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== 梅染街 ==

キャラメルリボンの細結び(楔波←和磨)

*性描写(♂)
一件の後、反省中の和磨はこんな感じのようです。
ずっとぐすぐす泣いてそう…
あれは和磨も悪いんですけどもね(´ω`)
それもこれも、楔波君の事が好きすぎる所為なんで…!


昼の陽射しが強い日でも、暮れれば随分と風も冷たくなる。
けれど、まだ寝床に潜るような時間ではない。

夕方の部屋、赤いソファーにはブランケットの膨らみ。

バイトも無い上に双子が不在では、和磨一人で時間を潰すしかない。
片方は相変わらず行方知れず、片方もいつ帰るやら。
玩具として躾られてしまった所為。
主が居なければ何も出来ずに、ただ帰りを待つだけ。


寝苦しい制服は脱ぎ捨てられ、着替えもせず素肌のまま。
高い背を小さく丸めてブランケットに隠れていた。

眠ってしまえば時間は勝手に過ぎるのに、瞼は重くない。
布地に挟まれて少し息苦しい空間。
深呼吸すると、不意に寂しさで胸が痛み出した。
恋しさより切なさばかり募る。

夜毎に染み付いた匂い。
数え切れないくらい此処で重ねた情交。


反芻しながら、ブランケットに一層深く埋もれた。
楔波に組み敷かれているような錯覚。
微熱の欲求に逆らえず目を瞑る。
探り当てた薄い下着の中、指遊びを始めた。

触れるまでもなく反応を示している場所。
撫で擦れば脈動が伝わる。

普段の情交でも自慰をさせられる事は多い。
冷たく突き刺さるような金色を思い出して、背筋が震えた。
抱き締めた枕に身を擦り付けて縋る。

「…………はぁ……」

熱の上がる最中、不意に和磨の手が止まった。
駄目だ、と諦めの溜息。

如何しても沸点まで届かない。

同じ男であっても、彼と自分ではこうも違うものか。
もっと大きくて骨張った手が欲しい。
幾らあっても足りやしないのだ、残骸なんて。

不在の空虚感、逝けない辛さ。
溢れた涙はただブランケットを濡らすだけ。



行き場の無い情欲も、時間が経てば治まる物。
赤いウサギの目を拭って半身を起こした。

のろのろ下着を直して、部屋着のTシャツを被る。
誰が見ている訳でもなし。
だらしない恰好のまま台所に向かい、冷凍庫を開けた。

キャラメルリボンのアイスクリームを一匙掬う。
冷たい、甘い、ただそれだけ。

楔波の居ない食卓では、何を口にしても美味いと感じない。
空腹感すら如何でも良くなってしまう。
ずっと食事が喉を通らず、当然ながら無気力状態。

「っ……、うぅ……」


今、何処に居るかなんて別に知りたくなどない。
此処じゃないなら、意味が無いのだ。

甘い砂糖だって、煮詰め過ぎれば黒く苦くなる。
幸福な筈の記憶も今は痛くて堪らない。
奥深い場所で、焦げ付くばかり。

「好き」の一言で、こんなにも苦しむ事になろうとは。

楔波は、彼なりに和磨を想ってくれていたのだろう。
なのに気付いてあげられなかった。

すぐ後にメールで謝罪を送ったが、予想通り返事は無し。
声を聴きたくても電話は掛けられなかった。
出てくれなかったら、と考えてしまうと怖くて。

自己嫌悪の一方、望む事はそんなに悪いのかと反抗心も。
和磨には言葉も行動も求めるくせに。
最初から対等でない関係。
今まで飽きられたら捨てられるとばかり思っていたのだ。

玩具と呼ばれては、特別な存在として想われる自信など持てない。
そんな事を考えながらスプーンを噛む。


もう一つ、和磨の中で粘着している言葉。

楔波を追い掛けようとした背中に、紫亜が呟いた。
「一番残酷なのは和磨だ」と。
あの日、聞きそびれてしまったまま今に至る。

如何云う事か深読みする程解からなくなる言葉。
どちらに対してなのか、で意味が全く変わってしまうのだ。


楔波に対して、と云う事なら弟としての批難。
それとも紫亜に対してか。
双子として生まれてから続いていた、二人で一対。
片割れを玩具に取られたら面白くないだろう。

此の問題は、楔波と和磨二人だけのものではない。
紫亜も含めた三人の距離感に影響する。

そもそも、紫亜と交わし合った「好き」が事の発端。

和磨が同じ言葉に込めた、双子への異なる感情。
曖昧を嫌う楔波の事だ。
自分と片割れに対する違いが判らずに苛立ったのだろう、多分。
和磨からすれば、形振り構わず想ってきたつもりだが。
まだ愛が足りないと云うのか。

