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== 梅染街 ==

ペパーミントスカイ(楔波×和磨×紫亜)

*同性愛描写(♂×♂)
9/20は空の日と聞きまして、コレは三人の話を書かねばと。
当日までに間に合ったー。
いつも訳解らんタイトルになりがちなので今回は割と安易な線で。


連休明けの学校は教室に居るだけで息が詰まってしまう。
胸元なら開いているので制服の所為ではない。
当然にも授業なんて頭に入らず、机に向かっても無駄。
そして、窓の外は魅力的な青。

申し合わせるまでもあるまい。
三人揃って席を立ち、屋上へと逃げ込んだ。


「…………ん……」


転寝から覚めれば、薄く滲んだ汗を肌に感じる。
日陰は幾分か涼しくても残暑は続く。
見上げてみれば広がる空、シャツの背を支えるのはフェンス。

こんな状態でよく眠れたものだと今更ながら思う。
和磨にとって、高い場所は本能的に怖い。
慣れてしまったのも居心地が良いのも、理由は一つ。
此処に二人が居るから。

ボタンの留めてないシャツは夏服だと何となく直視し難い。
目を擦りつつ両隣の存在を確認して安堵した。
和磨同様に腰を下ろし、脚を投げ出す楔波と紫亜。


「よく寝てたさね、おはよ。」
「うん……」

寝起きで回らぬ頭、頷いてから言葉を認識した。
揺れるピアスが光を乱反射して眩しい。
紫亜の方を見られないが、笑っているのは声で判る。

「二人は……空、見てたの?好きだよね……」
「和磨も見てたで。」
「そうさね、好きだから。」

何の気無しに言ったつもりなのだが、思わぬ返答。
今度は真っ直ぐ頭に入った。
そうやって和磨で遊ぶのだ、飽きもせず毎日。
二対の金色に見詰められるのと妙に身体が固まってしまう。


がらん、と硬い物同士がぶつかり合う音。
視線だけ動かせば、マニキュアの手にはレトロなドロップ缶。
一粒口に運ぶと、紫亜が和磨の方にも差し出す。

「二つ出てきちゃった、食べる?」
「あ、うん、ありがと……」

摘まれたままのドロップに和磨が顔を近付ける。
果実に似た赤い爪は甘そうな艶。
味などしないと判っていても唾液が湧き、口を開けた。

「っん……」

食い付いた後も、紫亜はドロップを離さない。
和磨の唇を割る二本指。
妙に思った後ではいつも既に遅く。

また遊んでいるのかと、一度吐き出そうとしても無駄。
舌を押さえられて自由が利かない。
閉じられない口の端から溢れた唾液が伝う。
一つ二つ、コンクリートの床に雫。
微笑まれると、気恥ずかしさで翠の瞳が揺れた。


「果汁みたいに甘いさね、和磨の。」
「ドロップの所為でしょ、それに薄荷だってば……」

爪を濡らす唾液を舐める紫亜に、小さく反論する。
口篭もってしまう理由はドロップの所為ばかりでもない。

やっと解放されて味わう粒は真白。
眠気覚ましなどで馴染みのミントとは違う。
舌に溶け出す、柔らかに清々しい甘味。

如何云うつもりだったんだか、それにしても。

「和磨が咥えるから、俺の事も食べたいのかと思って。」
「ドロップくれるって言ったの紫亜でしょ、もう……」
「あーんして、とは言ってないさね。」
「ん……、そうだけどさ……」

手で受け取れば良かったものを。
直接食い付いてしまったのは、やはり赤い爪に惑わされてか。

結局のところ、和磨が気になってしまうのは反対隣。
一部始終見ていた楔波は黙ったまま。
甘い唾液を呑み込むと、喉の奥がほんのりと冷たくなる。

楔波の方へと向き直って頬に触れた。
ドロップを覗かせ、薄荷の香る唇を近付ける。

「……楔波も、食べる?」

キスを強請る勇気は精一杯。
恥を捨てても和磨から思い切って求めねば、何も無し。
冷たい楔波はなかなか動いてくれないのだ。


問い掛けて数秒、そのままの形が続く。
こうなると如何して良いのか解からなくなってしまう。

視線の強さに焼き切れそうになる神経。
耐え切れなくなって和磨が折れようとした時。
引き結ばれていた唇が漸く少しだけ笑い、重なり合った。

「要らないとは言ってないやろ。」

深く絡み合った舌先が離れて、小さな水音。
今度は楔波が薄荷を舐め転がす。
散々焦らすのを愉しんだ、甘い清涼感が香る言葉。
鼓動を加速させ、和磨の胸を痛ませる。

意地悪しないでもっと早く受け取ってくれれば良いのに。
口を開けても、舌が縺れて声にならない。

和磨から望んだ事だが、残ったのは口寂しさだけ。
甘い後味が却って切ない。
頬どころか、全身に熱が走ってしまったのに。


授業終了のチャイムが鳴り響く。
驚いたあまり肩が跳ねたら、またもや紫亜に笑われた。

時間に縛られる学校生活も、屋上で過ごす分には無関係。
それでもチャイムで多少は現実に引き戻される。
次の授業は、確か美術だった筈。
得意教科だけに和磨一人でも戻る口実になるだろう。
こんな妙な気分から逃げるには丁度良い。

青空に背を向け、そそくさ腰を上げた瞬間。
片手を引かれて動けなくなる。

「ちょ……っ、楔波……」

戸惑う和磨を捕らえる楔波の方は何も言わない。
逃げるな、と握る力も視線も静かに強く。
確かな意思を感じ取って、痺れるように震え上がった。
振り解ける訳がない。

「……何処にも行かないよ。」

腹を括るとも、諦めるともつかない返事。
再び和磨が腰を下ろした。
此方からも指先を絡め、二度目のキスで薄荷に触れる。

其れは、愛情表現よりも服従の証に近く。



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