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== 永桃学園日誌 ==

マグカップに羊一匹、二匹(進之介+和磨)

設定は此方から

永桃SS第一弾。
進ちゃんと和磨が会話するとコントになります。


共同生活で学んだ事の一つに「隣室よりも下階の方が五月蝿く感じる」と云う事がある。
静かな夜、シーツに横たわった背中を叩く声。
話の内容などは全く不明瞭な癖に、やたら甲高く響くのだ。
早く寝なければならない日に限ってこうである。

かと云って、苦情を言う為だけに起き上がるなんて冗談じゃない。
心地良く暖まった寝床を抜けて階段を往復する事を考えたら、黙って耐える方を選ぶ。



「守君、起きてる?」
「あぁ……」


欠伸半分、間延びした返事。
黒く大きな塊が身動ぎした気配に、進之助も其方へと向き直った。
大口を開けた顔は暗闇に隠れて和磨には見えないであろう。
枕元の携帯を探れば、青く光る数字は2時間も経っていない事を告げている。

「嫌んなっちゃうよねぇ、静かに物思いに耽る事すら許されないんだから……」
「そっちかよ、お前だって明日早いんじゃないんかい。」

零す言葉は飽くまでも現実的に、物憂げな溜息を一蹴する。
和磨の此の余裕は一体何処から来るのだろう。
まさかとは思うが、最初から寝坊するつもりなのだろうか。

「恋する乙女の悩みなんて守君には解らないね。」
「おい、俺は何処にツッコミ入れるべきなんだ?!」
「だってさぁ、温もりが欲しい時に相手が此処に居ないって切ないものだよ。」
「……溜まってるだけじゃねぇかよ。」


即物的だと叱られても耳から抜けるだけ、気の無い声で受け流すだけ。
会話が噛み合っていないのはいつもの事。
疲れた上に、大きな声を出したら眠気は余計に飛んでしまった気がした。

一頻り説いた後は急に静かになる。
相手も疲れたのかと思いきや、次に返って来たのは問い掛け。

「冷蔵庫に牛乳あったよね?」
「うん。」
「ホットミルクとか飲みたくない?」
「うん。」
「作ってきてくれない?」
「うん……、なんて言うか!何パターン作ってんだよッ!」

こんな古い手に危うく引っ掛かってしまうところだった。
しかし、其処で諦めるような相手ではない。

「それじゃジャンケンしようか、負けた方がキッチン行き。」
「何でどっちかが作る方向で話し進めてんだよ?!」
「僕も毛布から出たくないもん、だって今、下に何も着てな」
「判ったから全部言うな……」

諸々の手間が惜しいのだろう、要するに。
そう云えば寝起きの後なので喉が渇いているのも確かである。
が、進之助だって折れるつもりは無い。
寝床から指先を伸ばしてカーテンを捲れば、部屋の闇を薄める夜の光。
此の程度ならば輪郭は充分。


「ジャーンケーン、」

固めた拳が二つ、宙を振り被り突き合わさった。



「あぁ~……、はいはい、僕の負けで良いよ。」
「いや、思いっきり負けただろ!?”仕方ない”みたいな言い方すんなッ!」
「寝る前だから無糖で良いよね?」
「…………もう何でも良いです。」

問いながら和磨が上半身を起こしたところで、慌てて反対に寝転んだ。
気色の悪い物は出来るだけ見たくない。
枕を抱き直せば、ちょうど台所の方へ向く形。
大した距離がある訳でもない部屋、のそりと動く影は暗闇のままでも辿り着いたらしい。
ズボンに足を通しただけの剥き出しの背中が冷蔵庫の光に浮き上がっている。

急に明るくなった台所が眩しくて毛布を頭まで被った。
何やら話し掛ける声が聞こえた気がしたが、遠すぎてよく判らない。
このまま寝た振りしてやろうか、などと考えながら目を閉じる。
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