酷い事をしているとしたら、或いは、と浮かぶ可能性。
まさか、と打ち消してしまう淡さだが。

「それは、無いよね……」

紫亜の「好き」は"気に入っている"の意味に過ぎない。
口にしたのも戯れの筈。
和磨に宛てられた言葉が、"愛"である訳が無いのだ。


手を止めるなら冷凍庫に戻せば良かったか。
考え事をしている間に、アイスクリームは早足で溶ける。
バニラもリボンも甘ったるい混然。
どろり溶けてしまっては、解く事も不可能。

絡まって、捩れて、如何しようもなさそうな現状。

けれど、伝えたい言葉なら和磨の方にもある。
頑なな結び目を緩めるくらいは出来るかもしれない。
まだ少し心の準備が必要だけれど。

「あのさ、楔波……、僕ね……」

匙を舐めながら、独りきりで口の中だけで呟く。
溶けて消えてしまわないように。



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== Comment ==

メールの行方
「答えてあげればいいのに…意地悪さねぇ楔波は」
「お前に言われたない…」

夕暮れのオレンジ色を背に浴びながら
いつもと同じように空のよく見える場所で黒い携帯をぱたんと閉じた
和磨からのメールを見て無い訳でも、削除したわけでもない

その行動に紫亜はくすくすと喉の奥で笑い空を見上げる
楔波も同じく何を言う訳でもなく金色の瞳をオレンジ色に染めた

「好き」

たかがそれだけの言葉
言葉の意味など考えたことも考えようとしたこともない
考えたところで感情が欠乏した楔波にはわからないだけなのだ
それでも、自分を思う相手はその言葉を求める

「好き」

誰にでも言うのだろう?
どんなものにでも言うのだろう?
その違いがわからない
ただ、自分を見つめて離さない瞳で手で体でそう告げられる

決して相手が思うままにその言葉を受け止められるわけじゃないのに

「……」
「…楔波がそうやって何かを考えること自体が珍しいのに
 くすくす、和磨ってば欲張りさねぇ
 楔波の何もかもが欲しいなんて」
「……」
「俺らに解るはずもないのに。同じように告げろなんて酷さね
 ホント自分で自分の首を絞めるなんて面白い奴さねぇ」

「…言葉はよぅ判らん」
「くすくす、そりゃそうさ…言葉に大した意味はないさね」
「お前は、どう思っとるんや。紫亜」
「…っ、はははは。何?聞かなくても解ってるさね
 俺の考えてることなんか」

「お前の考えはな…

 あいつの「好き」がわからん…」

どちらともに向けられている言葉
あまったるいプリンにも
可愛らしい服にも
同じ言葉を放つ
それ故に

「好き」という言葉が重く感じられる
意味は分からずとも気持ちを汲めずとも
自分に向けられているものが違うことは

「俺には…同じようには言えん」

どれだけ時間が経とうとも
このメールに文字を打つことなどは出来ない

「…くす。言わなくていいんじゃないさね?
 きっと今頃泣いてるだろうから
 遊んでやる。それが俺らの「好き」さね」

「……それは、お前の。やろ」

「あれ?そうさね?くすくす」

「俺に「好き」はない……」

パカッと携帯を開き
「今から帰る」
それだけを打つといつの間にか空は闇へと変わりつつあった

***

メールを打っただけでも進歩(笑

和磨君の切なさとか、この行き違いの悲恋な感じが熱いですね//楔波や紫亜が勝手すぎてすみません~!でも、お互いに想いがあるからこその苦痛。それに私はニヤニヤしまくっております~ww
和磨君の心情が文面から心に響いてきてぐっときました…切ない//
でも、メールが届いたらどんな反応なんだろうかなとか。楔波が帰ってきたらどうするんだろうなとか色々妄想しましたwwえへえへ♪

