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== 梅染街 ==

ハート女王の庭園で〈2〉(楔波×和磨×紫亜)

*同性愛描写(♂×♂)
話書くに当たって「花」と色々考えてみて薔薇に落ち着きました。
「此の薔薇が~」では赤イメージでしたが、此方は対として白をテーマに。
桜桃さんの描いて下さる和磨は白薔薇が似合いそうでっ!
頬染めてる表情が可愛いのです(´Д`*)

エロになりそうでならない…との事で、ほんのりエロくイチャイチャと。
えーと、コレくらいはセーフ範囲ですかね(笑)。
触れ合いながら、和磨かなりドキドキしてるかと思います。

それでは、このたびはリクありがとうございましたv
楽しく書かせていただきまして、此方こそどうも!


強い陽光から隠れると、日陰の涼しさと湿度が肌を撫でる。
薔薇の根元は土の入り混じった花の香りが濃い。
ほとんど倒れるようにして共に座り込んだら、楔波の胸。
隣の紫亜も相変わらず腕を絡めたまま。

此の二人の場合、赤い薔薇が似合いそうなものだけど。
白でも違和感が無いのが意外。
いや、そうじゃなくて……問題は今の状況。


「えっと、知ってる人でも居たの?」
「そうやない。」

ただでさえ近い距離に、囁き合って掛かる吐息。
背中を抱く腕にも力が込められる。
引き寄せられるようにして、唇を重ねた。

「……して欲しそうな顔してたから、お前が。」

意地悪く口許を歪めると、今度は軽く噛むように。
痛みの甘さで背筋が震えた。


"したかったから"とは言ってくれないんだよね、決して。
此れも僕から求めた事になるのかな。
表情なんて自分じゃ判らないから何とも言えない。

期待してなかった訳じゃないし間違ってないけど……
どちらでも良いか、此の状況が幸せだから。



そう遠くない場所から賑やかな声。
背の高い植え込みは深く、死角だから見つかりそうもない。
そもそも此方に来る気配も無し。

でも、此処じゃキスから先に進めない。
解かっているのに、大人しく踏み止まる事も出来ず。

何度も啄ばんで、角度を変えるたび擦れる唇が鳴る。
遠慮がちに差し出した舌。
絡め取られて流れ込む唾液を味わう。
蕩けそうになるには充分だから、今は満足かな……


不意に、耳元を掠った何かがふわりと肩へ落ちた。

其の間も頭上から柔らかく降り注ぐ感触。
思わず眼を開けて、摘んでみると……、白い花弁。

「何してんの?」

名残惜しげに引く糸を一度切って、紫亜に訊ねた。
遊んでいる事には変わりないだろうけど。


距離は変わらないままだから気付くのが遅れた。
何時の間にか、紫亜に捕われていた腕も自由になっている。
それより面白い事を思い付いたらしい。
手元の薔薇を摘み取っては、僕の髪に花弁を散らす。

「和磨に似合うかな、と思って。」

堪える事もせず笑いの混じった声。
自分じゃ見えないし何が面白いのかよく解からない。
別に不快じゃないにしても、何だかなぁ……

「あのねぇ……駄目だよ、公園の花毟ったりしちゃ。」
「ん、じゃあ終わりにするさね。」

そう言いながら、紫亜が最後の一つを易々と手折る。
ただ今度は捻り散らしたりせず。
薔薇の形を保ったまま、器用な手で僕の髪を飾り立てる。
だから、もう花は間に合ってるってば……

「可愛いで?」
「うー……」

頭に花を咲かせた僕を見て、楔波が喉で笑う。
頬が熱くて思わず唸った。
愉快で堪らないとばかりの紫亜は、さも満足げ。

嬉しい言葉の筈でも、何だか妙な恥ずかしさで一杯になる。
誉められている気がしなくて素直に受け取れない。


「もう良いでしょ、取っても……、痛っ!」

頭上へ伸ばした直後、噛み付かれたような錯覚に手を引っ込めた。
恐る恐る確かめてみると薔薇は花の部分だけじゃない。
ああ、そうか、茎ごと折って挿しているのか。
鋭く走った痛みは棘の所為。

厄介な事に、幾つもの棘に髪を絡み付けて固定してある。
細い巻き毛は一度こうなると直し難い。


油断していたものだから、思いっきり突き刺してしまった。
刺し傷は小さくても痛みが持続する類。
指先で摘まれた花弁に、真っ赤な血がべたりと痕を残す。

赤に塗られた白い薔薇。
童話のアリスじゃあるまいし。


「駄目さねぇ和磨、取って良いなんて言ってないでしょ。」
「そうだけど……あの、紫亜、怒ってる……?」
「いいや?ああ、待って……、舐めるなら俺がやってあげるさね。」
「ふぁ……ッ!?」

此れくらいの傷なんて血を吸い出せば治る。
口に運ぼうとした手を捕られ、紫亜が咥え込んだ。

言い付けを守らなければ、お仕置きされる関係。
そうやって躾られたから身体を堅くしたところで予想外に。
罰なのかな……、此れって。

冷たい舌を絡めて、傷口を中心に濡らしていく。
血と唾液が混ざり合う水音。
唇で甘く噛み、零れた息が爪先を擽る。
真っ赤な舌を覗かせる時、上目の金色に刺された。

幾度も繰り返して来た行為の記憶と重なる瞬間。
場所を弁えない身体に、錯覚が微熱を宿す。

「も、良いよ……、やめ……っ、」

焦れる感覚に危険を感じて、引っ込めようとした手。
言葉は最後まで声にならなかった。
頬を掴まれ、楔波に再び唇を塞がれた所為。


「まだ駄目。」

両耳を噛みながら吹き込まれた声が、重なる。
それぞれ違う響きの甘い低音二つ。

震える呼吸に、白い薔薇が強く香り立った。

往復する家も学校も、空の青しか見えない高い建物。
ただでさえ普段の日常は緑と馴染みが薄い。
なのに今、花に埋もれている。
何だか酷く非現実的な気分になってしまう、遊びの時間。


快晴の休日は平和な顔で過ぎて行く。
眩しい陽に背を向けた日陰、此処だけは別世界。

でも僕はアリスじゃない、それで良い。
夢じゃないから眼を開けても何も消えたりしない。
だから、此の手を離さないで。


*end

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