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== 永桃学園日誌 ==

アルビノの生態(鈴咲+風雅)

設定は此方から

赤鼻パンク!の後日談。
夕焼けの帰り道。


どんなに目を凝らしても見えない物は存在する。
例えば今、空の端で輝く夕陽とか。
無理に輪郭を捕らえようとしても、光の強さに目が負けてしまう。
溶けて行く茜色が視界に満ちるのみ。

「飛島君はいつも夕焼けで時間停まってるやろうけどね。」
「あははッ、巧い事言うねェ。」

本日の部活は既に終了、寮への帰り道。
野外は寒いし日没が早い時期なので暗くなる前に切り上げ。
鈴咲が足を踏み出すたびに茜の制服スカートは小さな波が揺れる。
隣に顔を上げれば、やはり同色の視線。
接着剤で固定されているのかと思うほど頑ななサングラス。


片時も外さない為、碌に素顔を知らないまま既に三年生。
レンズは透ける物なので顔の造作は大体判るが、凝視するには赤が邪魔する。
そんなに目が弱いとでも云うのだろうか。

「ちゃんと見えてるん?」
「うん、掛ける分には色も薄くなるからねェ。」
「顔見られるの嫌なん?」
「そんなヒドイ顔してる訳じゃないってェ。」
「外すのってお風呂とか寝る時くらい?」
「んー……、もう一つあるよ。」

返答は一旦途切れて、三日月に歪んだ唇から覗く八重歯。
アリスの絵本のチェシャ猫に似ている。

「チューする時。」

其処で思い出すものは一つ、少し前に流れた”あの噂”。
恐らく風雅も予測した上での言葉なのだろう。
此れはそう云う笑みだ。


「なぁなぁ、飛島君もバイなん……?」
「えー、忘れちゃったァ。」
「答えになってへんやん、ちゅーか答える気無いんやろ?!」
「こっちも質問あるんだけど、」

のらりくらり答えていた風雅が語調を改める。
今更サングラスの事など見珍しくも無いのに、疑問に思ったのだろうか。
理由を尋ねられても「何となく」としか鈴咲も言えないが。

「鈴咲ちゃんの方は、ボクって対象で考えられるの?」

此方を覗き込んで、引き締まった口許。
発した言葉はあまりにも予想外で思わず面食らう。
ほんの一瞬だけ流されそうになって、首を振って、眉を顰める。

「いや、まず素顔見してから言うもんやろ!話はそれからっ!」
「あーらら、やっぱ重要なのってソコなのねェ。」
「男は顔やで?」
「男はキャラでしょー?」

鈴咲の頭を撫でるようにそっと叩いて、愉しげに笑う。
今度はからかうでもなく形だけでもなく。
赤い鉄壁の下にある目も同じなのだろう、きっと。

不意打ちならば奪い取る事も出来るかもしれない。
極意は解っていても、行動に移すには青く。
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