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== 梅染街 ==

紺と金の喪服(楔波+瑠夜)

設定は此方から

楔波君と瑠夜を一緒にしてみました。
タイトルからして、是非とも二人で書いてみようと思いまして!
何か、瑠夜が素直じゃないと云うかツンデレっぽいような。

瑠夜と和磨が不仲なのは、性格的に猟犬とウサギだからです。
不味そう思ってるから食べないけど(笑)。

さて、紫亜君と和磨は如何してるんだか…
ご想像にお任せで(´∀` )

配布元alkalism様より。
賑わう教室は、帰り支度を済ませた生徒が消えると静かになる。
陽の暮れかかった空気に埃の匂いを混じらせて。
残っていた当番もほぼ掃除を終わらせる頃。

他の当番は鞄片手でゴミ袋を捨てに行き、そのまま帰るらしい。
そんな訳で掃除用具を仕舞う瑠夜だけ。
しかし正確には、残っているのは一人ではなかった。
教室を出られない理由も。

ガラス一枚を隔てて教室のベランダ。
背を向けたままで空を眺めている、黒一色。

珍しくいつもの二人が見えない、楔波の姿。


早く出てくれないと鍵が閉められないのに。
相変わらずの冷ややかな視線で一瞥した後、溜息。

いつまで其処に居座る気だろうか。
掃除の間くらい猶予を与えたが、まるで動く気配無し。
それとも鍵の件だけ頼んで此方が帰るべきか。
何にせよ一言で済む筈、なのに。

真面目な瑠夜にとっては不良と云うだけで近付き難い。
それも、天敵の和磨と関係を持っている相手。

あの三人が"友達"と呼べる間柄でない事なら知っている。
本を目当てに足を運ぶ旧校舎、空き教室での逢瀬を何度が目撃した。
別に覗いた訳ではないし興味も無いが。
今では慣れてしまって、廊下を通り過ぎるにも平然と。
甘ったるい声が気持ち悪いと思う程度。


しかし、そろそろ痺れも切れる頃。
巧く声が出てこない喉に、咳払いで活を入れる。

「あの……」

瑠夜が向き直った時、肩に掛けていた鞄の紐が滑ってしまった。
持ち堪えようとした手の遅れが、正に運命の分かれ道。
ぶつかった鞄で揺れる教卓。

安定を失って、花瓶が床に叩き付けられる。


派手な破壊音の後、思わず一瞬の眩暈を覚えた。
頭を振って払おうとも惨状は現実。

掃除したばかりだった床には、濡れて乱れた色彩。
陶器の花瓶は割れてしまって役に立たない。
広い水溜りの中で花と破片が散らばる。
何故こんな事に。


やや乱暴に鞄を放ると、急ぎの手で片付けを始める。
反省や後悔よりも行動が何より先。

余裕など無かったし、窓に背を向けていたので気付かなかった。
何時の間に教室に戻ったのか。
共に膝を着いて欠片を拾う、楔波の手。

「い、良いですよ……僕がやっちゃったんですから……」
「別に、暇やし。」

思ってもみなかった瑠夜からすれば面食らってしまう。
突き放すつもりの言葉も空振り。
情けを掛けられたのだろうか、此れは。



お陰様で大して時間を要さず、処分は終える。
既に萎れかけて限界だった花も一緒に。
庭のコスモスを代わりに持って来れば良いか。
謝罪も明日に後回し。

手を洗いに行くついで、瑠夜が買ってきた緑茶はニ本。

「奢りです。」
「……ん。」

自分が飲みたかったと云うより、何が良いのか分からなかった為。
コーヒーや炭酸は好みが分かれてしまう物。
自販機の中では無難な選択だと思う。
受け取って貰えて、実のところ瑠夜は安堵していた。


机に腰掛けて花を偲んでのお茶。
今更ながら、何とも奇妙な時間だと呟いて飲み込む。

ペットボトルからじわりと伝わる熱。
冷え込む季節、緑茶の温度に小さく一息吐いた。
それから移す視線は、さりげなく。

胸元が肌蹴たシャツに、三連ピアス。
同じ制服でも身に纏う者によって別物になる。
明らかに瑠夜とは違う類。
けれど正直なところ、それほど嫌な雰囲気は感じない。

今は共に座った状態、視点によって随分と見方も変わる。
小柄な瑠夜には長身の楔波は遠い。
まともに目を合わせると首を痛めるのだ、いつもなら。


不意に、紺藍と金色の視線が交差する。

「……何や。」
「いえ、あとの二人が居なくて良かったと思って。」

クラスメイトと一括りになっても、交友関係は様々。
反りが合わない事なら楔波も大体は知っている。
何しろ、普通の会話すら成り立たない。
瑠夜の言い分に納得したようで、再びペットボトルに口を付けた。

此方も交わした言葉など数える程度。
元々、互いに口数が多い訳ではないのだ。

それでも、夕暮れの静寂は息苦しくない。

「貴方の事は嫌いじゃない、ですけど……単体なら。」
「……そぉか。」



「ありがとう」の礼を言い忘れていた。
瑠夜が気付いたのは教室で別れた後、帰り道。
うっかりしていたが、次に顔を合わせた時で良いか。

また明日、教室で。



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