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== 梅染街 ==

ハート女王の庭園で〈1〉(楔波×和磨×紫亜)

*同性愛描写(♂×♂)
桜桃さんお誕生日おめでとうございます!
今年のリクは3人の公園デート、て事でお出掛けしていただきました。

携帯で連絡取り合いながら、現地で待ち合わせもオイシイかと思いましたが
ドキドキ感大きいかと思ってサプライズのお迎えでv


休日の雑貨屋は、店内の空気で時間が緩やかに感じる。
勤務時間が終わった頃も穏やかな気分。
制服のエプロンを脱いで、更衣室から窓の外を見た。
ガラス一枚向こうは青空の眩しい昼過ぎ。
起きた時、寝床に篭もっていたいくらい肌寒かったのにな。

思い出したら急に恋しくなった。
僕が欲しい物は毛布じゃなくて、体温。

眠る二人を起こさないようにして出掛けたのは、今朝の事。
声も聴いてないし、きちんと顔すら見てない。
そりゃ、夜には沢山触れてくれたけど……
色濃く残る余韻を引き摺って、溜息。

此の感情は空腹にも似ている。
あんなに満たされたと思っても、食い溜めしておけない。
味を思い出しては想いを馳せる。

もう何処か出掛けちゃったかな、休日だし……
毎日一緒なのに、早く逢いたい。


「お疲れ様、遅かったさね和磨。」

だからって、こんなにすぐ叶うなんて出来過ぎじゃないの?
お店の外で待ち構えていた男の子二人。
僕の驚いた顔を笑う紫亜と、空から僕に視線を移した楔波。

あ、違うな……考えていたら逢えた、じゃなくて。
いつも想っているから逢えた時が突然に感じる。


それはそうと、本当に如何したんだろう。
迎えに来てくれた事は前にもあった、けど珍しい。
気紛れと云えばそれまでだけどさ。
休日で暇だから、とか思っていたら楔波の回答は予想外。

「和宏に丘の公園の花が見頃やって聞いたから……、行くか。」

ああ、此処って公園までの通り道だしね。
楔波の事だから、ふと思い出して外へ行く気になったんだろう。
僕も誘ってくれるのはついでかもしれないけど……嬉しい。

「あ、ありがと……僕も、良いの?」
「俺一人で何処か行くと心配するやろ、お前。」

あれ、と気付いたのは其の言葉。
僕一人にすると、じゃなくて、楔波一人で?

「え、だって、紫亜も居るでしょ?」
「ああ、最初は留守番してる言うてたんやけどな……」
「和磨居る方が面白そうだし、着いて来ちゃった。」

僕はオマケで居る筈、だったんだけどな。
行動を共にして、一緒に住むようになって、時間は短くない。
関係が変わってきているのは確実。
紫亜は僕より鋭いとしても、楔波は気付いてるのかな……

バイト終わったらすぐ帰るつもりだったので軽いバッグ。
肩に掛け直して進路変更、行き先は公園へ。



「あ、ねぇ楔波、丘の公園って何が咲いてるの?躑躅とか?」
「さぁな、花としか聞いとらんし。」
「今日のメインなのに……、ああ、行けば判るって事ね。」
「いや、俺は空見るつもりやし……花は、お前が好きそうやと思ったから。」

ん……、まぁ、そうだけどさ……
思い掛けない事を簡単に言うから、いつも困る。
嬉しいのが顔に出てる事なんて僕だって判ってるよ、もう。


緩くて長い坂を登っていると頬に涼風。
木立の緑ばかりだった視界が開け、極彩色に変わった。


「わ……ぁ、凄いねぇ……」

感嘆は言葉を失わせて、なかなか咄嗟に巧く出て来ない。
代わりに溜息だけが零れる。
何度も瞬きする眼で、辺り一面を見回した。

なるほど、宮城君が「花」としか言ってなかったのも頷ける。
丘の青空と交じって、咲き誇る色は一種類じゃない。
沢山ある春の花々が一斉に溢れていた。
小首を傾げたパンジー、鉄砲百合のラッパ、幾重も折り重なった薔薇……
五月の太陽を浴びて盛大な乱れ咲き。

「せやな、眺めも悪くない……」
「んー……、気持ち良さねぇ、此処。」

僕ら以外に誰も居ないので絶好の展望場所も空席。
花壇を通り抜けた二人は柵に悠々と凭れ、目当ての空を見上げる。
屋上やベランダで見慣れた背中。
紫亜に左腕を引かれ、並んだ双子に挟まれる形で落ち着く。

大した高さでもない場所でも、景色を眺めるには丁度良かった。
此処からの空ならあまり怖くない。
大地を踏み締めている事は、それだけで安心する。


片側を細い腕に絡め捕られているだけ、お留守の右手が寂しい。
人目がある訳でもないのに恐る恐る伸ばす。

手探りだけ頼りの中、楔波の指先と触れ合ったのは突然。
繋ぎ慣れていても微熱が巡る。
窺ってみると、空に向けられていた眼と視線が交差した。
猫科の猛獣みたいな金色。

其の時、背後から近付く声で現実に引き戻された。

今まで誰も居なかった方が不思議か、それもそうだよね。
屋上と違って此処は休日の公園。
そろそろ離れなくちゃ駄目かな……、もう時間切れ。
男だけで密着しているとか不自然だし。

なのに、絡まった指先は解けなかった。
名残惜しくても僕の意思じゃない。


「和磨、こっち。」

突然、二人掛かりの力で身体が引っ張られた。
驚きのあまり声も無いままに、白薔薇の植え込みの影へ。

え、ちょっと、何で隠れたりするの……?


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