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== 梅染街 ==

爪痕に紅茶の雫(和宏+和磨)

今回も一応ハロウィン物になりますかね。
和磨から見た瑠夜×和宏。
楔波君とは苦い時もあるので、二人の甘々が羨ましいらしいですよ(笑)。
あと「此の薔薇が散るまで」とも繋がってます、気持ちとして。

実は、次回は楔波+瑠夜に挑戦しようかと…
私もお題やってみようかと思ってたのです、前々から。
カップリングもコンビもごっちゃで、来月から始めてみます(´ω`)


10月の雑貨屋は橙色と黒で鮮やかに彩られる。
まだ夏と呼べる頃から少しずつ色付いて、もう埋め尽くされる程。
片隅に置かれていた南瓜が今や主役。
残暑を越えるとハロウィンの早さに驚かされる、毎年ながら。

衣食住まで軽く取り揃えた店内で特に賑わうのは、キッチン用品のコーナー。
甘い物の祭典だけに材料や型、ちょっとしたお菓子も。

中央のハロウィングッズから外れて、ティーセットの棚。
色の中でも赤は最も人の眼を惹く。
此方に背を向けた、ワインレッドを帯びた髪。

「何かお探しですか……、宮城君。」

僕の一声で跳ねた肩、振り向いた瞳は大きい。
脅かしたつもりとか無いんだけどな。
正体を知って安堵したのか、驚きで開いた口が溜息を吐く。


「疚しい事してた訳じゃあるまいし。」
「違うって……、ほら、和磨の恰好に驚いただけ。」

強がる必要も無いのに言い訳。
別に良いんだけどね、そう云う事にしといても。
実際、今の僕はイベント恒例の仮装中。
うちの店では服飾コーナーの商品を店員が着てマネキンになる。

黒猫の耳が生えた魔女帽に、首には葡萄色のストール。
制服だから水色のエプロンは普段通りでも。


ところで、何をそんなに熱心に見てたんだか。
宮城君の手から棚に戻された物に、改めて視線を移す。
サファイアの瞳の猫がすましたマグカップ。

全体的にモノクロの中、深い青で此方を見ている。
可愛さよりもクールな印象。

「此れさ、俺も持ってるんだけど……赤い方。」

隣には、鍵尻尾をしたルビーの瞳。
此のデザインはシリーズ物で、猫のポーズでそれぞれ色が違う。
幾つか種類あっても、青は残り1つの現点限りだけど。

「こないだ家に来た時、瑠夜が「良いな」って言ってたから、えっと……」

途切れ途切れで少なめの言葉。
でも、大体は解かった。

「で、モヤシ君の分もカップ用意してあげようと。」
「まぁ……」
「けど、いざ買うとなると、お揃いってのが照れ臭くなったと。」
「ちょ……っ、俺の頭の中読むなよ!」

指摘されて、気恥ずかしさで林檎になる頬。
宮城君が怒っても怖くないけどね。
かと云って誰かさんみたいに、からかって遊ぶつもりも無い。

それにしても、そんな一言の為にわざわざ来たっての?

僕からしたら、何でもないような言葉なのに。
他に買う物のついででもないらしく、長い事悩んでいた後姿。
全くもって健気だと恐れ入る。

「それで、あと1つしかないけど如何する訳?」
「もうちょっと、考える……」

選択を迫られると、余計に迷ってしまったらしい。
それに僕が居たら買い難いか。
俯いて此方もカップも見ず、足早に棚から離れて行った。
少し意地張ってるな、あれは。


だから言ったのに、あと1つしかないって。
忠告した意味くらい解かってる?

すぐ近く、乱れたランチマットを畳み直していた時の事。
ティーセットの棚の前に女性客が立つ。
手に持って見ているのは、例の青い目の猫。

あーあ、もたもたしてるから。

舌を出したい気分でランチマットに視線を戻す。
僕には関係無いし、全然。


「お客様申し訳ありません、此方の商品は予約済みとなっております。」

深々と頭を下げての謝罪。
礼する前の一瞬、相手が戸惑った顔したのが見えた。
少し呆然とした足元が気まずげに立ち去る。



「もう!買うんでしょ、はっきりしてよ!」
「え……、何怒ってんだよ、和磨……」

また肩が跳ねたのはお菓子の並ぶテーブルの前。
ワインレッドの頭を発見して早々、青い猫のカップを突き出す。
今度ばかりは素直に受け取られた。
僕の勢いに圧されてか。

けど、カップを手に収めると若干嬉しそうになる。
宮城君の表情が和らいだのは確か。


「……カップに合わせて、お茶とかお菓子も一緒に如何かな。」

実のところ、お勧めは親切からではなく営業。
こんな手間掛けさせたんだからカップ一つで帰すつもり無し。
他にも何か買わせないと気が済まないよ、当然。

「そうだな、丁度切らしてたし紅茶欲しいんだけど。どれが美味しい?」
「薄荷ミルクティーすっきり甘くて飲みやすいよ。」
「あ、ごめん、瑠夜がミント系駄目なんだ。」
「……そんな情報如何でも良いよ。」

訊ねておいて其の回答って……いやいや、落ち着こう。
今は仕事中、それに苛立つ程の事でもない。

「キャラメルアップルティーかな、僕の好みで言わせて貰うと。」

何だかんだで、一番惹かれるのはキャラメル系。
焦げた砂糖は甘いばかりじゃない。
林檎の香りが抜けた後、苦味を愉しむ紅茶。

「そっか、ありがとな和磨。」
「じゃあ決まりで良いんだね……贈り物だったら、ラッピングする?」
「いや、瑠夜が家に来た時用だし。お茶出す時に使うから良いや。」
「……あぁ、そう。」