いつも素敵なお話をありがとうございます!
私のページで更新が出来て無いのですが…
此方ででも遅ればせながら何か交流できたらなと思うのです♪
ふふwこの子達はどうなるのやらwですねw
告白か戯言か
ドアが開いて早々、跳ねるように和磨が黒い塊に飛び付いたのは反射。
楔波の肩越しに重い金属音で閉ざされ、三人きりの密室になる。

段差から急に立ち上がったものだから膝が痛む。
メールが届いた時、思い切りソファーから転げ落ちて打った青痣。
それから後は大忙し。
ずっと待っていたのに時間は幾らあっても足りない気がした。
簡単な物でも三人分の夕食を作り、身支度を整え、玄関に座り込んでの待機。

眩暈がして、倒れこむように恋しかった存在に凭れ掛った。
どれだけ掻き集めても足りない抜け殻ではなく、本物。

顔を洗って少しだけ落ち着いたウサギの眼。
赤いのは今や顔も同じなのだが。
間違いなく、今夜は身体中の水分が空になるまで泣く事になるだろう。
けれど、温めていた言葉達を伝えなければならない。
涙で喉が詰まってしまう前に。

「……まず、ごめんね、解らないのに無理に言わせちゃって。」

真っ先に口にしなくてはならないのは、謝罪。
楔波の不在は充分過ぎるお仕置きだった。

和磨が求めて、楔波に与えられて、そうして成り立っていた関係。
餌を強請る獣のように。
そうなれば彼を食べねば生きていけない。
身体や、言葉や、それらを糧としていくうちに飼い慣らされる。

要は貪欲になりすぎて抑えが利かなかったのだ、あの時は。
「好き」と言われる前のキスがあまりに甘くて。
本来、此れは舌が痺れて泣きたくなるほどの苦味なのに。

紫亜への「好き」はペットが主人に対する類。
違いが解らないなら、楔波への想いは別の言葉に託すべきか。
玩具扱いされても、最後の最後でプライドを捨て切れていなかった。
ずっと前に恋した女の子にすら告げなかった言葉。

「好き、じゃ足りなかったんだよね……
 本当に、生まれて初めて言うんだから、ちゃんと聞いてよ?
 あのさ……僕ね、楔波を……ぁ、愛してる……」

背筋から駆ける熱で震えて一息に。
顔を上げて向かい合った瞬間、金色に射られた。

耳に届いた時、戯言としか聞こえなかったかもしれない。

此の言葉も楔波の辞書に無いなら、きちんと意味も教えねばなるまい。
それでも理解してもらえないかもしれない。
また和磨の方がひたすら求めるだけ。
けれど、覚悟を決める時。

「もう他の人に触れて欲しくなくて……、離れてると死ぬほど苦しいって事だよ。
 飽きさせたりしないからね……あ、えっと……僕も、努力する。
 だから、これからも、傍に居させて欲しい……っ……」

言葉の最後は、とうとう涙混じりで塩味。

何事にも無関心な楔波が自分を想ってくれていた。
そこに嘘が無かったなら、それで答えだと思っても良いのだろうか。
此の先もずっと楔波を愛し続ける自信はある。
もう「好き」なんて言ってくれなくても、構わないから。

***

前回から気になって仕方なかったものの、絵チャをお誘いし損ねてたので
続きが出来て大変嬉しいです!
交流と云えば…、またやりましょうかリレー小説(´ω`*)
楽しむって事が最優先ですので、此方もゆったりペースで遊べたらなと!

それにしても紫亜君てば和磨で遊ぶ気まんまんですよね…
途中でエロになっても良いでしょうか(笑)。

想いの自覚が無い楔波君と、痛いほど持て余してる和磨の差ですね。
苦痛が無いと成立しないカップリングなのかも。
楔波君、和磨が泣いて感情を曝け出すところが見たい訳だし。

和磨が一つ一つ言う「好き」を覚えてたんですね…楔波君てば(´∀`)
萌えたあまり、プリンの件でネタが一つ出来ましたので
こっちも近いうちに書かせていただきますv





        
 
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