原因は解かった。
関係するのは楔波の存在。

近くに居ると、いつも体温が高くなってしまう。
黒を眼で追っては上の空。
傍から見れば、熱があると思われても仕方あるまい。


「心配掛けちゃってたならごめんね、僕は大丈夫だから。」
「じゃあさ和磨……授業出ない事あるのって、もしかして学校嫌い?」

和磨の方を覗き込み加減に、声のトーンが若干落ちる。
また余計な心配を与えてしまっていたらしい。
如何言えば安堵するのだろうか。

「そうじゃないよ、だって……」

少し頭を捻った後、和宏に耳打ちするように。
一呼吸置いて笑ってみせる。

「僕、好きな人居るから……学校の中で。」
「えっ、誰?!……っと悪い、言いたくなきゃ良いんだけど。」
「……あ、宮城君じゃないよ?」
「当たり前だろっ!」

目を丸くしていた和宏も、此れには吹き出した。
其れで良い、難しい顔は似合わないのだ。
柔らかな空気が戻って安堵した。
なので、つい和磨の口も軽くなってしまう。


「誰、かは言えないけど、そうだねぇ太陽よりは月みたいな。
 普段が眼光鋭くてクールだから、たまに少し笑うだけでドキドキするし。
 僕が色素薄すぎる所為かな、逆に黒髪の人って惹……」

喋り過ぎた、と思って口を噤んだ時には遅い。
言葉を取り消す事など出来ないのだ。

此処まで明かしてしまえば、和磨の周りで該当者なんて一人。
和宏も思い当たったらしい。
思わず息を呑んだ、驚いた表情で固まる。

赤面なら兎も角として、まさかこんな反応されるとは。
和磨も冷や汗で黙り込むしかない。
そうして間を置いて数秒。
凍っていた和宏の喉が、一つ動いた。


「……瑠夜?」
「違うッ!!」


残っていた生徒達の視線が、一瞬だけ集中する。
けれど、今の和磨には恥も何も無し。
全力で否定した後も、まだ終われやしない。

「ちょっと宮城君?!なん……っ、何でそうなるんだよ!」
「いや、だって……意識してるから素直になれなくて、あーゆー態度とか……」
「それだけは無い、絶対無いから……っ!」
「うわっ、泣くなよ!わ、悪かったって……」

先程までの凍結は派手な音を立てて粉々。
欠片も何処かへ消え去って、何とも間抜けな溶け方。


「なぁ……、もう機嫌直してくれって和磨。」
「あぁ、うん……ヘコんだけど大丈夫……」

背中を丸めて近くなった目線。
何時の間にか、参った声の和宏に頭を撫でられる形。
子供をあやすように、口に運ばれたキャラメルを大人しく舐める。

友達なら、こんな行動も心が騒がないのに。

そして視界の違いを認識した。
条件が同じでも、見ている者は全く別々なのだ。


「抜けてるとこあるよね、宮城君って……成績良いのに。」
「大きい声も出せるんだな、和磨って……初めて聞いた。」

見知った相手と思っていても、意外な面。
プレゼントを開ける気分に似ている。
夕陽に溢れて、橙色の箱の中。



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