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== 梅染街 ==

刹那オレンジ(楔波×和磨)

*同性愛描写(♂×♂)
紫亜君×和磨が辛口ぽかったので、今度は楔波×和磨で甘々も書きたくて。
エレベーターってイチャイチャする場所としてはオイシイなとv
到着した時、紫亜君か夢露さんに見られる確率も高い気しますが…
その場合は和磨一人で焦るだけでしょうがね(笑)。


刻々と迫り行く夕暮れは帰宅の足を急かす。
放っておくと空を眺めるばかりで進まないので、相手の手を引いて。
眩しい橙色に染まって、聳え立つマンション。
連れ立った制服の黒い影が消える。

ロビーを抜けて、慣れた手でエレベーターのボタンを押す。
静かに扉が開けば正面には鏡。
映し出されるのは、鞄を提げて足を踏み込む楔波と和磨。

バイトの無い日は帰り道も一緒。
住んでいる所が同じなので、それこそ朝から晩まで。



正直なところ和磨は昔からエレベーターが苦手だった。
狭い箱の中で、爪先から重力が抜ける感覚。
ましてやガラス張りの類などとんでもなく、恐ろしくて堪らない。
高い所も苦手なので外の景色に血の気が失せてしまう。

しかし、今の家はマンションの最上階。
学校の定位置も青空が広がる屋上。
恐怖感を呑み込んで、双子と行動を共にしている結果。

流石に毎日鍛えられていれば次第に慣れつつある。
下さえ見なければ、の話でも。


それに、此処のエレベーターならあまり怖くなかった。
飽くまでも滑らかな速度の移動。
上昇も下降も、ほとんど音がしないまま。

此の静寂が、却って和磨は落ち着かない。

出逢って随分経つ筈なのに、楔波と二人きりは言葉に詰まる。
紫亜とならもう少し巧く喋れるのに。


扉が閉まった瞬間、改めて意識したら心臓が速くなった気がする。
既にエレベーターの恐怖など消えて。
軽く繋いでいた手を握り締めたのは、無意識だった。

如何かしたか、と無言で訊ねる金色の眼。
不意に視線が交差する。

「…………あっ、」

気恥ずかしさが一声だけ零れた。
思わず肩が跳ねてしまって、もう一方の手で口を塞ぐ。
何か言わなくては、と思うのに。
絡まり合ったままの片手も眼も離せない。

きっと今、楔波が云うように「誘う顔」をしているのだろう。
鏡を背にしている和磨には自分が見えないけれど。


楔波の空いた手に肩を突かれて、鏡に背中が着いた。
布越しに冷気を感じて身震いしてしまう。
舌打ちか溜息か、眼前の唇が微かに音を立てる。
面倒な奴だと言われた気がした。

ごめん、と口篭もっても言葉として響かなかった。
口許を隠していた手を取り払われる。
互いの呼吸が熱くて、噛み付くように重なり合う。


二人きりの時に生じる緊張感。
本当は正体なんて和磨も知っている、恋だと。


薄く開いた唇を舌で割られて、血が沸き立った。
流し込まれる唾液に眼を閉じる。
繋がり合っている手の力は、先程よりも強く。

同性でキスしたいと願う相手は、後にも先にも彼しか居ない。
楔波だけだと確信する瞬間。

此処がエレベーターの中だと忘れそうになってしまう。
閉鎖空間とは云えども扉の前。
いつ開いたとしても可笑しくないのに。
ふわり舞い上がり、空に近い場所へと運ばれる。



到着すればどんなに熱くなっていても終わり。
邪魔は入らずとも、離れざるを得ない。


唇が重なっていた時間はそう長くも無い筈。
なのに、キスだけで和磨の身体は芯が蕩けた気分。
足が縺れ掛かっても何とか歩ける。
引いていた手を、今度は楔波に引かれる形になったお陰で。

連れられるまま、やっと辿り着いた扉を鍵で開く。
橙色の夕陽で満ちた部屋。
無機質なシルバーの家具も、柔らかな光を一杯に受けて。


続きは、してもらえるだろうか。
物欲しそうに赤く染まった和磨の表情。

とりあえず、「ただいま」を言うのが先か。



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