あれって惚気られたのかな、結局のところ。

爆発しろー、と宮城君の背中を見送って、僕も終業時刻。
魔女帽子も脱いで手櫛で髪を直す。
落ち葉を踏み鳴らしながらの帰り道、秋風が余計に冷たい。
一人になって思い出すのは、青い目の猫。

何であんな事言っちゃったんだろうね……、僕。

誰の物になろうとも如何だって良かったのに。
困らせちゃったな、あのお客さん。

宮城君の為か、と云うと完全な正解でもないと思う。
だって僕はそんな優しくないもん。
そもそも、妙に神経過敏になっているのは何でだろうか。
自分でもよく解からなくて気持ち悪い。
さっさと忘れてしまおうとしても、お腹の辺りに居座り続けている。


家に来た時の為、って言ってたな。
あの二人、仲良いからお互い遊びに行ったりしてるらしいし。

相手の欠片が自分の世界に置かれる、カップは始めの一歩。
知らないうちに少しずつ物が増えていくんだろう。
そのうち、タオルとかスリッパとか……

「……っあー……」

叫びたくなるのを寸前で堪えて低く唸る声。
理由に、気付いてしまった。

あの姿は丸っきり僕自身だ。

今は帰る場所になった、マンションに通ってた頃の。
胸の靄が晴れたら非常に複雑な気持ち。
肌寒かった筈なのに、熱が巡って一気に赤くなる。


「……はぁ……」

考え事しながらの間に一歩一歩マンションが近付く。
すっかり通い慣れて足が覚えてしまった道。
此れも、相手の欠片になるのかな。

僕の中で掻き傷みたいに残されて消えそうもない、ずっと。



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== Comment ==

雫を拭ったのは緑のスプーン
「おかえりさね~」

和磨が帰ってくると同時に部屋の奥から出てきた身軽な紫亜
周りに纏わりつくようにして帰宅後の安堵を邪魔する
けれどそれも毎日のこと
さらりと交わしてキッチンの横を通り過ぎようとした

「…?」

視界に入ったのは朝とは違うテーブルの雰囲気


「…これ、何?」

机の上に不自然に置かれた三本のスプーン
持ち手の部分には緑色のガラスがはめ込まれてる
手に取ろうかと冷たくなった指を伸ばしたとき
奥から良く知った低い声が零れてきた

「お前の瞳みたいやな想ってな」

そう言われて再度テーブルの上を見つめれば
緑のガラスが自分の瞳の色だと気が付いた

「え?えぇっと…」
「冷凍庫にプリンもあるさね~♪
 楔波が珍しく手に取ったから買って来たさね」
「お前、3つがえぇんやろ?」

そう言えば、この間そんなプリンの話をした気がする

スプーンなんか買わなくても家にあるのに

***

和宏がー乙女にwww
余りの可愛さにニヤニヤしました!
家に並んだ二匹の猫、瑠夜君が見たらどう思うのかっての妄想したらニヤニヤがww

あまりにニヤニヤしたので和磨君にもドッキリしかけてみました。
ホントにこの双子は何するかわかったもんじゃないですよね(笑)きっとふと視界に入ったものなんだと思いますw

いつも萌えをありがとうございますーww
甘さも苦さも匙加減一つ
「あ、ありがとう……嬉しい……」

何ともタイミングは絶妙、熱い紅茶に落とした角砂糖のように。
一瞬で跡形もなく溶けて甘さが広がる。
きっと此の嬉しさは、そう云う類のものだろう。

「顔緩んでるさね、和磨。」
「何や、そんなにプリン食いたかったんか?」

含み笑いを零す紫亜に、怪訝に的外れな楔波。
本当の理由なんて伝わらない。
まぁ良いか、そう云う事にしておいても。


メロン味の飴玉によく似ていて、緑のガラスは甘そうな艶。
此れと和磨を連想したと言う。
こんな可愛らしい物どんな顔して買ったんだか。
変わらぬ無表情と分かっていても、つい思い浮かべてしまう。

冴えた月と、金色の瞳。
和磨の方も密かに姿を重ねていた事は内緒。


「……あと、ごめんね。」

此方は声に出さず呟いてみた。
ほんの少しでも、他者と比べて羨ましいなんて思ってしまって。

もしかしなくとも凄く贅沢なんじゃないだろうか、現状は。
愛が理解出来ないと言う二人の主と、玩具。
「普通」なんて望めない関係だと期待しないできたつもり。
それこそ、どれだけ苦くても。

なのに時折、気紛れに与えられる甘さは極上。
ありふれた恋人同士のものよりもずっと強い中毒性で。

***

純情なのが和君ですからっ!
ただ照れ臭いだけじゃなく、感情があるからこそ迷ってしまうと。
ですね、お茶の時間が楽しみで…
嬉しいあまり緩んだ顔隠して、和君ぎゅーっと抱き締めますv

こーゆードッキリは大歓迎です、本当に嬉しい!
私もニヤニヤしまくりました、桜桃さんお仕事早いです…!
双子君は読めないところも魅力ですな。
二人の気紛れに振り回され続けたら良いです、和磨(笑)。

此方こそSS付けていただいてありがとうございました!
萌えが倍以上になって堪りません(´Д`*)





        
 
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