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== 梅染街 ==

キャラメリゼの後味〈2〉(楔波×和磨×紫亜)

*同性愛描写(♂×♂)
後編になります。
時間軸変わって、楔波君が帰って来た後日談を兼ねまして。
和磨が言ってた「好き」を覚えてた事に萌えて書き上げました(´Д`*)
この子達が好きすぎて妄想は止まりません(笑)。


「いつも気付くのが遅いさね、和磨は。」
「何や、俺そんな事言うてたか?」
「言ったよ……」

湯気を立てるカップが三つ並んだテーブル。
夕暮れの空が美しいマンションの最上階には良い秋風が吹く。
熱いコーヒーを恋しくさせる香りが部屋に流れる。
双子の間の席で喉を潤し、和磨が息を吐いた。


あれは、特別でもない一日の何気ない会話。
まだ「好き」の言葉を気軽に使っていた頃だった。
楔波が居なくなる一件よりも、ずっと前。


あの言葉の意味も今なら解かる。
胸に引っ掛かっていたままだったので、容易く思い出す。

幾度となく楔波に伝えてきた、熱を帯びた「好き」の言葉。
まさか食べ物と同じ分類で捉えられていたとは。
子供じゃあるまいし、いや、実際そうした部分は幼いかもしれない。
愛でる事と意地悪が直結される辺りも。

「楔波は、好きじゃ足りなくて……愛してる、だからね……」

先日、楔波に初めて使った特別な言葉。
まだ舌が縺れて慣れず、小声になってしまう。

此れも、意味も気持ちも正しく理解してもらえるか如何か。
何も言わなくても通じ合える、なんて難しい話だ。
紫亜にはなれないのだから。
そして自分とは全く違うからこそ、惹かれてしまった。


夜を思わせる黒髪に、金色の瞳と揃いの三連ピアス。
隣に腰掛ける存在が愛しくて、骨張った大きな手を握る。

帰ってきてから、ますます楔波から離れられなくなった。
また、こうして一緒に暮らせる事がただ嬉しい。
最悪の場合、もう和磨は要らないものかと思っていただけに。
不在だった時の欠落感を埋めようと、身体を寄せる。

「コーヒーだけじゃ物足りないさね、何か無い?」

脚を撫でる赤い爪に、和磨が泣きそうになった目を開けた。
唇から零れた雫を舐める紫亜と視線が交わる。
空のカップもお代わりの催促。
命令となれば従うしかない身、腰を上げて台所へ向かう。

「お菓子あったかな、確か昨日で食べ切ったと思うんだけど。」
「それなら大丈夫、楔波が買って来たみたいさね。」
「あぁ……、冷凍庫にあるで。」

となるとアイスの類だろうか。
ある事を知った上で、何か無いかと訊く辺り紫亜も意地が悪い。

開けた扉の奥から探り当てると、思わず声が零れそうになった。
3個1パックのプリン。
凍らせると美味しい、と和磨が口にした物。

「ね、楔波……あの時の事、本っ当に覚えてないの……?」
「俺がそんな事言うたとかは、全然。」

唐突に、無意識で、こう云う事をするから本当に狡い。

凍ったプリンは容器の中でも揺れたりしない。
卵色の表面にスプーンを立ててみると、確かに固まった感触。
それでもゼラチンのお陰で楽に刺さる。
シャリ、と口に含めばカラメルが小さく鳴った。

「うん、美味し。」

濃厚なアイスクリームに似た口溶け。
普通のプリンでも、冷気が蕩けていつもと違う味わい。

「美味しそうに食べるさね、和磨って。」
「え……、そう?」
「ん、何や知らんが……笑ってるから。」

俺には甘ったるいだけやけどな、と楔波が付け足す。
和磨の頬を柔らかく抓りながら。
上がる熱を自覚しつつ焦れた気持ちになる。
指摘しておいて、本当の理由には気付かないものか。

楔波が和磨の言う「好き」を覚えていた事は否定しなかった、先程。
プリンの件はたまたまだと返されるだろうけど。
胸に響くくらい嬉しかったから、口許が緩んでしまうのも当然。


「あのさ、此のプリンが好きって言ったのって……」

匙を舐めながらも、二人が真っ直ぐ和磨を見ている気配。
今、金色に捕われたら続きが出てこない。
不安定に揺れる翠の眼を瞑る。
笑われてしまいそうでも、伝えたくなった。

「3人で分けて食べられるから……、だよ。」

何処か告白めいていて、妙に気恥ずかしくなる。
だから「はっきりしない」と楔波に言われてしまう訳でも。

誂えたように人数分揃ったカップ。
行動を共にする事が自然になっている関係なのだ。
美味しい物も分け合いたい。
それは、近くなった距離が心地良いと云う証。

「楽しい事なら一緒に、て意味なら俺も賛成さね。」
「何か、紫亜が言うと……やらしい方に聞こえるんだけど……」
「……お前の方やろ、遊びたいのは。」

思わず眼を開けたら、命取り。
息の掛かる近さで二対の金色は冷たく突き刺す。

強請れば、もっと甘い物が貰えるだろう。

諦念して伸ばされる和磨の手。
舌先に残るプリンを呑み込んで、降参を口にした。


*end

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